『私の好きなエミリ・ディキンスンの詩』

夜、レスリングの試合を少し見る。ルールでわからないところがあるが、案外面白い。

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私の好きなエミリ・ディキンスンの詩

私の好きなエミリ・ディキンスンの詩

  • 作者: 新倉俊一,金澤淳子,赤松佳子,川崎浩太郎,岡本さだこ,小泉由美子,大西直樹,結城文,村山瑞穂,吉田要,牛山通子,山下暁子,下村伸子,松本明美,木村順子,濱田美佐子,平松史子,徳重靖子,宮崎輝恵,江田孝臣,朝比奈緑,濱田佐保子,武田雅子
  • 出版社/メーカー: 金星堂
  • 発売日: 2016/06/20
  • メディア: 単行本
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ED 協会会員の皆さんが、ディキンスンの好きな詩をひとつ取り上げて、解釈を試みる本。なかなか面白い試み。本当はひとつに絞ることはできないのだろうが、選ばれた詩は有名どころからこちらがよく知らないものまでさまざま。

まずは 181 番、1488番についての解釈を拝読。181番の解釈を読みながら、「傷を負った鹿」の比喩が示すのは、追い詰められた状態にある者は過激な行動に出るという意味なのか、それとも、美しいものや明るいものの背後には傷や苦悩が隠されているという意味なのか、考えさせられた。ハーパーズ・フェリーの事件の後に書かれた詩であることを知って、前者のように思うのかもしれない。

1488番はアレゴリカルな詩であり、ネタバレになるのでここには書かないが、本書に示された解釈はなかなか意外なものだった。ヘレン・ハント・ジャクソンに送られた詩だというが、ED とジャクソンの間にはわかることがらがあったのだろうか、といったことも思った。

専門家の皆さんの解釈を道案内に、ED の詩を一篇ずつ読んでいくのによい本。(目次はここ。)