土漠にあるエネルギー産業都市

4車線の道路の上下それぞれ1車線は大型トラックがゆっくりと列をなして走っています。それが何キロも延々と続いている。今日の午後8時頃、楡林の町から空港への道で見た風景です。「この町のパワーを表している」と、一緒にいた中国人が言っていましたが、まさにその通り、日本では見ることのない大型トラックの行列に脅威を感じました。

今週はある日本の製品売込みのために中国に来ています。


(見渡す限り土と砂と背の低い木、これが地平線のはるか向こうまで続いている)



秦の始皇帝の時代からの古都、楡林市は北京から飛行機で1時間ほどのところにあります。市の西北は内蒙古に接していて、周りを土漠に囲まれた辺ぴなこの古都ですが、近年エネルギー産業都市として急速に発展してきています。石炭の埋蔵量(推定、以下同)2,700億トン、石油14億トン、天然ガス6万億立米、岩塩6万億トンという豊かな資源を持っています。地下資源だけではありません。この地域には太陽と風の降り注ぐ広い広い土漠があります。クリーンエネルギーの生産基地として、海外のエネルギー企業がこの町に来ているようです。太陽光発電で有名なアメリカのイーソーラ社もつい最近、楡林に広大な土地を確保しました。かつては全く価値のなかった土漠ですが、時代の変遷により価値を持って来ています。

世界最大の工業国である中国は地下資源も豊富です。一方、我ら日本は地下資源もありません。でも、蓄積してきた技術と目標を設定するとまい進できる国民性は大きな財産です。改めて言うこともありませんが、技術と製品を海外に販売していくのが地下資源のない日本の生きる道です。

先週はインド、今週は中国に来ていますが、インドと比べると中国は何て整然としているのだろう、何て文明国なんだろうと改めて感じます。どちらも急速に成長している大国ですが、中国はインドの10年先を行っていますね。逆にいうとインドも10年以内に中国のような国になると思っています。