野村美月 『“文学少女”と恋する挿話集』

 ちょっと深刻な活力低下状態。たまたま講義の依頼が多かった週だったのですが,授業が終わる前に体内のグリコーゲンを消費しきってしまう有様(血糖値が下がって意識が薄れる)。原稿書きのお仕事は来週に振り替えてもらって,どうにか週末になりました。
 こういうときは本を読んでリハビリテーション。壊れてしまったノートパソコンのリカバリーをしながら,野村美月(のむら・みづき)『“文学少女”と恋する挿話集』(ISBN:9784757745780)を読みました。本編では描写が省かれていたエピソードの集成。
 これはこれで楽しい読み物の数々ではありますが,本編との接続関係に無理が生じているところがあり,どうしても「取って付けたような」感じがしてしまうのはやむを得ないところなのでしょうか。そうした中で,独立した構造になっている美羽の後日談「無口な王子(プリンス)と歩き下手の人魚(マーメイド)」は抜きん出た良い仕上がりに思えました。