MIインプラントの臨床の考え方

これも、私が連載している歯科医療用の原稿の元です。
症例写真等は載せられないので、ご興味がある方は是非購入して下さい。

即時荷重インプラント治療の現在の到達点 第6回 決定稿
MIインプラント治療の実際   −概念の混乱の時期に−
                              松元 教貢
1、基本的概念について
MIほど、今適当に使われている言葉はないだろう。セミナーで、どのDRもMIであると説明をし、その実、出た症例を見ると、これの何処がMIなのだろう?と感じるほうが多い。
MIはご存知の通り、ミニマムインターベンションとかミニマムインバッシブと言い最小限介入での治療を意味する筈で、その事に異議を挟む方はいないだろう。この最小限介入が曖昧で学問的にキッチリ定義されていない為、現在はまだ、DRが自分でMIと言えばMI、と言う感じではないだろうか。
出だしから、過激な言を繰り広げるが、私はMIをもっと正確に使用して欲しいと願っている。最小限介入と言って、歯肉を切り開き、骨をかなり露出させ手術するのは、何かおかしい時代に入った、と確信している。
歯科用CTデータで、例えば、サージガイド等で手術をしMIを目指すのは、異論はない。MIの根本に歯科用CTがあり、正確にシュミレーションし、切開剥離を少なくして、それがMIの概念で説明されるのも、異議はない。
しかし、従来の手術ドグマに捉われ、何の工夫もなく大きな切開剥離しての手術がMIとは、私には到底思えない。特に外科系のDRで、どんなインプラントオペでもフラップを大きく開き植立手術をして、手術が早く短い事を持ってMIと称するのは、概念が混乱するので止めて頂きたいと強く望んでいる。
何故なら 元々MIが唱えられだしたCR修復や顕微鏡下治療は、決して治療時間は短くない。色々な手順に従う真のMI修復は、必ず従来よりも時間が掛かる。MI根管治療等その際たる例で、歯質削合を極限まで減らすなら、かなりの時間が要る。
このように根本的に始まったMIの概念から考えれば、生体組織を如何に痛めず削らず修復し治すか、がその定義の筈で、そこに時間的概念はない。侵襲を最小限になのだから、大きな切開はMIとは言えない、と私は思う。特にインプラント1本植立で大きく切開し歯間乳頭まで切り開き手術する等、最早改めるべき時期、と提言する。そのような場合、少しの切開でインプラント植立程度は出来る筈で、それで周囲の骨と歯肉が問題を生じないなら、何ら問題無い筈である。

但し、これから解説する手術は、かなりアドバンスである。所謂フラップレス同様盲目的手技になるので、外科的素養が物凄く要求され、結果だけ見ると簡単に見える。しかし、全く簡単ではない。簡単そうと簡単は全く違う。人間国宝の棟梁が鉋掛けして見事な面を作るのは、簡単そうに見える。所が、実際やると、そうは問屋が卸さない。腕と言うのは単純な手技一つに集約され、かなりのレベルに到達しないと、それを正確に理解出来ない。
派手な大きな手術が腕が立つ、ではない場合も有るのだ。とかくビギナーは派手で目立つものに洗脳される。そうなったら、その洗脳から逃れる事は相当難しい。気の毒なのはそうなった若手である。時代が趨勢し、もう大きな外科ではない時に中堅以上に成り、又一から勉強し直しとなってしまう。
こう言う事実が過去にあって、セミナーオタクDRほど逆にヤバイ状況に陥るのだ。いつも言う事だが、セミナーをする場合、最新情報はまず出せない。自分達ですら試行錯誤し、上手く行く方法を確立しようとしている時は、恐くてとても出せないのだ。従って、安全圏で出すしかなく、時代の流れの中でやや難有りでも仕方がないのだ。ここを突破するには質問をし捲くる事、そして海外の学会に参加する事だ。それしかない。嫌がられる位の質問をして、新しい時代の方向性を知る事しかないだろう。
 今は私の読みでは新しい創生の時で、生まれ変わる時代だろう。これはどう言う事かと言うと、従来の考えを基に全く新しいものが始まる時代、と見る。かつてインプラントが登場した時、又歯周病治療で論争が激しく、現在の再生療法が出て来た時がそうだった。 再び、MIと言う新概念が生まれ、そのキーワードの下従来の治療が見直され、改良されるのだ。

