読んだ

ファンタジーを読むのは好きです。でも、児童文学の棚にある色とりどりの装丁のどっしりした単行本を手に取るのはおっくうで、軽装版や文庫になったものが中心です。つまり、「ゲド戦記」と「ハリー・ポッターシリーズ」ですね。あとは、子供の頃に図書館で読んだ本たちの再読です。主に岩波少年文庫のお世話になっています。こんなのではファンタジーが好きとは言えないかもしれません。


精霊の守り人 (新潮文庫)

精霊の守り人 (新潮文庫)

今回読んだ上橋菜穂子著「精霊の守り人」も、作品自体は10年前のもので去年新潮文庫になったもの。
タイトルはいかにもなファンタジーなので、見つけた時はあまり心惹かれませんでした。なので、最初は手に取ったものの表紙をめくることなく戻しました。でも、なんだか気になって、手芸本をチェックしたあともう一度手に取り、最初の数行を読んでみました。あっというまに惹き込まれてしまいました。どうやら本に呼ばれてしまったようです。こういう出会いは、本好き冥利につきますよね。


アジアのどこかにある国の伝承説話を読んでいるような、懐かしさもあり、登場人物もそれぞれに魅力的です。
『タンダは、ー中略ー ふたたび思い出していた。祖父にナージの骨を鳴らさせてもらいながらうたった夏至祭りの歌。(ナージ、飛べ飛べ、海まで飛べば、雨降り、稲穂はすくすく育つ)ー中略ー よき雨を願う人々の歌声。』