古橋さん電撃約二年ぶりの一作。 技の成り立ちを無駄に解説するのがこのタイプの基本なんでしょうね。
この巻だけでは“サイバー武侠”には負けてますね。 あれがかなり反則臭いからかもしれませんが。 “サイバー”だもんね。
結局の所、話しが前提の叩きだしのみで、技と戦闘描写にほとんどを取られてたんですが、それでもおもろいのはさすがですね。 技解説の時のあの独特のノリは、“金庸節”ってやつなんでしょうか。 “サイバー武侠”の方にもこれとおんなじ具合のがあったですし。 いずれあっちもノベライズするでしょうし、そのときどうなるか楽しみですね。
感想 冲方丁『カルドセプト創伝 ストーム・ブリング・ワールド1 星の降る都市』『カルドセプト創伝 ストーム・ブリング・ワールド2 星を輝かせる者』
お見事な戦ぶり!! ちょっと違うですが、そうですか。
これに関しては結構、読中感想をしたためてるので、それを総合して見ましょう。
“ストーム・ブリング”おもろいなぁ。 全くカルドセプトというゲームの持つ妙味を上手くこの本の面白さに上手く変換しているのですよ。 もって来るカルドが元のデータにちゃんと準拠しているのがなんとも。 原作に対する正しいリスペクトっぷりが心地良いのです。
カルドの拾捨選択もうまいなぁ。 使うものを上手く厳選してかつ、使う局面を効果的に考えているわけで。
いやあ、まさか最後の最後で“グリとグラ”になろうとはな!! 不覚にもかなりツボでした。 グリグラグリグラ。
最近のライノベ関係で、ここまで安定した物を読ませてくれる人って、少ない故に貴重です。 今後もしばらく追いかけていこうと思う初夏の夜でした。
感想 谷川流『学校を出よう! Escape from The School』
(蒼魚真青:電撃文庫:336p:590円)
谷川流、はずれの方。
失敗は展開の意味の無さと、詰め込みすぎ。 展開に関しては今のライノベの悪いほうの縮図といえる。 ドタバタ形軽めから重めに落とそうという基本パターンですが、とにかくもたついた展開なんですよ。
なんだかむやみにキャラや設定を出せばいいってモンじゃないよな、つーわけですな。 白黒コンビに関しては、はっきりいって、いなくてもそう変わらないのではないか?
精神系とか思想系みたいなものは、もうちょっとうまく流せないと見ていてウザイだけ、と言うことですね。
ひさしぶりに読んでて苦痛だった。 続かなければいいのに続くらしいです。 電撃文庫の基本をよく理解しているとは思うが、それが即ち面白さの要素になるということではない。 “傾向とそれの対策”ではいかんのだな、やっぱ。 基本的に詰め込みすぎる嫌いをどうにかせんと、いかんと思う。
でも、ラストは好き。 不思議なくらい好き。
感想 高瀬彼方『ディバイデッド・フロント Ⅰ・隔離戦区の空の下』
(山田秀樹:角川スニーカー:318p:629円)
彼方さんはもう少し報われてもいいと思うんですがどうでしょうか。
前向きと後ろ向きの話。 二正面作戦(主役二人を主軸に視点変更する)のお手本みたいによくできたものですが。
岩井たんは見習わなければならんと思う。なんだかんだで岩井たんが気になるのな俺。