屋久島宮之浦岳登山・観光(2009年2月27日(金)〜3月2日(月))

屋久宮之浦岳登山

 
 マイレージが1区間分使えるということで、3泊4日の屋久島行きを計画した。宿泊は民宿、山小屋、ホテルと3泊とも別の形態、場所で、レンタカーを借りて、自分たちで自由に動く。残雪期なので念のためピッケル、アイゼンの用意をした。

ルート

2月27日(金)曇りのち雨のち曇り

 伊丹−鹿児島−屋久島−レンタカーで島内一周−安房の民宿(泊)

2月28日(土)曇り

 民宿5:00−タクシーとレンタカー−荒川登山口にレンタカーを置く−淀川登山口−宮之浦岳−新高塚小屋(泊)

3月1日(日)晴れ

 新高塚小屋−縄文杉−荒川登山口−レンタカーで白谷雲水峡へ−白谷小屋ー−尾之間のホテル(泊)

3月2日(月)晴れ

 ホテル−屋久島フルーツガーデン−ヤクスギランド−屋久島−鹿児島−伊丹

2月27日(金)

 伊丹から鹿児島経由で屋久島到着。天気は曇りだがやはり暖かく南の島に来たことを実感。空港で自炊用の燃料を買う。
 レンタカーの貸し出し所でお勧めの店をを紹介してもらい昼食はとびうおの唐揚げ定食。ぱりぱりとしておいしい。まずは概要をつかむため時計と反対周りで島を一周することにする。平日とあって人も少ない。屋久灯台までは広い道だが西部林道は細く、木が生い茂っているのと天気が悪いせいで薄暗い。突然、鹿が出て来てびっくり。途中でたんかん(みかんの一種)を買う。大川の滝、千尋の滝などを見学後、安房の民宿へ。民宿で明朝のタクシーと朝と昼のお弁当の手配を頼む。夕食は盛りだくさん。お客は私達以外は学生風の二人連れのみですいている。民宿のご主人から今年は雪が少ないので、アイゼンは必要ないと言われる。ラッキーである。明日早いのですぐに就寝。

2月28日(土)

 タクシーに先導され途中でお弁当を受け取りレンタカーで真っ暗な中を出発。下山後の利便を考え、荒川登山口にレンタカーを置き、そこでタクシーに乗り換え淀川登山口まで行くのだ。荒川登山口にはすでにたくさんの車が止まっている。人が多いのにびっくりしていたら、これでも少ないほうで3月中旬からはこんなものではないと聞き二度びっくり。タクシーの運転手さんは移住してきた人だった。屋久島の現状を聞きながら淀川登山口に到着。ガイドさんと女性3人パーティがいる。昨日の飛行機で見かけた人たちだと思う。
 淀川登山口で朝食のお弁当を食べる。安くてボリュームもありおいしいので、昼のお弁当も楽しみ。出発。曇り空だが雨は降っていないので快調に進む。大きな杉があちこちに見え、ここが緑豊かな場所だと感じる。女性のパーティを追い越すが、他には誰にも会わない静かな道。途中黒味岳に寄り道

宮之浦岳に到着。ガスで景色は全く見えない。

 女性パーティは淀川登山口からのピストンとのこと。若い男性二人組が軽装で登ってきてガイドさんから縄文杉のほうには行かないように言われている。夏であれば問題ないだろうが、まだ2月なので夜は寒いのだ。今日の宿泊場所新高塚小屋へ向かう。雪が残っているが、歩行に問題なし。雪が多かったら大変だっただろう。途中で反対方向からやってくる学生の4人パーティに会う。彼らは白谷山荘から入り昨夜は新高塚小屋泊。小屋は彼らだけだったそうだ。
途中で鹿に遭遇