 MIと言う概念が生まれてきた背景は説明するまでもないと思うが、若い先生方は意外に理解していないかも知れないので、一通り説明する。私は卒後23年。その当時の流行は、正に歯周補綴フルマウスリコンストラクション全盛で、今思うと過剰介入も見られた、歯周外科は切除療法、補綴はクロスアーチスプリント、顎位も再構築しセラモメタルでと言うのが理想だった。それがその当時の流れの中、間違っていたとは、決して言えない。その当時は誰もが憧れ、夢見た。
 しかし、それが苦い夢だった事は、自分で経験し始め如実に分かった。まず歯髄を取る為、2次カリエスで抵抗力が弱くなり悩まされ、又根管治療での病巣が出来、そこに外科をしないといけなくなる。歯周病でも似たようなもので、弱っている歯を取り込んで歯周環境を安定させ補綴で繋いでも駄目に成って行く。果ては、歯牙が破折し、如何すれば良いか、悩み捲くった。それでセミナー等で質問すると、それはこちらが下手だからで済まされ、上手に成る事、と言う解決策と言えるのかどうか、と言う答えしか得られなかった。所がその実蓋を開ければ、日本の近代歯科の父の一人である森克栄先生が揶揄したように、指導のDRですら同じ悩みだった事が判明し、何の事はない、皆同じと言うものだった。そこに、再生療法やインプラントが登場し、今に到る。  
要するにMIと言う概念は、かつての猛省から生まれ、介入を出来る限り避け、歯質、組織を温存しようと言う所で生まれたのだ。その裏には、実はCR修復だけ、歯周病治療も徹底した歯面清掃のみで10年以上どころか15年、20年と言う報告が有るのを見落としてはいけない。
お陰で、私は補綴が嫌いに成った。根管治療でキッチリ蓋をし管理するだけで、歯牙が温存出来るのに、何故削って被せるのか?いざと言う時に割れる事も考慮し、歯牙が歯冠部で破折すれば、その時始めて補綴すれば良く、その時は患者さんも高齢に成るから噛む力も弱まり、生涯歯を使えるだろうと言う考えで良いのではないか、と私は感じる。
 これは私だけの感じなので、決して強要出来ない。ただ、介入する事がいつも正しいか、と言う考えは常に持った方が良いだろう。治す為に仕方がない、と言う考えで徹底的な介入をする事、そして、外科手術が一筆書きで順序立てて進み、時間短縮でMIとは根本的に勘違いであると、私はたった一人でも指摘したい。 
 我々は歯科医でインプラント屋、外科屋ではない、と言うのが私のスタンスだ。私の所に来た患者さんは、私がインプラントを勧めない事に、驚かれる。先生はインプラントを勧めませんね、と言われる事もしばしばである。インプラントを植立する事で介入が小さくなるなら、迷わず勧める。しかし、これは歯周治療してからだ、とか診断した場合は強いて勧めない。それでも、年中インプラント治療を希望して来る方が後を絶たない。それどころか、物凄い勢いで増えている。私が強くインプラントを勧め押し進めればインプラントばかりに成って簡単だな、と思う時でも歯牙保存から考える。
 即時荷重に手を染めた理由も、咀嚼域を早く増やす事で、天然歯の咬合負担を減らす時期を出来る限り早め、温存出来る目的の為である。そこを勘違いしないで欲しい。決して腕自慢したい訳ではない。良く勘違いされるのは、私の人徳の至らない反省点である。

