救出できました。

一昨日。


えぜこを解体させていただきました。


いろいろな形で再生できればと考えていましたが。

考えているうちに、確実に朽ちていき。

やはり、お客様が運んでくださる風で、生きていた空間なのだ、と。


什器や器もコツコツと、私なりにこだわり集めたもの。


思い出もたくさん、たくさん。


すでに、救出し、懐深い人と場を得て、また息を吹き返しているものもあります。


ただ。


私が気になっていたのは、カウンター。

たくさんの方に愛していただき、いい、艶もでてきていました。



あの、カウンターには秘話がいろいろとございまして。


腰板のパネルは、本当に気に入っていました。

デザイン(結局、施工も…)を依頼したexpoの山根さんにご相談。→HP:http://www.expomade.com/

彼はパネルの制作者でもあります。


そして、今回の救出となりました。


私は、当初、えぜこにはカウンターを作る予定はありませんでした。

“月と六ペンス”さんみたいな形にするつもりで考えていました。


でも、そんな私に山根さんは

「(私には)絶対、カウンターが必要になります」と。


ちょっと自信はなかったのですが、山根さんが言ってくださるのならと。


図面など、ロクに見ずに(というか、山根さんは図面主義ではないようです)。


私の持っているパーツと、私の好きなものを伝えるだけ伝え。
→その様子はこちらのブログ:http://d.hatena.ne.jp/expo_kyoto/20090820/1250735905/


あとは丸投げというか、もう、安心してお任せしました。


そして出来上がったのが、あの空間。


とてもとても、愉しく、使わせていただいた。

皆さんにも、愛していただき。



メリメリーッ

バキバキーッ

と、カウンターがばらされていく音。


息を飲みながら見守りました。


土間と接した部分が少し難所でしたが。


無事に救出してくださいました。


入口を開けていたので、途中もお馴染みさんが顔を出して声をかけてくださり。


それも、切なくも、ありがたく。


でも、やはり、私はえぜこを開いてよかったな、と。

自然に、手を合わせていたのでした。


人生は不思議ですね。


祖父母の家に住まわせてもらえることになるなんて

茶店を自分がするなんて

たった2年で閉店してしまうことになるなんて

それでも、こうしてまだ、お店を懐かしく思ってくださる人もいて


全て、夢にも思ってもみなかったこと。

でも、その時その時の自分なりに一生懸命考えて、決断してきたこと。


これからも、どうなるのか。


分かりませんが。


失ったものと、得たもの。


改めて再確認できました。


今の自分にあるものを大切にして、また日々を紡いでいきたいと思います。


“今日もていねい”


それは、これからも、何をしていても、ずうっと変わらないでしょう。



また、どこかの町で、あのカウンターに会えるかもしれません。

今は、またexpoさんのアトリエの倉庫で眠りについています。


これを、「素敵だ!」と。

私が、あのパネルを見た瞬間に一目ぼれしたように。


そんな人が、また現れて、息を吹き込んでくださるかもしれないし

そうでないかもしれない。


それは、分かりませんが。


それが、また、愉しみでもあり、哀しみでもあり。


とにもかくにも。


えぜこを愛してくださった皆様に

最後までお付き合いいただいたexpoさん

引き継いでくれている友人たちに


深く深く、感謝いたします。


ありがとうございました。


http://d.hatena.ne.jp/expo_kyoto/20110224/1298533260
先日、大好きな友人夫婦が連れて行ってくださったミスリムさん。


壁面のパネルをみて。


ドン・ストライク!


「こ、これは、山根さんの仕業に違いない〜」


と、なんだか悔しいようなやられた感がありつつ、改めて尊敬。


やるなあ、山根さん。



紅茶もデザートもとても美味しく。

独りでも時間を忘れてゆっくりできます。


ここは河原町通りなのか?と、いう静寂感と異国感。


扉の感じが少し、開けるのに勇気がいるかもしれませんが。



開けてみてください。


素敵な空間と至福の時間が約束されています。


バリやタヒチもいいですが。

ショートトリップ、できますよ。