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羊男読書日記 このページをアンテナに追加

2017-03-19

いまの文学者

今、文学者というと、ふたりしか思い浮かばない。

高橋源一郎堀江敏幸である

小説家はいっぱいいると思う。

村上春樹を筆頭に、いくらでも小説を書くために生まれてきたひとはいる。

でも、小説も書くけど、文学、とういう大文字を考えている小説家はいはいないと思う。

高橋源一郎はそれを戦略的にやっている。そういう小説も書いている。

堀江敏幸はそれを意識的に避けている分が反転的に文学的にならざるを得ない構図となっている。

いずれ、あと100年も経てば村上龍文学者になるのだが、このいまでは文学者ではない。

なにかそこにはぶんがくを成り立たせようとする輪郭のようなものふたりのはある。

意図的であるにせよ、回避であるにせよ。

2017-03-17

コンラッドの描きたる自然について」夏目漱石

明治の頃は小説にも使命があると考えていた人が多かったのだろう。

漱石コンラッド小説を模して、「自然の経過は人情の経過と同じような興味をもって読む事のできるものだ」と言う。

正道とやらを作って自分祭り上げる人はいまでもたくさんいる。

うざったいものだ。

2017-03-01 2017年2月の読書

[]2017年2月読書

2017年2月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:824ページ
ナイス数:18ナイス

カッパ・ブックスの時代 (河出ブックス)カッパ・ブックスの時代 (河出ブックス)感想
ビジネス本的な紹介というか話題が多いような気がして、いまひとつ馴染めな買った。あるいは文章がそうなのか。カッパの初期の本は面白そうなんだけど、古本通な話題がないところがいまひとつだったのかも。
読了日:2月25日 著者:新海均
おなかがすいたハラペコだ。おなかがすいたハラペコだ。感想
著者も読者も年取ったんだろうけど、相も変わらず飲食話題が汲めども尽きない。いつまで付き合えるのか。思えばサブカルも遠いところまで来たもんだ。
読了日:2月25日 著者:椎名誠
アジア学の宝庫、東洋文庫 東洋学の史料と研究アジア学の宝庫、東洋文庫 東洋学の史料と研究感想
文章が寄せ集めみたいに思えて、集中して読めない。単なる思い出みたいな話もあれば、論文みたいな素っ気ないものもある。それでもなにか一貫性があればいいのだが、ただ東洋文庫にまつわる「コト」を一緒にしただけな感じ。
読了日:2月4日 著者:

読書メーター

2017-02-11

ひとりっ子グレッグ・イーガン

可能世界を縦横に描いた短編面白い

面白いがあまりに複雑で理解しきれない。

ポンチ絵を描いてみればいいのかもしれない。

とにかく現在、最新鋭の小説だろう。

2017-02-04 SFマガジン 2016年 10 月号

[]2016/10

ケリー・リンク以降――不思議を描く作家たち

ジャンルの境を軽々と越え、魅力的な「不思議」に

あふれた作品を描く作家たちの作品を紹介する。

OPENチャールズ・ユウ/円城 塔訳

「弓弦をひらいて」ユーン・ハ・リー/小川 隆訳

魔法使いの家」メガン・マキャロン/鈴木 潤訳

ワイルド家の人たち」ジュリアエリオット/小川 隆訳

新しい小説たち。ジュリアエリオットは有力株。

2016-10-22 2016年9月の読書

[]2016年9月読書

2016年9月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:915ページ
ナイス数:23ナイス

岩波データサイエンス Vol.3岩波データサイエンス Vol.3感想
因果推論の特集岩波もこういう形で時流に乗っているのかあ。ビジネスに近いところの話がけっこうあって、読み物としては面白い。でも数式は全く理解できないので、実はなにも読めてないのだと思う。そしてクリプキの暗流がこんなにも明るく世の中に出てくる時代になったのだと思う。いやはや、買ったはいいが、まさに年寄り冷水
読了日:9月18日 著者:
久生十蘭: 文芸の本棚 評する言葉も失う最高の作家久生十蘭: 文芸の本棚 評する言葉も失う最高の作家感想
久生十蘭の「海豹島」にはなんと8種類の異稿があるらしい。 この河出の「久生十蘭文芸本棚」には雑誌「妖奇」に発表されたもの掲載されている。 もう何十年も昔に読んだ教養文庫版も異稿ひとつらしい。 もう日本人北方を目指すことはないと思うけど、そうした時代性を背景にもった名作であることには間違いはないと思う。
読了日:9月18日 著者:
悲劇週間悲劇週間感想
堀口大学主人公にした青春小説と言っていいと思う。ハードボイルドとは路線が違うのだが、戦争現実というものを色濃く描写しているのがとても印象的。あくまでも現実から飛躍せず、地についた文章で起伏の激しい物語が綴られていくのが、なんとなく19世紀の仏文学的雰囲気を感じた。
読了日:9月18日 著者:矢作俊彦