 ご理解頂けたろうか。MIとは、介入を出来るだけせず治す事で、その為顕微鏡や歯科用CTを使いこなすのが、本道であろう。少なくとも私はそう信じる。
 但し、最近富に出ている歯科用CTデータを基にサージガイド等で、大臼歯部の骨が充分にあるのに、無理に適用し開口を凄く大きくさせ、余計に時間が掛かる手術はMIと言う概念から外れるだろう。そんな時は無理せず、さっさと切開し、剥離を少しだけして植立すれば良い。ステントの装着に四苦八苦等愚の骨頂で、これらなど正に、発展途上で技術を上手に使えない時代の皮肉な現象だろう。言い換えると、時代の進み方が早過ぎて、完全にフォローし切れていない、と言う事なのだ。
 即時荷重を出来る事を目的とし、データ上でステントから補綴物(仮の場合が殆ど)まで準備し、その通りに手術すれば、即時荷重出来ると言うのは、まだまだ未完成で術を行なうDRの力量に左右される事も忘れてはいけない。即ち、真のMIはDRの力量を完全に問うもので、そこに到るまでの基礎的トレーニング無しでは、まず不可能なのだ。某最大メーカーのライブオペで、超有名DRが、スタッグしてミスした話も漏れ聞く位だから、甘く見てはいけない。ゴッドハンドですら、時にミスるのだ。
 MI審美即時荷重インプラント治療・顕微鏡歯科の神=DRシャネリックの昨年のAOプレゼン時、中切歯の抜歯即時植立審美即時荷重インプラント治療は度肝を抜く美しさで、予後も素晴らしく、世界最高峰MI審美インプラント治療と言って差し支えないものだった。しかし、プレゼン後のQ&Aで、すかさず質問が出て、その内容は、掛かった時間は?だった。それにシャネリックは堂々と胸を張り、ファイブアウアーズと答えた。施術に要した時間は“5時間”だったのだ。
世界最高峰で、一番見え施術し易い部位たった1本に、抜歯して病巣等掻把しインプラント植立し、直ぐに物凄く綺麗な仮歯を入れ終了までで、それ位掛かるのだ。因みに、私はこのプレゼン後、顕微鏡歯科治療と外科をほぼ断念した。私なら5時間で、例えば上顎全顎抜歯し病巣を取り切り、インプラント植立し綺麗な仮歯を入れ、平行してGBR骨造成・歯肉再生術まで出来る。どちらを取るかと聞かれたら、私は自分の方法で行く。
 そう言いながら、私は拡大鏡は使用し、常用のはカールツァイス3.6〜4.5倍で、これで外科処置には充分対応出来る、と判断している。これは物凄くレンズが良く、明るく拡大率も他社とは一線を画すと考えており、実際は他社の数段上の倍率と同等性能だろうと思う。やはりMIを目指す場合、裸眼では難しい。拡大鏡下歯科治療で全くレベルが変わるので、是非使用をお願いする。顕微鏡は見える範囲が限られ、汎用性では拡大鏡に譲ると、私は考える。又、シャネリックの例で挙げたように、物凄い時間を要する事になるので、現実的に私には出来ないし、保険診療上は、到底採算ベースに乗らないだろうから、自費専門の1日4,5人の医院でないと無理ではなかろうか。

 如何であろう、私見のみで危ない発言が満載なのではと思う。しかし、本音で踏み込んで提言しないと次代の有志DR達の為にならないと考え、悪役を買って出てもと思い書いた。異論がある方は、是非言って頂きたい。議論で建設的発展が望めれば、嘘偽りなく心から本望だ。
以上で、ほぼMIインプラント治療の基礎概念は、解説を網羅したと考えるので、具体例を挙げ解説する。

症例、K.Mさん 男性 40歳
以前の回で出したようなブラインドテクニックの症例で、実は、私が出張の依頼で、MIインプラント治療をしたものである。換言すると歯科用CT3DXがない場合、如何にブラインドでMIをするか、実際の読者の先生方の為にと思い、敢えて私の医院ではなく、外での症例を用いて解説する。
自分で主張している歯科用CTを否定する訳ではないが、絶対的になければMIを出来ないものでもない。あれば理想だが、なくても可能なのだ。現に私自身2年以上前は歯科用CTなしで診療していた。ご紹介するような症例でもMIで行けるのだ。見れば分かるが普通まず間違いなくブロック移植等GBRで、その後角化歯肉獲得の造成術等込みでインプラントをされるだろう、と言うものである。