新高塚小屋到着。

 木がうっそうと茂り、ガスも出てきて薄暗い。トイレの前で鹿がじっとこちらを見ている。どうやら小屋は私たちだけのようだ。かび臭いが気兼ねなく使える。あまりにも静かで一人だったら怖い。しかし、ここに大勢の人が泊まったら、それはそれで使いにくいだろう。トイレは1つだし。本当に静かな山の中。いい時に来れたと実感。

3月1日(日)

 朝食後出発。高塚小屋を過ぎ縄文杉到着。保護のためにデッキがある。さすがに大きい。誰もいないのでゆっくり見学。まだ荒川登山口からの人達はここまで到達していないのだ。さらに大王杉を過ぎ木道を歩く。ようやく途中で登って来る大学生グループに会う。彼らを皮切りに続々と登って来る。人が多かったらすれ違うのも大変だ。ウイルソン株で休憩。

 トロッコ道を下る。もう縄文杉日帰り登山の人はおらず、静かな道を下る。
荒川登山口到着。昨日の朝ここに車を置いたのが遠い昔のよう。せっかくだから白谷雲水峡まで行くことにする。途中の道ががけ崩れ後開通したばかりだ。閉園まで、行けるところまで行くことにする。苔がびっしりと生えていて水が豊かなところだ。
 宮之浦岳から降りてきたからがっかりするかと思ったが、むしろほとんど木道を歩かないので、縄文杉登山よりこちらのほうが自然に近い印象。気持ちもいい。歩くのが苦手な人はこちらへ行ったほうが苔むした木の雰囲気を味わえるかもしれない。休みなく歩いて車まで戻る。今日は尾之間のホテル泊。温泉が楽しみだ。
 部屋は夕日が見えすばらしい眺め。温泉も気持ちがいいが、食事はもう少し素朴なほうが好み。せっかくのいい素材が凝りすぎに思えるのが残念だ。ゆっくり休む。

3月2日(月)

 午後の飛行機で屋久島出発の予定。天気がいいので、中間ガジュマル、フルーツガーデン、ヤクスギランドを回る。道の脇に無人の販売所があり、タンカンや野菜を買う。味見したらおいしかったので。屋久島産の焼酎と民宿の夕食に出てきた魚のすり身も調達。昼食はおすしを食べ、空港へ。

感想

 一度行ってみたかった屋久島だが、交通費が高いのと人が多いというので行くのを先送りしていた。今回、部分的にマイレージを利用して、残雪覚悟で飛行機を予約した。登山客が少ないことを狙ってである。結果的にこれが幸いして登山客がほとんどいない静かな山行となった。特に新高塚小屋が貸し切り状態だったことと、縄文杉の周りに人がおらずゆっくりと過ごせたのは何よりだった。心配していた雪も例年より少なくアイゼンも不要で、歩くのは楽だった。ただ、大勢の大学生が春休みを利用して卒業旅行に縄文杉登山をしていたのには驚いた。同じように荒川登山口から登っていたら、また印象が違っただろう。霧に包まれた新高塚小屋の静けさは特に印象深い。次は石楠花の咲く時期に行ってみたいが。
 ウイルソン株のところで話をしたガイドさんが3月から9月は奴隷の季節、10月から2月は失業の季節と言っていたのが言いえて妙だと思った。世界遺産に指定されてから観光客は激増したようだが、これといって産業がなく、当てにならない観光客相手の仕事は楽ではないようだ。
 また宮之浦岳は日本100名山にも指定されているため、100名山登頂を目標にしている登山客も多い。宮之浦岳だけなら淀川登山口からピストンするのが簡単だが、時間があれば、縦走のほうが山の雰囲気が味わえてよいと思う。もちろん時期にもよるが。他にも魅力的な山があるので、何日か滞在して登山を楽しむのもよさそう。
 車で島を回っていて目に付いたのがどこのお墓にも立派な花が供えられていたこと。フルーツガーデンを案内してくださった方の話によれば、お墓を大事にしないとその家は滅ぶということで、お花は絶やさないとのこと。そのためにお花代もかなりかかるそうだ。