『恋のページェント』(1934年)

entomolite2007-10-23

"The Scarlet Empress" 監督ジョセフ・フォン・スタンバーグ
タンバーグマレーネ・ディートリッヒと組んで作った歴史劇。プロシアの貴族の娘ゾフィー(ディートリッヒ)がロシアの皇太子ピョートル(サム・ジャッフェ)に嫁ぎ、女帝エリザヴェータと頭のにぶい夫に苦しめられながらも、最後は夫ピョートル3世をクーデターで廃位させ、エカチェリーナ2世となるまでを描く。

一貫して出てくるヴェールのイメージが印象的。ヴェールとディートリッヒのクローズアップの組み合わせがたびたび現れる。


ドゥルーズは『シネマ1』のなかで↓のヴェールが白い空間に「浅い深度」を与えていると言っていたっけ。


そしておなじみ、ディートリッヒの脚線美のサーヴィス・ショットも忘れていない!


ゴシック的・表現主義的な装飾がなんともグロテスクだ。IMDbで調べると美術監督はハンス・ドライヤーだが、彫刻を作ったのはPeter Ballbuschという人らしい。他の映画では編集などを担当していたらしいが、一体何者だろう。



それにしてもこの邦題はなんかおかしくないだろうか。映画の内容にまったく則していないし、IMDbで調べても"Pagant[sic] of Lovers"などという別タイトルはでてこない。なにかの間違いだろうか。