いかなる☆の下に

昨日一雨降って、今日は春らしい陽気だった。二十四節気でいえば今は雨水。明日も雨が降る。暖かい雨になるだろう。昨日は雨上がりの空にヒバリが鳴いていたな。それにしても今年は本当に冬らしい冬だった。寒くなるのも早かったし、いつまでも寒かった。強烈な寒波がどのくらい続いたのかもう思い出せないほどだが、節分からこちら二月いっぱいずっと寒かったのではないか。
▼さて、今週から新しい事業所に通っている。うちからかなり東の方にあるので、行きも帰りも太陽に向かって走ることになりとてもまぶしい。おまけに担当事業所とは違うメーカーなので、愛社用車ムッスー号からそのメーカー社製の軽トラに乗り換えて行くので走りにくいことこの上ない。夕方現場が終わると一目散に会社に戻り、またムッスー号に乗り換えて担当事業所の打合せや見積をやるので、ここんとこ帰宅は毎日深夜に及ぶ。
▼今日も締切の見積があって、22時からのドラマに間に合うか気を揉んでいたのだがなんとか片付けた。このフジのドラマ「最高の離婚」が最高におもしろい。クワタの軽妙な主題歌も申し分なく、僕的には堺正章夏川結衣の「無理な恋愛」以来のヒット作だ。敢えて解説は不要だろうが、性格の正反対な二組のカップルが巻き起こすドタバタコメディである。
▼よくできたドラマには法則性がある。視聴者にわかりやすいように①登場人物の造形がティピカルで、②重いテーマをコミカルに描き、③展開を内容にではなく構造に依存させ、④結局のところ初回から最終回まで同じ話が繰り返される。
現実はそんな型通りのものではないかもしれないが、作り物だからこそ一定の枠が必要だろう。
▼「最高の離婚」もよくできたドラマの例にもれず、その辺の配慮が行き届いている。①神経質で不器用な夫とズボラでおおざっぱな妻の近所に夫の元カノと遊び人のカップルが越してきて、②おもしろく、ちょっと哀しい描き方で、③物語の駆動装置は主人公夫婦をはじめある種の二項対立そのものであり、④毎回その対比のバリエーションが繰り返される。
▼初日にその事業所が近づくにつれ、今の会社に入った最初の冬にこの事業所にひと月ほど通ったことを思い出した。帰りに軽トラが故障して会社御用達の修理屋に迎えにきてもらったっけ。真冬の寒空にエンジンのかからない軽トラの中も外も寒くて寒くて、救出を待つ間意味もなく車から降りたり乗ったりを繰り返したな。あの頃の僕は乗用車はガソリン、作業用の車は軽油と勝手に思い込んでいて、軽トラに軽油を入れてエンストさせたり無茶苦茶なことをしていた。
▼十年経った今また同じ景色を目にして忘れていたいろんなことを思い出した。こうして同じことを繰り返しながら少しずつ老いてゆくのが人生なんだな。まさに人生は一場の夢。世間知らずでおっちょこちょいでお人よしの性格は相変わらずだ。傍から見れば滑稽ですらあるかもしれない。それでも我々は自分に与えられた役を演じるしかないのだ。それがどんな人生であっても。この先何が待ち構えていようとも。

火曜は牛丼にカボチャサラダ。

水曜は今夜もハヤシくん。そしてデザートはレモンシュガーでコーティングされた
絶品のベイクドケーキ。