「本のキュレータ勉強会」の募集締切りました

「本のキュレータ勉強会」の募集を締切りました。51名もの方々からご応募いただきました。ありがとうございました。全員の書評を集めると、一冊の本ができる分量になりました。今回の選考基準の概略を説明します。

1.書評を読んで、紹介されている本を買いたくなる程度を点数化します。実際にボクが買ったらS、「欲しい物リスト」に入れたらAという具合です。多少文章が下手であっても、1年間の成長を期待し、読者を動かす力を重要視します。

2.TOP10冊中、一般的なベストセラー本の数を点数化します。10冊−8冊または1冊−0冊がベストセラーだった場合はC、2冊−4冊がベストセラーだった場合はAです。ベストセラーを読みつつも、大衆に知られていない良書を発掘することを重要視しているからです。

3.若年層に若干加点しています。つまり(経済学的にいいますと)割引現在価値を算出しています。年齢を重ねるほど通算読書数は増えて有利になるためです。

4.ブログURLが添付されている場合は、デザインなどを含めたブログの魅力度を加点します。

1月5日に8名を発表いたします。少なくとも1年間は本ブログからリンクを張りますので、実名ブログは困るという方は辞退のメールをお送りください。

じつは応募者のお勧め本を5冊買いました。素晴らしい読み手が揃ったものだと感じいっています。

年末年始の科学読み物6冊 1月課題図書候補

友人たちから、毎月の課題図書だけでなく、課題図書候補も公開するべきだとアドバイスがあった。1月は「自然科学読み物」を予定している。もちろん、まだ読み終わっていないのでショートコメントをつけておく。


動物園革命

動物園革命

『動物園革命』
アマゾンには発売日前後にタイミング良くレビューが3本の掲載された。3人のレビュアーとも本書のレビューが人生初のレビューのようである。岩波書店の営業の必死さが伝わる本でもある。最近の岩波科学ライブラリに光るものがなくなったと思っていたのだが、こんなところで光っているとは思わなかった。


昆虫未来学―「四億年の知恵」に学ぶ (新潮選書)

昆虫未来学―「四億年の知恵」に学ぶ (新潮選書)

『昆虫未来学』
宣伝文句にグラッとくる。いわく「チョウの翅の超撥水性、アメンボの水面滑走メカニズム、アリの情報伝達システムなど、昆虫の優れたデザインや機能を、農業・工学・医学などさまざまな分野に応用する、革新的な研究成果」 本当に革新的じゃろうねと、念を押しつつ読む。


ヒトはなぜ拍手をするのか―動物行動学から見た人間 (新潮選書)

ヒトはなぜ拍手をするのか―動物行動学から見た人間 (新潮選書)

『ヒトはなぜ拍手をするのか』
ヒトは銃よりもヘビを反射的に怖がることが多いという。普段、意識もしない動作や行動、心理・感情には、人類の進化にかかわる重要な理由があるのだという。じつはボクはヘビよりもムカデのほうが怖い。怖いより、気持ち悪い、が先行してしまう。


ガロア―天才数学者の生涯 (中公新書)

ガロア―天才数学者の生涯 (中公新書)

ガロア―天才数学者の生涯』
子供のころからガロア・ファンなのである。数学の天才にして、20才で決闘して死ぬ。紅顔の美少年であったのであろう。美人薄明ともいう。憎まれっ子世にはばかるともいう。当方憎まれっ子は年明け早々、命惜しさに人間ドックに行く予定になっている。


137 物理学者パウリの錬金術・数秘術・ユング心理学をめぐる生涯

137 物理学者パウリの錬金術・数秘術・ユング心理学をめぐる生涯

『137―物理学者パウリの錬金術数秘術ユング心理学をめぐる生涯』
副題があまりに魅力的だし、タイトルの『137』も神秘的であり、足元を見られた感のある本だ。「この装丁にグッとこなきゃ、本読みとは言えないね。ふーっ」という悪逆非道な編集者の罠。


珍獣の医学

珍獣の医学

『珍獣の医学』
店頭で帯を見て倒れた。「白血病のカエル」「呼吸困難のプレーリードック」「結石のカメ」「貧血のトカゲ」「脱水症状のタランチェラ」。そして仰向けに大の字になって治療をまつオオトカゲの写真。あまりに魅力的ではないか。あぶなくレジしないで持ち出すところであった。