正史 三国志 と「蒼天航路」

大分前だが「蒼天航路」が、驚くほど正史から題材がとられている、
と書いたことがある(こちら
蒼天航路」1〜2巻(コミック版)に掛けて、胡人(西域人)の少女をめぐって、
曹操が宦官の大物張譲の邸へ侵入するくだりがある。
昔は漠然と「さすがにこれはフィクションだろう」と思ったが、
その後正史を読んで、「武帝紀」の裴松之注に、
ちゃんと「張譲の邸宅へ侵入」と書かれてあるのを見て
「おお〜!!」と感動したものだ。(胡人の少女の件はフィクションだった)
今回、やはり「武帝紀」の裴松之注に、馬超との戦いにおいて
「(曹操に)雨のように矢が降り注いだ」という記述を見て、
28巻冒頭のシーンを思い出した。
当時は「凄い矢の数だな〜」と思ったものだが、ちゃんと正史にその元があったのだ。
前にも書いたが、正史は読み通すのは至難の業である(個人的な感想です)
なので「蒼天航路」の元ネタを探す、という楽しみが無ければ、続行は無理かもしれない。
本末転倒(劇爆)

野田ともうします。(2)

柘植文
以前、奥さんがこの第1巻を買ってきたとき、合コンで石破防衛大臣(当時)のモノマネをする不思議な女子大生、野田さんに劇ハマリして、このブログに書いた気がしていたが、検索しても無かったので、書いていなかったようだ(汗)
今回、引用が長くなるが、第2巻から内容を紹介する。

野田さんはファミレスでウェイトレスのバイトしているのだが、そのバイト仲間の富沢さんの彼(ツトムン)が、3コードしか知らないゆる〜いストリート・ミュージシャンで、実際は、スロットに明け暮れ、その費用はすべて、富沢さんに無心するという、ヒモ男である。

ツトムン「トミー(富沢さんの事)スロット負けちったー お金貸してー」
富沢さん「・・・・・ツトムン もうスロットやめるって・・・・」
ツトムン「やめる!マジやめる!今度はマジ!」ツトムン去る
別のバイト仲間(以下先輩)「・・・・あんたさーツトムンとの将来について どう・・・・」
富沢さん「何も言うな!」
先輩「でもねーあれじゃ さすがの野田さんも言いたくなるでしょう」
野田さん「そうですねーでは一つ言わせていただくとー」
富沢さん「言うなっつってんでしょ!」
野田さん「太宰治の『津軽』って文庫本に注解が447個あるのをご存知ですか?」
以下、要約すると
「津軽」には注解がついていて、いちいち巻末と読んでいる場所を447回往復しなければならない。
あきらかに意味がわかる言葉にも注解がついている。
先輩は「そういうのは巻末を見なくていいんじゃない?」と言うが
もしかして、知っている言葉に、自分の知らない別の意味があるのかもしれない、
と期待して、巻末をめくるが、常に期待を裏切られる。
こんどこそ、こんどこそ、と思うが、常に期待を裏切られる。

先輩「成る程!つまり富沢さんはツトムンに期待してもムダ!
   そう言いたいのね!
   野田さん 意外と辛口・・・・」
野田さん「いえ違うんです」
先輩「え!違うの?」
野田さん「そんなふうに注解に期待を裏切られる『津軽』ですが
 
     面白いんです 内容は
     だから いいんです     
     富沢さんもそういうことですよね」

ふ、深い!!!!!