これでもかというくらいにユングです〜「断章のグリム」


電撃の新刊情報に4月刊行の甲田学人さんの「断章のグリム I 灰かぶり」の紹介が載りました。

この世界に存在する怪現象は、全て<神の悪夢>の欠片である。この悪夢の泡は人間の意識に浮かび上がると、急速に人の恐怖や悪意や狂気と混ざり合う。そして、現実世界を変質させながら溢れ出し、悪夢の物語を作り上げる。
 だが、浮かび上がった悪夢の泡が非常に大きかった時、個性が希釈されて物語の『元型(アーキタイプ)』に近くなる。明示的、暗示的、様々な形で『昔話』や『童話』のエピソードに似たものになる──。

 うわぁ、うわぁ。そこまでユングりますか。「Missing」を途中までしか追いかけられていませんが、これは買わねばなりませんね。

 なお「上の紹介文と分析心理学に何の関係があんねん?」という方には次の本をお薦めいたします。

昔話の深層 ユング心理学とグリム童話 (講談社+α文庫)

昔話の深層 ユング心理学とグリム童話 (講談社+α文庫)

新版 白雪姫コンプレックス―コロサレヤ・チャイルドの心の中は…

新版 白雪姫コンプレックス―コロサレヤ・チャイルドの心の中は…

グリム童話―メルヘンの深層 (講談社現代新書)

グリム童話―メルヘンの深層 (講談社現代新書)

 3冊目は絶版ですが、作者の鈴木晶さんが『グリム童話/メルヘンの深層』全文で内容を公開されています。特に「第二章 メルヘン学入門」は物語論としてメチャメチャ面白いですぞ。