右上顎2番の喪失で補綴希望で来院された。臨在天然歯が綺麗な場合、ブリッジよりも単独インプラントが絶対有利だろう。しかし、現実的にはこれ位唇側が凹み、骨がないように見えると、顎提を増大する事を目指してしまう。
が、患者さんにしてみれば、たった1本の側切歯の問題で、GBRブロック骨移植、続いて軟組織の造成術、インプラント植立、歯肉パンチアウト2次手術+プロビジョナル歯肉形態治療後最終補綴、と言うのは長いし、手術も複数回で辛いのではないだろうか。
ブロック骨移植は当然別部位からで、軟組織移植も同様だろう。大きな複雑な手術は成功すれば術者の満足度は高いだろうし、それに連れ、患者さんも良かったと言うに違いない。メンタルなトラウマも最後には、良い結果が伴えば癒えるだろう。
しかし、怖いのは失敗した時だ。移植骨の生着は狭い領域では意外に難しい。硬組織、軟組織造成術では、どちらかと言えば、私は骨の前に軟組織を弄れる手技、今流行のプラスティックサージェリーを取得する方をお勧めする。そう言いながら、私自身は、殆どしないで解決する方法を、苦心して駆使している。今回の症例も正にそうである。
インプラント周囲の組織は生体ではないものの周囲に増大させるので、歯根や骨の上に貼り付けるのとは違う。そこら辺はまだ完全に解明されておらず、一説には倍の量にすれば行けると言われているが、検証を待ちたい。

さて症例である。具体的手技の説明をする。まず、いつも主張する触診等で確かめる。写真を見て頂けると分かるように、20号リーマー25mmで歯肉を尖通させ骨の分布を知る。骨がなさそうでも、意外にインプラント植立には十分な骨がある事が多いのだ。この症例も意外に骨がある事が、分かっていたので、後述する方法でMIで植立した。
今回のケースは、歯肉に切開を入れていないし、骨を全く削除していない。骨の分布を考え、以前紹介した十字型のオステオトームを目標を定めて、軽く叩いて順次拡大してホール形成して行くだけだ。
歯肉はホール拡大に伴い周囲へ盛り上がって行く。これが結果的に歯肉の厚みを増す事になり、退縮を防止するし、歯間乳頭にもなる。骨もエクスパンジョンされ、顎提も多少成りとも増大するので、GBRに似たような結果が出る。

全てフラップレスどころかブラインドで、何もしない所から骨を狙って、ホール形成し押し広げて行くのだ。ブラインドテクニックは言葉だけでは、全く伝え切れない。狙い方、触感、叩き方、方向性等全て経験と度胸が必要だ。触れていて骨が危ない状況に成ったらどう感じるのか(勿論触れている指に強く感じるのだが)、その程度の判断が難しい。コツを一つ言うと、必ず骨体基底部は骨が存在している。なので唇頬側−口蓋舌側の間には間違いなく骨が存在している。その事を理解して、骨の有る所を考えて狙うと良い。スターティングポイントと方向性が定まれば、後は自動的に決まる。勿論、歯科用3DCTがあれば万全だろうが、なくてもこうして解剖を習得すれば出来る。ここら辺が義歯を取得する事がインプラントに凄く役立つと主張する由縁である。この詳細は、又別の機会に譲る。

使用しているインプラントは悪評高きノーベルダイレクトである。が、この症例のように削る事を一切しないと、厚い歯肉で囲まれ退縮し難い。しかも確かにこのインプラントは軟組織維持能力に優れている事は、私も確認している。だが、闇雲に植立して言い訳ではない。ホール形成時、骨が押し広げられている感触、ホール内面をWHOプローブやサイナス用のデプスゲージ等で触診し、骨で取り囲まれているのを確認すると良い。上手く出来なかった時は、潔くフラップを小さく開けて、ホールを修正して植立後、唇頬側に極小さいGBRをする方法に切り替え、閉じるしかない。その場合、私はPRPとHAを固めて置くだけで、必要ならその上にコラーゲンの膜を置くだけしかしない。

