周期

今週は夏が戻ったような残暑だった。夜も蒸し暑く、クーラーが復活した。九州には台風が接近中だが、やはり夏の名残りは台風が持っていくようになっているのかもしれない。
▼暑さのせいか、うちの周りにはカメムシが大量発生している。四階まであがる階段のいたるところに死んでひっくり返っている。おそらく月当番の人は毎日夥しい骸を掃いているはずだが、全く追いついていない。さすがに室内までは入ってこないが、ベランダの洗濯物が被害に遭う。妻が恐がってうちの中に干すので、雨降りでもないのに部屋中洗濯物だらけだ。これが毎年のことで、そのうち潮が引くように消えてしまうのだから自然の摂理は不思議なものだ。
▼書類地獄もようやく山を越えた。労基、施主との事前協議も終え、あとは週末の着工を待つのみだ。僕は事業所の営繕を担当している。これまでのパターンでは、日常の営繕業務は自分でやっても、大型物件になると会社からプロパーの監督が派遣されてきた。大きな工事になると、それなりの専門性が求められるし、営繕業務には途切れがないので負担が大きすぎるからだ。
▼今回は同じ企業の他の事業所で事故があったこともあって、営業から現場まで一貫して責任者として携ることになった。荷が重く、重圧でよく眠れない。夜中にゴソゴソと起き出して、気分転換にハービーハンコックの「処女航海」を聴く。昨秋、中古CDショップでの偶然の再会以来、久々のリスニングである。冬の間10枚くらい買い進めたモダンジャズの名盤も、夏は全く聴く気がしなかった。それが秋にはまた聴きたくなるのだから不思議なものだ。
▼下に人がついて仕事するなんて久しく忘れていた感覚だ。エロ本の編集人の時以来か。これまでも実質的にはそうだったのかもしれないが、自分の中では手伝ってもらうという横並びの意識が強かった。今の会社に遅れて入ったこともあって、若い人の方が優秀だという気後れがどうしても抜けなかった。つい昨日まで、プライドの高い技術屋の監督は、営業よりの自分を馬鹿にしていると思いこんでいた。けれども今、キャリアは僕と同じくらいの監督が、自然に僕に指示を仰いでくる。
▼やはり僕自身が意識を変えなければならないのかもしれない。部下というとおこがましいが、この年になって年相応の指導力を発揮できなければウソだろう。いったいいつから、どういう事情でこんな風になってしまったのかと思うと泣けてくるが、僕はそれほどまでに自信を失っていたのだ。ここは若い人たちと忌憚なく、胸襟を開いて語り合い、同じ目標に向かって進んでいかねばなるまい。
▼今朝のめざまし占いで「溜まった疲れがとれる」ラッキーアイテム=読書と出ていたので早引けして読書することにした。これから長い戦いが始まる。英気を養わねば。

火曜は混ぜゴハンに春雨サラダ。

そして木曜は煮込みハンバーグにカボチャサラダ。