セイヨウワサビではなくオランダガラシ(クレソン)のようだ

札幌、雨。やや寒い。

藻岩山の山頂に真っ白な雲がかかる。

道端にはyukioinoさんが教えてくださったオダマキ苧環, Aquilegia)、別名糸繰草(いとくりそう)が、あちらこちらに生えていることに気づいた。その葉は水を強力に弾く性質をもっているようで、表面張力も相まって、雨の滴が透明な宝石のように見える。オダマキは非常に美しい花を咲かせるようなので楽しみだ。

クルマバソウかルピナス(ノボリフジ)か、まだ決着をみていない、この美しい形態の葉をもつ植物。花が咲いて決着をみるまでは、とりあえず、クルマバソウ(車葉草, Asperula odorata, Woodruff)と呼ぶことにする。

原生林のエゾエンゴサク蝦夷延胡索, Corydalis ambigua)の数が昨日よりかなり増えていて、驚いた。フェンス越しに36倍ズームで撮影した。金網が写っている。

10分も歩かない内に、藻岩山上空の雲は流れ去った。

トウモロコシ畑の隅のルリカラクサ(通称オオイヌノフグリ)の一群のど真ん中に、すくっと10cmくらいの茎を立てて、直径数ミリの白い四枚の花弁の花を咲かせる草を、昨日はセイヨウワサビではないかと記録した。しかし再度調べ直してみたら、葉の形などから、どうもオランダガラシ(Watercress)、いわゆるクレソン(Cresson)に思えてきた。

このハーブ系の草の名前はすぐ知れると思ったが、まだ知れない。

So many beautiful! Himalayas band:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、5月、122日目。


Day 122: Jonas Mekas
Wednesday May. 2nd, 2007
9 min. 30 sec.

at Zebulon music
bar
I sing with
Himalayas band

ゼブロン
ヒマラヤズ・バンド
と歌う

場所はすでに六度目、すっかり馴染みになった気分がするゼブロン。ヒマラヤズのドラムスとトランペット中心のサーカス・マーチのような陽気な曲の演奏に思わず踊り出す若い娘二人。今日のバンド構成は、確認できたかぎりで、ドラムスがリーダーのナウージョ、ペット奏者5人、テナー・サックス1人、トロンボーン1人、ギター1人、である。

ヒマラヤズはすでに八度目の登場。パーカッショニストダリウス・ナウージョ(Dalius Naujo)を中心とする謎の多い国籍不明のバンド。その音楽性はなんといったらいいのか、非常にセンスがよく、インスピレーションにも溢れた都会のマルチ・エスニック・サウンドとでも言えようか。モダン・ジャズやミニマリスティックな現代音楽の要素も感じられる。とにかく、音楽におけるジャンルを楽々と越境しつづける音楽集団のようである。

ヒマラヤズのどこかアジア的、チベット的なテイストやアラブ的なテイストも感じさせる曲の演奏と、メカスの叫ぶような歌というか、朗唱。激しく揺れ動くカメラは、バンドメンバーの顔や店内の様子や自分の顔をランダムに断片的に捉えてゆく。メカスが歌う歌詞はほとんど聴き取れないが、「美しい」という言葉が頻繁にくり返される。客席からは声援や口笛やかけ声が飛ぶ。

断片的に聴き取れる言葉とメカスの歌声の調子からその歌詞の内容は、おそらくこんな風だと想像する。「立ち止まって、目を見開けば、世界はこんなにも美しいものに満ちあふれている(so many beautiful)ことに気づくはずさ。音楽や歌や踊りは世界の美しさに気づくためにある。だから一緒に歌い、踊ろう。」