小沢ハウス4億円メモ

 官報号外第223号247ページ(http://www.soumu.go.jp/main_content/000047155.pdf

 官報によると、陸山会は2004年「小澤一郎」からの借入金は4億円のみ。
 現在の報道で問題になっているのは、10月28日と4億円と10月29日の4億円、計8億円。
 2つの4億円の関係は朝日新聞の報道がわかりやすい。
 ⇒小沢一郎 : asahi.com(朝日新聞社):土地購入の原資隠しか 小沢氏団体、銀行経由で4億円 - 政治

 金利負担をしてまで、融資取引をしたのはなぜか。特捜部は、〈3〉〜〈6〉は、〈1〉〜〈2〉を隠す偽装工作とみている模様だ。

 さらに、陸山会の収支報告書には〈1〉〜〈2〉だけでなく〈3〉の記載もなく、4億円の定期預金と、〈6〉の借入金だけが記載されている。特捜部は〈3〉の1億8千万円も表面化させたくない資金だったために〈4〉〜〈6〉の工作をしたとみて、1億8千万円の資金の性質にも関心を寄せている。

 検察の推察では、つまり、官報に記載された4億円は⑥で、①の4億円は記載されていないと見ている。
 

追記
 ⇒LedLine:陸山会の政治資金収支報告書に記載していない資金の流れの理由 (よろんず)

10/29午前
小沢氏から預かっていた個人資金を使って不動産の支払いをした。
10/29午後
銀行から4億円の融資が下りて政治資金として入金すると共に借入金 小沢一郎 4億円と仕訳をした。

以降はそれ程問題ではないので省略(不記載等の説明は付く)

これが実態のようだ。 つまり同じ日に支払いと入金と借入が発生したことになる。 よって、これは細かく仕訳をしても相殺されてしまうので、結果だけを記載しても違法性はない。

 そのお話はちょっとよくわからないが、⑤と⑥がつながって、小沢=陸山会、ということかな。すると、①はいわば、銀行担保用のつなぎの見せ金、ということだろうか。
 そうだとして、それは「借入金 小沢一郎」なのだろうか。
 ⇒土地購入、石川議員「4億融資必要なかった」 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 同会は04年10月29日、東京都世田谷区深沢の土地を約3億4000万円で購入。その際、石川議員は小沢氏から受け取った現金4億円を同会の口座に入金し、土地代金に充てた。その一方で、同会は代金支払い直後、4億円の定期預金を組み、それを担保に銀行から小沢氏名義で同額の融資を受けていた。
 関係者によると、石川議員は特捜部に対し、小沢氏から土地代金として、現金4億円の入った複数の紙袋を手渡されたなどと詳細な説明をしたうえで、代金支払日と同じ日に同会が受けた4億円の融資について、「さらに融資を受ける必要はなかった」と供述していた。
 ただ、「以前から陸山会で土地を買う時は定期預金を担保にして融資を受けていたため、思わず借りてしまった」とも説明したという。
 しかし、石川議員は4億円の定期預金を組むために、「小沢一郎政経研究会」など複数の小沢氏の関連政治団体から計約1億8000万円を陸山会の口座に送金し、同会の資金と合わせて4億円を用意するなどの資金操作をしていた。
 また、融資関係書類に小沢氏から事前に署名をもらったうえで、その書類を銀行に提出し、融資を受けていたことも判明している。
 さらに、石川議員は04年分の同会の政治資金収支報告書を作成する際、小沢氏から受け取って同会に入金した4億円を記載しない一方、定期預金4億円と同額の融資を受けたことについては記載していた。
 このため、特捜部は「思わず借りてしまった」という石川議員の説明は不自然で、4億円の定期預金と融資は土地取引に関する資金の流れを隠蔽する目的だった疑いが強いとみて調べている。

 話は不自然。
 ⇒はてなブックマーク - LedLine:陸山会の政治資金収支報告書に記載していない資金の流れの理由 (よろんず)

biconcave 小沢, 汚職・スキャンダル なるほどねえ 2010/01/12

 納得できちゃいますか。
 
追記
 さらに展開がありそう。話は2005年。
 ⇒陸山会土地購入:石川氏2.8億円「寄付なかった」 - 毎日jp(毎日新聞)

 これまでの調べなどによると、陸山会は04年10月、小沢氏から手持ちの現金4億円を受領し、東京都世田谷区の土地を約3億4000万円で購入した。この直後、金融機関に4億円の定期預金を組み、これを担保に小沢氏名義で同額の融資を受け、これを小沢氏からの借入金として収支報告書に記載し「土地購入の原資」と説明してきた。

