先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

インフレしつつデフレ

奥多摩周遊道路をクライムヒルしてる自転車たちを眺めて一言…
『ちゃんと山登りには山登り専用のレシオを組んできて』


つるしの自転車を買った状態のまま、ヒーコラ苦しみながら立ち姿勢でペダルをこぐ人多数…
かと思えば、ちゃんとレシオを変えてきてるのか余裕でこいでる人も…軽いと進まないけどね、息は切らせないで済む。
五日市側の急坂なんだけどね。


きのうはGW休日の最終日…そして今年のGWは雨続き。
お出かけできないみなさんは困っていた。
そして、おでかけしてこないんである職業も困っていた…そう、本官さんである。


本官さんには、努力目標という名称のノルマがある。
そして当然、山賊のように要所で待ち伏せするので、雨続きだとみなさんやってこないし、きたとしても速度もお控えになってしまう…


どうなるか。『晴れ初日』の先日5/5、どんな些細な違反でもめざとく違反としてパクるのである…


じっさい、過去12年間で見たこともないようなひどい光景を見た。「あれで、とめんのかよ…はじめてみたぞ…そういや昨日まで雨…そういうことか」
あれでは大量虐殺だ。一般市民をマシンガン機銃掃射だ。


この地域もすっかり怖くなったと思った。野猿街道とか五日市街道とか言ったあっちの地域だけの話かと思っていた…この知識は90年代末のバイク便同士の知識だ。


もう怖くて奥多摩いけない。奥多摩に連休で幾たびにかれらはそういうむちゃくちゃな待ち伏せをしている…いわば奥多摩消費マインドを邪魔し、底冷えを助長している。
にどと奥多摩に連休には行かないだろう。
そしてクルマバイクでもいきたくないから、めったに乗らなくなるだろう…あらゆる業種に底冷えを呼び込んでいる。


パイの上で少ないからいい?そう単純に割り切れるといいが…マインドは空気感染していくのだ。そしてドミノ倒しで思わぬ方向へも連鎖する。役人やヤクザはここを侮った態度でいるモノだ、あまり頭よくないから。最近の社会は連鎖連動性が半端なくて、知性インテリジェンスがないと正しく把握できず正しい対処ができない。


恒常不況…これからは庶民からカネや免許を巻き上げていると、本気で困る人が増えてくる。
親方日の丸だからって、過去の時代のまんま、むしりとりまくっていると、大きな社会問題となりかねない。「公務員はいいよな、民間はこれだけ干上がってるのに…」
違反切符とは、そういう切実な問題がすぐそこに控えている難問だと思う。
近年中には、金払うぐらいなら奉仕活動や労役にしろという動きが広がって、儲かる産業ではなくなるだろう。累積点数制度も見直されるか廃止になるやもしれない。


 ◇


経済学の専門ではないので、随筆というか。


・かつて中世までは、いや近世も、『インフレ』だった。
・戦後、デフレが始まった。
・いま、デフレが限界に近づいている。

消費社会とか、工業社会とか、そうなる前は、
大衆は、何も買わなくて当たり前。自前でみすぼらしい暮らしが当たり前。
ゆえに、生産し、価格がつくものは、富裕層だけの特権。つまりニーズは限られていた。
所得:デフレ 価格:インフレ


戦後、「それでは消費社会にならない」とか「便利グッズがあればおっかあに楽をさせられる」などと言って
量産による、デフレが開始された。
それによってデフレ価格でもいっぱい売れて儲かるようになると、
こんどは所得のインフレが始まった。というか所得というものを持てる平民が急増した。


そして現代、
量産のデフレ効果も底が見え(貧困国に生産・仕事と所得を分配したため=高くつく日本人と日本に収入を与えなくなった)
所得のインフレはかなり前に頭打ちで、所得は身分格差…ワーキングプアと、花形産業で、貧富二分化された。


つまり何が言いたいか。
『デフレとかインフレとか言うな、まるでレトリックだ。』
小沢が悪だとか小泉が悪だとかいった、
あるいは民主や国民新が悪だとか、なんでもいいんだが…立ち位置の違いだから。

ありえない。0:100の完全悪とか、たったひとりだけが悪いとか…国家スケールではありえないから。

社会の方々に、インフレ属性も、デフレ属性も、散らばっている。
各要素によって、インフレしたのもあればデフレしたのもある。


おさらいする。
・消費社会前の近世以前:所得は超デフレ、物品価格は超インフレ=消費は王侯貴族やエグゼクティブだけのもの
・戦後まもなく:価格がデフレスパイラル突入、その余波で所得はインフレスパイラル突入
・最近:価格デフレが多くの業界業種で頭打ち。所得インフレは過去となり…スパイラルになることはたとえ大入りの企業や産業でさえもめったにない…いわば水物である


