<冬季ユース五輪>高梨、金メダル第1号 ジャンプ女子 

インスブルックオーストリア)芳賀竜也】インスブルックユース五輪第2日の14日、競技が本格的に始まった。ノルディックスキーのジャンプ女子(HS75メートル、K点68メートル)では、8日のワールドカップ(W杯)女子個人第3戦で日本女子初の表彰台となる2位に入った高梨沙羅(北海道・上川中)が1回目、2回目ともトップの76.5メートルを飛んで優勝、今大会の日本勢金メダル第1号となった。男子は佐藤幸椰(ゆきや)=北海道・札幌日大高=が3位に入り、銅メダル。スピードスケートの男子五百メートルでも角井俊洋(北海道・帯広南商高)が銅メダルを獲得した。


◇試技、本番もオールトップ ダントツ「完勝」

 高梨がW杯個人第3戦で2位に入った実力を、W杯よりジャンプ台の小さいミディアムヒルで行われた今大会でも発揮し、冬季ユース五輪の初代女王の座に就いた。14年ソチ五輪での新種目となるジャンプ女子で2位に26.8点差の圧勝。「世界中のジャンプ台で飛びたい」と大きな野望を語っていた15歳のホープが、同年代選手の頂点に立った。

 2日間行われた公式練習と、この日の試技では計6回すべてでトップの飛距離をマーク。自信を胸に本番に臨んだ。1回目は、低い踏み切り姿勢から鋭く飛び出し、2位選手に5メートルもの差を付けて好発進。2回目も参加14選手でトップの飛距離を譲らぬ完勝だった。

 98年長野五輪金メダリストの原田雅彦さん(現・日本代表コーチ)と同じ北海道上川町生まれ。女子の先駆者、山田いずみさん(09年に引退)らにあこがれ、小学3年から本格的にジャンプを始めた。風をつかむ能力にたけており、これまでもコンチネンタル杯などで優勝を重ねてきた。

 「ソチ五輪の新種目を今大会で実施することで大きな注目を集め、いい経験になる」と語っていた国際オリンピック委員会のロゲ会長の言葉は、運営側に向けられたものだったが、高梨自身にも当てはまるだろう。151センチの小さな体には、ソチ五輪に向けた日本ジャンプ陣の、中心選手としての大きな期待がかけられている。【芳賀竜也】