読売 エネルギー比率 「原発ゼロ」では立ちゆかない : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 基本問題委案のうち、東日本大震災前に約30%だった原発を0%とする選択肢は、非現実的だ。
 原発分を補うため、再生可能エネルギーの比率を現在の約10%から35%に引き上げる想定だ。
 実現するには、太陽光は現在の0・3%から6%へ、風力は0・4%から12%へ、それぞれ20〜30倍に増やす必要がある。太陽光パネルなどを設置する広大な用地をどう確保するのだろうか。
 発電コストの高騰などで、国内総生産(GDP)は年30兆円も押し下げられる見込みだ。
 日照や風の状況で電力が急激に変動する再生エネの欠点を解消するには、さらに巨額の開発費用がかかり、経済の重荷となる。
 0%以外の選択肢でも、再生エネの比率を25〜30%と高めに見込んでいる。技術革新に過度に期待するのは禁物である。実現可能性を検証すべきだ。
 細野原発相は、原発比率の選択肢について、「15%がベースになる」との見方を示した。運転40年で原発を原則として廃炉にする政府方針に沿った発言だろう。
 だが、15%案には見過ごせない問題がある。30年以降、原発をさらに減らすのか、更新・新設して活用していくのか、結論を先送りしている点だ。原発の方向性があいまいでは、責任あるエネルギー戦略とはいえまい。
 20〜25%案が、古い原発を更新する方針を明示しているのは、評価できる。安定した代替電源を確保できるまでは、安全性の高い新型炉を導入し、原子力を火力などと並ぶ基幹電源として使うことが望ましい。

 でしょうね。