シェイクスピアの「ファースト・フォリオ」所有数ベスト3の内訳

シェイクスピア・シークレット』の上巻を読み終えた。扱われているのは、幻の作品「カーディニオー」とシェイクスピア別人説。カーディニオーってのは、「ドン・キホーテ」を下敷きにした作品で、2回だけ上演記録が残っているらしい。で、シェイクスピア別人説ってのは、実に色々な説が出ているらしいが、信憑性に関しては、俺はよく知らない。昔、ジョン・ミシェルの「シェイクスピアはどこにいる?(amazon)」って本(げ、絶版か)を読んでワクワクしたのは、今も記憶に新しいんだけれども。
 で、ネタバレにならないところでびっくりしたことがあったのでメモ。
 エントリのタイトルにしたファーストフォリオというのは、1623年、シェイクスピアの戯曲をまとめて出版した最初の作品集のことで、正式な題は、「ウィリアム・シェイクスピアの喜劇、史劇、悲劇」("Mr William Shakespeare's Comedies, Histories and Tragedies")(ってウィキペディアの「ファースト・フォリオ」の項目に書いてあった。)。シェイクスピア・シークレットの記述によれば、現存するフォリオの数は230数部。オークションに出たりすれば落札価格は500万ドルとか600万ドルとかするものであるらしい。


 で、この貴重なフォリオもっとも多く所有しているのはどこかといえば、シェイクスピアはイギリスの誇りなんだろうと思われるにもかかわらず、一番多いのはアメリカのフォルジャー・シェイクスピア図書館(ウェブサイト)で、ファースト・フォリオの約三分の一にあたる79部を収蔵している。ここのコレクションは雄松堂書店ウェブサイト)というところが特約店になってオンライン利用(有料)できる(ただし価格はお問い合わせ下さいって書いてあるのが怖い)。


 3番目が地元イギリスの英国図書館で5部。


 で、驚いたのはこの真ん中の第2位だ。さて、どこでしょう?


 正解はここ。12部持ってるんだって。なんでそんなことになっているのか、気になって軽く調べてみたんだけれども、よくわからなかった。特に英文学をウリにしてるわけでもなさそうなんだが……。(なお、ランキングと部数はシェークスピア・シークレットの記述を鵜呑みにした)


 ついでにフォリオ豆知識にもリンクを張っておく。なぜフォリオっていうのか、フォリオに使われた紙はどんなものだったか? など色々楽しいことが書いてあった。個人的には「UとVの使いかた」と「ロミオとジュリエット」のタイトル表記の変化の項目が面白かった。



ジェニファー・リー・キャレル 布施由紀子訳『シェイクスピア・シークレット』(上)