読んだ本と挫折した本。

新装版 義経 (上) (文春文庫)

新装版 義経 (上) (文春文庫)

新装版 義経 (下) (文春文庫)

新装版 義経 (下) (文春文庫)

読了です。
相変わらず司馬さんの文章は潔くて格好良い。


家から古戦場の「屋島」が見えるのですが、
この作品を読んだ後で見る屋島は、なんだかいつにも増して切なく映ります。
まさに「兵(つわもの)どもが夢のあと」といった感じで。
海上の平家軍を追っていた義経は、その先にどんな将来を見ていたのでしょうね。


義経といえば、
鞍馬の天狗から戦法を学んだだとか、
五条大橋の上で弁慶と戦ったといったエピソードが有名ですが、
司馬さんの義経にはそういう「超人的」な話は出てきません。
どこまでもリアルに、一人の若者として描かれています。
これまで「伝説の人」だった義経が、
「歴史上に確かに存在した人」として地に降りてきた。そんな感じ。





で、「義経」を読んだ勢いで、
次に司馬さんの戦国4部作の「国盗り物語」へ入ろうかと思ったのですが、
その前に気になってた本を消化しようと思って・・・コチラ↓を。


一千一秒物語 (新潮文庫)

一千一秒物語 (新潮文庫)

エンドレスな妄想っつーか、なんつーか・・・。
お月様と殴り合いしたり、妖精がチョコレートの中に入ったり、
なんかそういう不思議な感じの話が続いて、
好き嫌いがどうこうっていうよりは、
単純に
「(自分にとって)時期じゃなかった」ので、途中で読むのをやめました。
司馬ワールドから足穂ワールドへの脳の切り替えができなかったんだよね。



おとなしく寄り道せずに司馬さんの戦国4部作を読もうと思います。



あ、ちなみに、
タバコの煙の輪をとおして見ると、お月様が三角に見える
っていう話は結構好きだったなぁ。