haldaneのウィスキー日記

シングルモルトを中心に酒と食を記して行く

こいちゃせんべい(来いちゃ煎餅)

残念ながら、雪国あられの「こいちゃせんべい」はディスコンらしい。無念。
Wikiにもある通り、1950年頃、末広町に工場を構えた末広製菓は小山種三郎氏(新潟商業卒)の経営により、ヒット商品のこいちゃせんべいや雪国あられで県内の有名企業になった。その後、経営不振に陥り、会社自体は山崎製パン社に実質譲渡する形になったが、後継者の小山芳寛氏が「雪国あられ」の商標を個人所有していたため、この銘菓とともに、まるで火の鳥のように新会社「雪国あられ」を復活させ、再生産を始めたのである。そして、新商品「りゅうと」と言うヒットにも恵まれ、現在まで至っている。

しかし、大変残念ながら、末広製菓創業の頃のヒット商品であり、大変由緒のある「こいちゃせんべい」はリバイバルしていない。同類の商品として、お米揚げ、お米チップスが何種類か出ているのだが、あのピンク色のこいちゃせんべいは生産されていないようなのだ。この、こいちゃせんべいの由来について当時を知る、経営者親戚から伺ったことがある。1960年代にいわゆる「スナック」と呼ばれる洋風の飲み屋が新潟でも開業し始めた際、まだ、洋酒と一緒に軽く食べられるつまみが普及しておらず、何を出して良いのか分からなかったころ、この、こいちゃせんべいが広くスナックに受け入れられたとのこと。親戚曰く「今はお菓子なんていくらでもあるけれど当時は意外と無かったんだよ」
自分の幼少時を思い出すと確かに、ブーフーウーのお姉さんが「焼きたてのビスケットを持って来たわよ」と言うのを聞いて、ビスケットが焼き立てなんて一体、どんな風なものなのか想像も出来なかった。