多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

ディープなサイクリング

僕の自転車は4年程前にこのマンションの警備をされている方から頂いた物だ。といってもママチャリなのだが、三段変速機付きで緩やかな坂が続くこの辺り(上町台地)も比較的に楽に移動出来る。広範囲を自転車で移動する時は非常に重宝している。

今日は久しぶりにトイカメラを持ってサイクリングに出かけた。サイクリングというと健全な響きがあるが、僕のいつものコースはその言葉の持つイメージとは対局なディープな街をひた走る。

まず天王寺→動物園前→ジャンジャン横町→通天閣日本橋でんでんタウン→なんば界隈

新世界辺りの串カツ屋さん。最近何処も大繁盛のようで、凄い行列が出来ていたりする。昔から人気はあったにせよ、マスコミで騒ぎすぎたせいか、若い女性グループや幼い子連れの夫婦を良く見かける。相変わらず昼までも酔っぱらいが多く、行き倒れか泥酔かわからない人があちこちで倒れているそばを、デジカメ持った若い女の子達が「昭和の臭いぷんぷんやね。」とか言いながらが喜んで写真を撮っている。女装のおっさんを見たり、パチもんの鞄が堂々と売られたり、カルチャーショックというか、びっくりする事ばかりなのだろう。しかし、観光客増えたなあ。

ジャンジャン横町のところに、通天閣やこの界隈の歴史に付いて、写真とか紹介文が貼ってあったが、今日の目標はトキワカメラ国立カメラビックカメラのパトロールなので気にせず進んだ、そんなもの何時だって読める。でんでんタウンは用はなかったので、黒門市場を突っ切って千日前通りに向かう。

ぶらぶら横道それながら、ようやくカメラ屋さんに到着。デジタルカメラ主流のこの時代、ディスプレイに並べられたマミヤやローライコード。デザインというか存在感が素晴らしいし、全然買える値段なので魔が差しそうで危ない危ない。今日のお目当ては三脚だ。でも、いいなあって思うのは、プロ用だろうか高過ぎる。普通にその辺のコンデジ買えてしまう勢いだ。



トロール終了後、来た道を戻るように帰る。途中、飛田新地に足を運ぶ。決して遊ぼうと思ったのではないが、チャンスがあれば写真に残したいと思ったのだ。しかしこの街は文化というか力というか、何かが強過ぎる。とてもあのモデルなみの奇麗なお姉様方にカメラを向ける等、とても出来るものではない。これだけの遊郭が今も尚残っているのは恐らく日本でも数少ないだろう。一通りの店のお姉様を拝見して、天王寺でいつもの写真屋さんにブローニーフィルムの現像をお願いして帰途についた。

ディープなサイクリング。行くたびに少しづつ道を変えては新しい発見がある。大阪の街は計り知れない面白さがある。長年大阪に住んでいるとはいえ、僕はまだまだそのほとんどを知らない。今度は夜にカメラ持って行ってみよう。長時間露光はヤバそうなので、感度上げて三脚なしの高感度撮影。絶対いつか捕まるか、酷い目に会いそうだ。