「手話で語られた愛……」

Mさんの「手話で語られた愛のように降る雨に濡れながら」を読みながら、数ヶ月前に偶然見た、冬は雪深い丹波で自給自足する男の数年の時を隔てて取材し編集されたドキュメンタリー番組のことを思い出していた。結婚とは縁遠い孤独で自由な自給自足生活の中で理想の女性はドストエフスキーの『白痴』に登場するナスターシャだと語った彼は、後年耳と目が不自由な女性と結婚する。二人の間の会話は主に手話だった。テレビ番組が準備した文脈を大きくはみ出すほどに、二人は本当に幸せそうだった。正に「手話で語られた愛」そのものだった。私の近い将来の夢は自給自足生活だが、坂本龍一さんにそう話したら、それには惹かれるけど、体が付いていきそうもないね、と言われた。下川さん(id:Emmaus)のように、体を鍛えないといけないな、と思った。