Providence, RI


昨夜は疲れが出て、ホテル前にあるデリからスープとサラダバーの中華をテイクアウトして、ホテルの部屋で胃に流し込んだ後、風呂にも入らず眠ってしまったが、いまだに時差ぼけなのか、明け方には目が覚めて、入浴、荷造りをそそくさと。間もなくドアの下から請求書が差し込まれたので、読むと、これでOKなら室内の電話のボタンを押すことでチェックアウトを完了できるという。キーカードも部屋に残していけばよいとのことだったので、そのようにする。便利な世の中になったものである。

少しうとうとした後、目覚ましで再び目を覚ます。1階に降りて行って、コーヒーとクロワッサンとスコーンで腹ごしらえしてから、タクシーに乗って、 Penn Station へ。ここでスーツケースを預けようと思ったが、できないという。車内にスーツケースは持ち込めないと思い、また、それゆえに発車45分前に来たのに残念。待合室でネットを利用していると(駅、空港、列車内での無料 WiFiサービスはすばらしいの一言)、乗車する列車のホームの番号が表示されたので、列に並び、ホームに降りていって乗車。すぐに発車。車掌がやってきて、eチケットのバーコードをリーダー(?)で読み取って行く。途中までは昨日メトロノースで走ったところで、水のある風景を再び楽しむ。ニューヘイヴンを過ぎてからも海岸沿いを走る。海岸線から少し内陸に入ることもあり、森や湖の光景が心地よい。と同時に、ヨーロッパ人到来前の、先住民たちが住んでいた頃のことを夢想する機会ともなる。この列車の一車両は Quiet Car と名付けられていて、ケータイでの通話は禁止、会話もヒソヒソ話レベル、図書館モードでお願いしますというアナウンスが流れる。自分が座った席はその車両ではなかったらしく、背後の席から、また、別の席からも、出発後すぐに電話で話す声が聞こえてくる。近くの席からはイヤホン漏れの音も。またしても読書はできそうにないので、途中で諦めて、こちらも音楽を聴いていくことにする。音漏れで聞こえてきたのがクラシックだったので、こちらもそれにならって、Bernstein の Beethoven とする。ニューイングランドの海岸沿いを疾走する列車の中で聞くエロイカ交響曲などなかなか乙なものであった。

列車は予定の時間を遅れて Providence に到着。駅からスーツケースを転がしながらホテルまで歩く。通りにはあまり人の姿が見えず、静かな町という印象。ホテルにチェックインしてみると、予約してあった部屋はとても立派。ホテル自体歴史建造物であるらしい。荷を解いて、街に出る。やはりあまり人がいない。ただ、少々驚いたことに、ここでは道を横断しようとする歩行者のために車が止まってくれる。これはニューヨークとは少し違う。ちょっとした用事を済ませてから、Au Bon Pain でサンドイッチを食べ(うまかった)、 それから Roger Williams National Memorial まで歩き、そこのヴィジター・センターで情報収集。それから、次第に痛みを増す足を引きずりながら、坂を登って Prospect Terrace Park へ。ウィリアムズ像を眺めるとともに、彼の遺灰(の一部ということか)をここに埋葬してあるという説明を確認する。ウィリアムズ像と言っても、実際の風貌はよくわかっていないということなので、空想に基づくものだろう。1939年にニューディールのプロジェクトで建てられたらしい。公園のすぐ外の歩道に小さなプラークがはめ込まれていた。銅像と言えば、別の銅像が市内に設置されたことがあったが、撤去され、ヴィジター・センターに寄贈されたという(写真)。撤去の理由が気になるところだが、聞きそびれた。

天気はとてもよく、次第に暑くなってきた。休憩する場所もないので、そのまま歩き続け、Brown 大へ。図書館、博物館を経て、アメリカ関係の貴重書などが所蔵されている研究用図書館へ。用件を告げると、目的としていた17世紀の図書(初版)を見せて頂けることになった。前もって連絡していなかったので、見せてもらえないかもと思っていたが、ありがたかった。図書館員の方もとても親切であった。感謝したい。

しばし図書館にこもった後、外に出ると、あいかわらず素晴らしい快晴。気温は高いが湿気はなく、適度に風も吹いている。キャンパスの芝生に面したベンチに座って、青い空を見上げる。Brown は創立?250年だそうだが、騒々しいセレブレーションが行われている風でもなかった。ただ、新入生らしき学生たちの華やいだ声が聞こえてくるだけ。しばらく座って休憩してから、坂を下り、川を渡り、CVS で買い物をしてから、ホテルへ。疲れがどっと出たらしく、そのまま夕食も取らずに寝てしまった模様。