未だに年始気分で

 平日は未だにエンジンがかからず、のんびり論文や本を読む。修論・卒論控えている人が多いはずなのだが、全体としてはなんだか呑気な雰囲気である。

 土曜日はSFファン交流会にて、2006年SF総回顧。詳しい方々が大勢いらっしゃったこともあり、充実した会に。森下一仁さん主催のベストSF2006にも参加してみようかと思う。

 日曜に友人とスケートへ。スピード・スケート中心で育った自分の感覚では、神宮で行われてるのはスケートではないように思える。一方で、その逆も真なのかもしれないのだが。

剣乱の大地3

剣嵐の大地 3 (氷と炎の歌 3)

剣嵐の大地 3 (氷と炎の歌 3)

 ずいぶんと急いだ第二部後半の整理に費やされた1巻、思い切った“転”を持ってきた2巻に続き、3巻は第二部くらいからの展開を全てまとめ上げる巻に。一度はバラバラになった線が交わり、再び分かれていく。
 王や視点人物すら何人も死んだことで、誰の運命についても常に死すら考慮に入れながら読むことを迫られる。主要人物の死は最早サプライズではなくなったが、その分いつでも一歩先の展開を恐れながら読むという滅多にない読書体験ができるだろう。以前、善悪二項対立が存在しない大河小説ではグイン・サーガが先じていると書いた気がするが、英雄群像劇として確固とした軸を何本も絡めながら進む国産大長編と比べてもなお、〈氷と炎の歌〉の持つ複雑さ、予測不可能性は圧倒的になってきた。

 五王の戦いと異形人の脅威が遂に交錯を始めた今後の展開は楽しみだが、デーナリス編がおとなしくなりそうなのは残念。もっとも、マーティンは全ての期待を裏切って更なる驚きを我々に用意しているに違いないが。