朝日社説 最低賃金 生活保護を超える水準に

 これは朝日の議論というより自民党もそう考えているようなので、ある意味特に議論にはならないのかもしれない。
 日本の最低賃金はデフレ下の日本などを考慮するとそう低いものではないといった議論をなんかで見たが、であれば生活保護が高すぎるとなるのだろうか。世間の目線で見ると生活保護については特定利権との関連があって、その内部で格差があるように思える。

 ここはまず、全国どこでも生活保護を上回るように最低賃金を底上げする。そのうえで、労使交渉でパート労働者らの時給を上げていく方が現実的だ。その意味で労働組合の責任は大きい。

 結論として「労働組合の責任は大きい」はその通りだが、現実問題としては労組は現状では利権の団体化しつつあり、労働者全体の権利を代表としているとは言い難い。おそらく朝日がいうような部分については理論派の人々は理解はしてはいるだろう。だが、この問題はおそらく、労働組合の自身の解体の契機をもってパートを包含していくということが原理性なのだろうと思う。つまり、本当の現場の労働者を団結させるような行動が求められるのだろうが、たぶん、そうは動かない。
 他の問題でもそうだが、こうした欺瞞のような構図で実質がなんら変化せず、結局日本株式会社的に統合されるところに日本の変わらない宿痾がある。