つまり、デフレ社会はダメだからインフレを促そうとか、デフレと恒常不況だから増税しようとか…いうのは、ある意味で笑止である。


・インフレを促す=昔むかし中世の、以下の状態に逆戻りする=『所得は超デフレ、物品価格は超インフレ=消費は王侯貴族やエグゼクティブだけのもの』
・経済成長はとっくに終わって成熟し、「経済社会として大人になりもう背は伸びない、日本」
・つまりインフレを促したって、所得が増えることはほとんどない…
 貧乏人たちが会社を興し、何もなかった貧しい時点から急激に巨万の富を得る…ことは二度と無いからだ(それは中国でさえ通過し終えた)
・ってことは、王侯貴族とかアキンドとかに取って代わり、ニューセレブ…投資家などばかりが、投資や投機でのみ、もうける環境になってしまう
・ということは、またサブプラバブルぐらいしか起こせない…しかも「好景気なのにうちだけ不景気」はかつてよりさらに増え、
 不況突入のダメージもサブプラやリーマンどころではない
・日本は、閉じた国だ。人口は特にコドモが減るし、移民は来ないし、内需と内製を基調にしたがるし…アメリカが1%インフレを続けているのは移民が増え続けているため。
・つまりまあ、なんというか今のグローバル時代は、閉じていて自己完結したがる日本国みたいな国には、こぞって不利です。
 欧州は群れている、東南アジアも群れている…東アジアはあんまり群れない、アメリカは世界中にネットワークがある…

・現代の二大格差社会ワーキングプア&リッチでは、だがしかし消費社会を過ごせることでは徹底優遇されており(でないと消費のパイを維持できないため)
 昔の貧富社会とは違い、貧困側にいてもじつはあんまり困らないしむしろリサイクルにせよ節約にせよ楽しい…
 困る場合とは、リッチ側にのし上がろうとするか、リッチ側と同じ消費を試みるときのみ。ここのハードルだけは高い。

・もし財務省のお財布事情のために増税すると、消費が減って企業収益が減り、給料が減ってクビが増えて、結局は税収が減り、倒産が増えて、いいことはあんまりない。
 いわばむこう数年間の財務省の家計簿をカッコヨクみせる効果がメインと見受ける。

・繰り返すが、いまインフレ誘導しても、儲からないし、給料は増えない。
 昔は個人も企業もカネがなくモノももってなかったが、今や双方ともかなり物持ち金持ちだ。
 いわば、おなかがすけばガツガツ食えるけど、腹一杯になったら食事をやめるのは、当たり前なのだ…=経済国家として成熟を遂げた日本の現状
 これ以上日本がムリヤリに食事を続けたらフォアグラになってしまう…サーロインステーキを1万円でも毎日食べないといけない義務が発生、月収は独身新卒でも1000万円。


オチはつけない。
考え方の参考として。


ただ、遊び半分でやってみたいことが一つあって。
「ラーメン一杯とか、カローラ一台とか…なにかひとつを基調として、デノミをやってみたい。」
すると、高度成長期の所得インフレの正体が見えてくる。
相対的に、ほとんど値がつり上がってない商品やサービスもあれば、べらぼうにはねあがったアイテムもあるはずだ。

結局、デノミで数字を戻してしまえば「あんまり変わってなかったんだね」みたいなナットクも出てくる気がする。

むかしの白黒TVはお父さんの平均的給料の半年分、みたいな。
消費社会もさいしょはまだまだ中世の名残だから、何を買うにも高かった。無かったものを生み出す…発明コストはいつでも高い。
所得側のインフレと、製品側のデフレが、どういうグラフ曲線になっていったのかが興味深い。


 ◇


・日本は、単独の島国小国家。自国のみであれこれ小細工しても効果は小さいし、国際グローバルの強風にすぐ翻弄される。
・欧州EUは、連邦大国。いわば米中のような振る舞いでも、効果を期待できる。

英国エコノミスト日本語オンライン予告メール:5月5日号


2. Germany’s economy
  Message to the Bundesbank (Leaders)
ユーロ圏経済はリーダーであるドイツの動向に負うところが大きいが、単一通貨を今後とも維持してゆくためにはドイツ連邦銀行が少しのインフレを容認する必要がある。というのも周辺諸国が緊縮財政などで経済が落ち込んでいるためだ。そうでなければ単一通貨は分裂の危機を抱える。


※一部記事がこちらで全文読めることがある
http://jbpress.ismedia.jp/search/author/The%20Economist

日本はもうクルマや家電はパイを減らし、ラーメンとアニメだってさ。
あとデフレ商品ブランドの世界展開もまだ強いね、ユニクロとか無印みたいな。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35143