「神々の山嶺」谷口ジロー

神々の山嶺 1 (愛蔵版コミックス)
石塚真一「岳」を読み終えた後、ほかにも登山関連のマンガはないかと探していたら「神々の山嶺」を見つけた。いま読み終えたところで、少し頭がぼーっとしている。
あまりにも熱い男たちのドラマだったので、心と体が感電したように痺れている。これは「岳」のほのぼのとした優しい世界ではない。正反対だ。情熱なんてなまやさしいものではない。生きている限り癒されることのない執念の世界だ。
原作は夢枕獏の同名小説で、実在の登山家「森田勝」をモデルにしているらしい。登山についてはまったく無知なので森田のことを知らなかった。現代の日本にも長谷川恒男や加藤保男や森田勝のような登山家がまだいるのだろうか。マスコミの話題にならないだけで、今も同じような情熱を持って頂を目指しているのだろうか。それとも命がけで世界一の頂に挑むアルピニストたちの時代は終わってしまったのだろうか。
ネット上で検索してジョージ・マロリーの遺体写真を見たとき不思議な感動を覚えた。

神々の山嶺(いただき) (2) (BUSINESS JUMP愛蔵版)
神々の山嶺 3 (愛蔵版コミックス)
神々の山嶺 4 (愛蔵版コミックス)
神々の山嶺 5 (愛蔵版コミックス)