Revisited Classics ★★★

Bossa Cuca Nova: Revisited Classics

BossaCucaNova / Revisited Classics

::★★★::1999::Six Degrees::club::brazil::
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ブラジルのリミキサー・チームによる、ボサ・ノーヴァの古典曲の再演集。カルロス・リラとかも参加してます。全体的にクラブ・ビートをつけてダンサブルに、というコンセプトなんだけど、うーん、ちょっと大味というか直球すぎるというかひねりがないというか。ボサ・ノーヴァって陰影のある繊細な音楽だと思うんだけど、こういうふうにあっけらかんとダンサブルにすると、あたりさわりのないBGMにしか聴こえなかったりするんだよねぇ。もっと屈折した解釈がほしいところです。ということで、★とか★★とかつけようと思ったけど、良いヘッドフォンで大音量で、iTunesクロスフェードを最大にしてノンストップで聴くと意外に気持ち良いので‥ (11/12/02)

Brainfreeze ★★★★

Cut Chemist and DJ Shadow / Brainfreeze

::★★★★::1999::Sixty7::club::soul::abstract::
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DJシャドウカット・ケミストによるDJミックスCD。一発録りライブ。ふつうのミックスCDと違うのは、ほとんどの曲が古いドーナツ盤だということですね。有名曲もありますが、レア曲が中心。といっても、レアものの曲などレアかどうかさえ、ぼくには判断する由もないですが。で、痛みが早いドーナツ盤ゆえ、激しくスクラッチするとそれだけでおシャカになる(古い表現だ)そうで、多くのドーナツ盤がこの録音でお亡くなりになったそうです。その意味でもまさに一発勝負。で、そんな能書きはどうでもいいんですよ。つべこべ言うなや、ぱーっといったらんかい!と言った楽しさが満ちた内容です。B級感丸出しのファンキーサウンド。かつ、どこかのんびりした雰囲気。ちなみに、このアルバムのジャケやインナーにはセブンイレブンの毒々しいソーダがフィーチャーされているのですが、そのテーマにのっとった「Slurp! Slurp!」というかけごえとともにジュースをじゅるじゅる言わす曲があって、それがまた楽しいですねぃ。権利関係を無視したほとんど海賊盤的な作品なので、曲目表が一切ついてないのが残念。 (11/12/02)

Britney ★★★★

Britney

Britney Spears / Britney

::★★★★::2001::BMG::pop::rock::
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非常にクレバーなアルバムであります。最初に、ジャネット・ジャクソンみたいなアバンギャルド商業ポップ路線のファーストシングル「I'm A Slave For You」を聴いたとき、ブリトニーの、アイドルの殻を破ることに対する意気ごみを感じたのですが、いざアルバムを聴いてみると、前作までのフツーの「派手で押しが強く、サビがわかりやすいティーン・ポップ」路線の曲(by今までのプロデューサー、マックス・マーティン)もごっちゃり入っていて、なんというか「いやほら、やりすぎるとファンが付いてこないから」という計算が実にうまくなされているのです。また、曲数もあまり多くなく、40分ちょっとの収録時間におさめているのも非常に賢い選択というか、余裕を感じます。つまり、「Im A Slave For You」や「Boys」といったプリンス的なアバンギャルド・ポップで、アクセルを踏みこむように見せて、「Overprotected」や「Anticipating」のような他愛のない従来路線のアイドル曲で力を抜き、つべこべ考えさせる間もなくアルバムを終らせてしまう、このいさぎよさが実にポップです。カスみたいなバラードと、ジョーン・ジェットを穢すような「アイ・ラブ・ロックンロール」のカバーはやめてほしかったですが。あと、もっとカワゆい写真をジャケや内ジャケにつかってほしかったです。アイドルなんだから、ねぇ。 (11/12/02)

Breakbeat Science ★★★★

Breakbeat Science Vol.2

V.A. / Breakbeat Science

::★★★★::1996::Volume::club::d&b::
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丁寧につくられた、ドラムンベースのコンピレーション・アルバム。分厚いブックレットもついていて、制作側の熱意がつたわるコンピであります。1996年の製作ですが、古さをあまり感じさせないのもさすがです。イケイケよりも、アーティスティックなドラムベースを集めつつ、それでいてキレイキレイなものだけでなく、PlugやSoul Slingerのような変態イルビエントもの、それから内向的なPhumeあたりを入れたりするあたりが、流行りに流されない結果につながっているように思います。ただ、全体的に、少々小粒感があるのが残念なところ。印象に残る曲は哲学的なPhume「Movin' On」、アンビエント/アートコア系ながら曲者感もあるAquasky「Sea Monkey」、ハードコアなDJ Trace & Nico「Area 51」、定番の名曲、4 Hero「Universal Love (Goldie Mix)」あたりですか。あまりに直球アンビエントなTamsin「Innocence」も、今聴くと逆に新鮮。 (11/12/02)

【追記 12/2/2006】Amazonのリンクは、オレが持っているのとは別バージョンで、曲順やジャケが違いますが、収録曲は大体同じです。大体というのが適当ですみませんが。