【記事】パナ、リチウムイオン電池の国内拠点半減 中国で5割生産へ

パナソニックがパソコンや携帯電話などに使う民生用リチウムイオン電池のグループの国内生産拠点を、2012年度末までに現在の8工場から4工場に半減させることが29日、分かった。生産を継続する住之江工場(大阪市住之江区)の増産計画も凍結。国内生産を縮小する一方、今後は中国での生産比率を現在の1〜2割から5割程度に拡大して、コスト競争力を高める。

 同社は京都工場(京都市南区)を閉鎖するほか、和歌山工場(和歌山県紀の川市)では基幹部品以外の生産を中止する。守口工場(大阪府守口市)と洲本工場(兵庫県洲本市)はすでに民生用リチウムイオン電池の生産を停止。守口は研究開発に特化し、洲本は自動車に搭載するニッケル水素電池を生産する。


 住之江工場は1期、2期工事の合計で1千億円の投資を計画していたが、2期工事は中止。関西電力から借りていた用地は返還する方向で交渉に入る。今後、国内工場では民生用のリチウムイオン電池よりも付加価値の高いハイブリッド車(HV)向けなどの生産比率を高める。

 一方、中国で3カ所目となる新工場を来年4月に江蘇省蘇州市に完成させる予定。中国の既存工場でも生産能力を拡大している。現地の安価な部材を活用するなどでコスト競争力を高め、サムスングループなどライバルの韓国勢が急速にシェアを伸ばしていることに対抗する。

【記事】MSN産経