即時荷重を狙う場合、ネジきりはタイプ1以外はしない、そのまま植立するだけである。ノーベルダイレクトは植立し易い。35Nを超えたら即時荷重出来る。但し、メーカー推奨値は45Nであったと思う。コツを言うとアダプテーションテクニックで、細めやや深めの形成をして骨を直接押し広げながら植立すると良い。今回使用している3.5mmなどはとても細いしテーパー型なので、ホール形成もすぐ終わる。1発で上手く決める事が大変に重要なので、やり始める前の触診を慎重にして欲しい。歯科用3DCTがあると、ここが楽なのである。ブラインドテクニックでは、何時でも開けられ、リカバリー出来る技術がある事が必ず前提条件となる。
この症例では、対合歯が挺出しており危険な可能性が高いのと、依頼DRの意向もあり、シェルを隣接歯に接着してオペは終えた。後は4ヶ月以降ぺリオテスト値で確認して、天然歯同様に形成、型取りしメタルボンドを装着して終了である。

何度も言うがブラインドテクニックの要諦は、触診である。歯肉頂から骨に触れ、そこから10mm位深い所まで骨を探れば充分なので、詳細に20号リーマー25mmで触診して、骨を把握して欲しい。経験を積めば、必ず修得出来るだろう。
言い換えると、何もしないで歯肉を尖通し骨をエクスパンジョン、拡大してホール形成して退ける方法で、フラップを開かない為に、血流を全く阻害しない。だから、骨をエクスパンジョンしてもフラップを開けた時のように、1mm弱吸収する恐れはないだろう。それどころか、骨頂では盛り上がる現象が観察されているくらいだ。
何もしない、インプラントを植立するだけ、術後に傷口も無い。しかも、ドリルすら使わないので、歯肉も骨も傷付かないし温存出来る。これ以上のMIがあるだろうか。これこそMIを極めたインプラント手術である、と私は信じる。2003年当時、今流行っている手術全盛で自分もしていた時代に、DRラムから初めてこの治療の原法を見せ付けられた時の衝撃は、今尚忘れない。この方法は、色々と応用させられ、皆さんが思っているよりも、ずっと適用出来る。現に、私は日々実践している。が、とてもバリエーションが多過ぎて、網羅して解説し切れないので、基本の概念と手技の解説のみでご勘弁頂きたい。

ブラインドテクニックをかなり応用する時代が、必ず来る。今は創生創造の時なのである。インプラントが従来の天然歯の手技で始まった延長で、必ずフラップを切り開き骨を露出させ植立するしかない、と言う事実がドグマである事、更に出だしで過激な言い分をした理由、ご理解頂ければ幸いである。
インプラントと天然歯は根本的にその概念、扱いが違う、と言う事に今我らは気が付き始めている。今年のAOボストンの学会でも、似たような概念を発想して考案したのであろう手術、手技が幾らか見られた。インプラント治療は劇的に変わるのだ。

私が気が付いたヒントを最後に一つ挙げよう。インプラント治療は完全に人工物で天然歯の生えた審美的状態を模したものを人工的に創り上げるもので、生物学的にまで天然歯を真似るものではない、と言う事なのだ。まだ何処でも提唱されていない、世界的にも前例が少ない分野の解説なので、何を言っているんだ、と憤慨されるかも知れない。しかし、余りにも外科が流行り過ぎる時代に、MIとインプラントとはの私の考えを率直に述べた。外科が拡大して行く事は、患者さん側に二の足を踏ませる事に成るのは、間違いない。もっと患者さんは楽な治療を望んでいるのである。その時に、ブラインドテクニックは、市場を物凄く広げるだろう。
しかし、アメリカの二の舞にしてはいけない。それこそ昨年DRアルブレクソンが主張した事だ。なので、やはり歯科用3DCT普及に拠る安心、安全の確立が正道であろう。
今回の症例提供頂いた嶋典子先生にはこの場を借りて、感謝の意を表する。


今月はここまでである。次回はトラブルを解決した症例のお話をする。又前例の無いものを供覧する予定である。ぜひご拝読頂きたい。