春はハローよりグッバイ

最近既視感にとらわれるような出来事が続いている。北朝鮮の衛星打ち上げ予告にPAC3配備を命じる田中防衛大臣を見て、テポドン迎撃にむかった陸自が基地隊を出発したとたんに野球場に迷い込んで接触事故を起こした前回の騒動を思い出した。あるいは平成のドクドクモンスター木嶋佳苗の死刑判決に元祖平成の毒婦林真須美を思い出した。あるいはレッカー事故で子どもを亡くした6人の児童の親がてんかん持ち運転事故厳罰化の署名を提出した翌日に起きた京都祇園暴走自動車事故。実際悪い夢でも見ているようだ。同じニュースのビデオを繰り返し見せられているようで実感がわかない。これが本当に僕が生きているのと同じ現実なのだろうか。いかん、春の陽気にあてられたかな。
▼新年度になって早くも2週間が過ぎた。中学生になった下の子は新しい環境にストレスがあるのか、元々早く寝る子だがもうフラフラで夜の七時までもたない。そんな子が、春休みに素行がよくないと評判の子供のところへ泊りにいって朝方帰ってきたりした。続けて何度も泊りたがるのでさすがに却下したが、そもそも夜遊びに耐えられるような体質じゃない。なにしろまだ睡眠時間が1日12時間必要な赤ん坊なんだから。

上の子は昨日から合宿。というわけで昨夜のウチゴハンはきのこパスタ。あの感情の沸点が高い長男が離任式で大泣きしたというのだからよほど信頼してたんだろう。その前任の先生との別離を乗り越え、また新たな指導者の元でけなげに練習に励んでいるようだ。このあいだ「今度の先生もそんなに悪くない」と言ってたっけ。
▼親バカかもしれないが、うちの子どもたちのような子どもばかりなら教師も楽な商売だと思う。上と下では全然タイプが違うが、なにしろ素直で子供らしい。僕が中学に上がる時はどんなだったろう。小学校でいじめられ、強くなりたい一心で柔道部に入ったことは覚えている。そこから先はただ厳しい練習についていくだけで精いっぱいだった。そして天狗になり、高校で鼻を折られ、ふてくされ、鬱屈した気持ちのまま今まで過ごしてきてしまったような気がする。全く人生棒に振ったようなもんだ。
▼人それぞれ価値観が違うのだから、職業や社会的地位なんかはどうだっていい。ただ本人が充足しているかどうか、それだけだ。人生はままならぬものだが、子どもが本意でない人生を送っているのではないかと疑うのはつらい。うちの子どもたち、特に上の子についてはそういう心配だけはしなくてもよさそうだ。それが一番の親孝行だと思う。

金曜はチキンカツ丼

木曜はタコ焼き

水曜は牛丼
▼年度が替わったというのに毎晩帰りが遅くて晩ごはんが簡易的なものになっているようなのは気のせいかしら。そして僕はついにお祭りから足を洗うことにした。下の子も小学校を卒業したことだし、参加したければあとは自分で行ってちょうだい。人生は短い。つきあいも大事だが、もっと大事なこともある。これからは無理をせず、自分の本当にしたいことだけをするように心がけようと思う。少し早いような気もするが、第二の人生が始まろうとしている。