コラムトエ

兵庫県西宮市にある久我美術研究所から発信する美術に関する「コラムと絵」を載せていきます。

絵を描くのが上手くなる方法、その1


長らく休止していたが、再び始めよう、でも「ゴッホの手紙」はしばらく休載。今回から新しい話題を・・・なんか偉そうなテーマですが・・・。
長年、絵画教室で絵を教えている私が、趣味で絵を描いている初心者の方に向けて、多少は役に立つアドバイスを伝えるつもりで書くことにしよう。

「どうすれば、絵を描くのが上達しますか?」、結局のところ、生徒の皆さんから最も期待されているアドバイスは、この問いへの明確な答えを具体的にはっきりと述べることだろう。
でも、そんなの無理だよなあ、分かっていれば、私自身がピカソになっている・・・とは思うものの、それでも30年以上も絵を教えていて、「ちょっと分かりかねます」ではまったく頼りない先生になってしまうので、そうではないと思いたいから、ちょっとくらい参考になるようなことを言えそうな気になることにした。


ところで、「絵を描くのが上手くなった」とはどういうことか?自問自答してみよう。

買い手がついて売れるようになった・・・違うなあ、ゴッホセザンヌの絵は売れなかった。

写真のように実物そっくりに描けるようになった・・・たしかに、この場合は上手くなったと言ってよいだろうが、でも、それほど価値のある上手さでもないかな?

誰かが作品を見て感動したと言ってくれた・・・これは絵が上手くなった証拠としては大いに価値がある。

自分のイメージ通りに描けるようになった・・・なるほど、技術的には相当上達したと言ってよいだろうが、それだけのような気もする。

自分で納得できる絵が描けるようになった・・・それは素晴らしい。しかし、どう納得しているのかが問題かな?


このように考えていくと、そもそも絵を描くのが上手くなるとはどういうことなのか?どういう状態になってきたら、絵を描くのが上手くなってきたといえるのか?ということから、考え始めなくてはいけないようだ。

上に掲載したのは、レンブラントのデッサン。