読書メーター

2016-09-17 2016年8月の読書

[]2016年8月読書

2016年8月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:468ページ
ナイス数:9ナイス

廃駅ミュージアム廃駅ミュージアム感想
近所の廃駅を探すのは面白そうだけど、いつかいくかなあ。それよりも廃駅から心に残っている昔の風景を思い出して浸る方がいいいな。小さい頃に行った筑波駅の駅舎は覚えていた。たぶん写真が良いから、思い出せたのだろう。あとは、もっと駅舎についての建築学的なウンチクがあると均一的な光景も楽しめたと思う。
読了日:8月16日 著者:笹田昌宏
ユリイカ 2016年4月号 特集=デヴィッド・ボウイユリイカ 2016年4月号 特集=デヴィッド・ボウイ感想
山本寛斎高橋靖子の対談がすごく面白い。遠い過去のことを語っているのに、つい最近のことのようにボウイの行動を語っているのがとてもよく伝わってくる。あとのエッセイや論考やらは自分のなかの思い出にひたり過ぎていて、読んでいてつまらいか気持ち悪い。
読了日:8月5日 著者:高橋靖子,山本寛斎,上條淳士

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2016-09-03

電車風呂 寺田寅彦

電車風呂寺田寅彦

大正時代に既に満員電車というもの日常的に起きていたことに驚く。

こういうエッセイがあること自体、昔から東京は人が多かったのだと思わさせら

れる。東京江戸時代から大都市だったと言われる所以である

「こう考えると日本のある種の過激思想の発生には満員電車も少なから責任

あるような気がする。」

ストレス政府転覆させるのである

いまだってそうなったっておかしくなくて、微妙な天秤の上にのかっている。

銭湯の湯船の中で見る顔には帝国主義もなければ社会主義もない。もし東京市

民が申し合せをして私宅の風呂をことごとく撤廃し、大臣でも職工でも 皆同じ

大浴場の湯気にうだるようにしたら、存外六(むつ)ヶしい世の中の色々の大問

題がヤスヤス解決される端緒にもなりはしまいか。」

この理屈というか、ローマの衰退を引用しているように堕情に傾くかもしれない

けれど、いまはこれが最上施策感情移入してしまうほど、いまに通 じる問

題の視点を見せてくれる人である。寅彦さんは。

2016-08-16 2016年7月の読書

[]2016年7月読書

2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1214ページ
ナイス数:12ナイス

優雅で感傷的な日本野球 〔新装新版〕 (河出文庫)優雅で感傷的な日本野球 〔新装新版〕 (河出文庫)感想
いつもながらのよくわからない展開。あまり日本論にはなっていないような気がするんだけど。モナドボール)論は面白かった。当時、単子論は一部で流行っていたのを思い出した。
読了日:7月23日 著者:高橋源一郎
イギリス聖地紀行―謎のストーン・サークルを訪ねて (Trajal books)イギリス聖地紀行―謎のストーン・サークルを訪ねて (Trajal books)感想
ストーンサークルの紹介なんだけど網羅的でなく、著者の内面的な感想ばかりが目立つ。旅景の描写は悪くないのに少なく、無理やり精神系にもっていこうとしているのが残念。
読了日:7月17日 著者:沢田京子
本の雑誌388号本の雑誌388号感想
角川春樹伝説号。一気読み。一緒に働いていた社員の対談が面白い。こういう破天荒な人がまだ生きてるんだものな。角川文庫初期の米文学翻訳ものが私も謎だったのだが、春樹本人が出していたことを坪内祐三が触れている対談も貴重なもの。そのうち本当の伝説になっていくものだろう。
読了日:7月16日 著者:
閑な読書人閑な読書人感想
お気楽な読み物としては最良だけど、ときどき文学的憂鬱が顔を出すところがこのひとの持ち味なのかも。書評家のエッセイとはまた違って、どこか私小説的な趣きがある感じですね。
読了日:7月15日 著者:荻原魚雷
酔客万来: 集団的押し掛けインタビュー (ちくま文庫)酔客万来: 集団的押し掛けインタビュー (ちくま文庫)感想
面白くて一気読み。「酒とつまみ」という雑誌居酒屋でのインタヴュー集。既にこの雑誌は終わっているみたいで残念。よくある大人雑誌より面白そうなんだけど、短命だったんだね。創刊号中島らもが圧巻だった。
読了日:7月3日 著者:

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2016-08-14 比較言語学における統計的研究法の可能性について

[]比較言語学における統計的研究法の可能性について


寺田寅彦ブームがときどきやってくる。このエッセイ昭和3年に書かれたものだが、日本語とマレー後の類似性といったトンデモな話から分子拡散論で道筋を示そうとしたり、統計的密度の勾配によって、言語拡散方向を推定するといった、先見的な発想が充満している。二国間類似した意味を持つ単語ローマ字に置換して近似的平均値を出し、その比較から一致する確率を求めている。「統計的方法長所は、初めから偶然を認容している点にある」と寺田寅彦は書いている。徹底して、実験科学を推進していたのですね。