 ここまでは、これまでのお話。
 その先がある。

 しかし、現金4億円で土地購入代を支払った後、さらに4億円の借入金をする目的が不明なうえ、同会の収支報告書には小沢氏からの現金4億円の記載がなく、土地は05年1月7日に購入したと記載されている。

 実際に「小沢ハウス」の土地購入は2005年1月7日。
 で、その時の会計だが。

 一方、収支報告書にはこの2日前の05年1月5日、小沢氏の関係政治団体小沢一郎政経研究会」から1億5000万円、小沢氏が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」から1億3000万円が入金されたと記載されている。これと、定期預金を除く前年からの繰越金1億3800万円余を合わせると、陸山会には4億1800万円余の資金があり、1月7日の土地購入代金に充てられたように見えるようになっていた。

 2005年に入り、「小沢ハウス」の土地購入(1月7日)を行う直前の1月5日に、「小沢一郎政経研究会」から1億5000万円、岩手の支部から1億3千万円、都合2億8千万円の入金ありと記載、とのこと。

 ところが、この計2億8000万円は実際には陸山会へ移動した形跡がなく、石川氏や、05年に事務を引き継ぎ記載した元私設秘書も特捜部の聴取に対し、陸山会への入金がなかったことを認めたという。

 ところがこの2億8千万円の入金はなかった、とのこと。

特捜部は04年10月に小沢氏の資金で土地を購入済みだったにもかかわらず、これを隠して05年1月の購入だったとする収支報告書を作成するため、計2億8000万円の移動を装った疑いがあるとみている模様だ。

 ほぉ。
 
郷原先生の見解
 郷原先生⇒「4億円不記載」とは一体何なのか:日経ビジネスオンライン

 小沢氏の公設秘書の大久保氏の政治資金規正法違反事件で検察が持ち出したのは「西松建設関連の政治団体名義の寄附は偽装であって実際の寄附者は西松建設」という理屈だった。その理屈によれば、偽装の【2】は除外して、実質に基づいて【1】の4億円の借入金だけを収支報告書記載するのが正しい記載だということになる。
 それなら、偽装の銀行からの借入金4億円を含め合計8億円の借入金を記載することの方が実態に反していることになるのであり、「小沢氏からの4億円の借入金」一口を記載するのは実態どおりの正しい記載だということになる。

 この理屈がわかりづらいのだけど、⑤と⑥を結合し、かつ銀行からの借り入れは陸山会の担保を回しただけで差し引きゼロだから実体は8億円ではなく、4億円という話だろうか?

 では、同じ4億円の借入金でも【1】と【2】の違いで虚偽の記載になると言えるか。つまり、実際に陸山会の収支報告書に記載されている4億円の借入金の記載は【2】であって、本来記載すべきであった【1】ではないと言えるのか。
 新聞等で、収支報告書に記載されている「4億円の借入金」が【2】の銀行からの借入金であったとされているのは、陸山会側が当初、不動産の取得は銀行からの借入金によるものだったと説明していたからであろう。しかし、それは、今回の一連の捜査の過程で【1】の小沢氏個人からの現金の貸付金の存在が明らかになる前の説明であり、【1】の小沢氏個人からの借入金が存在していたことが明らかになった以上、収支報告書への貸付金の記載が【1】なのか【2】なのか、客観的な記載からは、いずれとも判断し難い。

 これはそういう理屈もなりつか。
 焦点は小沢氏のカネの出所。

 しかし、今回、説明を求められているのは、特定の不動産の取得の原資となった4億円の出所という具体的な事項だ。「やましいことはまったくない」と言うのであれば、この点についての説明をしないというのは誰しも納得できない。
 小沢氏がこの点について説明を行おうとせず、4億円の原資が明らかにされるまでは小沢氏への追及の手を緩めない、とするマスコミ側の姿勢も、その情報源や報道の手法の問題を別にすれば、それなりに理解する余地もある。
 石川議員は、小沢氏にとって手塩にかけて育てた大切な若手政治家のはずだ。小沢氏が、その石川議員の首を差し出すことで曖昧なまま問題を決着させよう、というようなことを考える度量の狭い政治家だとは思いたくない。

 そこが当初の問題の要点だったのだが、どうも全体構図が違っていそう。むしろ資金団体からへの経路を複雑化するマネーローンダリング臭い。