はかった喃 はかってくれた喃(BY虎眼先生)

伊良子粛清祭り真っ盛りの山口貴由シグルイ」三巻が面白すぎます。お薬46日目。
剣舞(背筋を断ち切られるも痛みは野心でカバー)、太鼓打ち(妄想をみながらマウントとられる)、火祭り(禍根を断たれかける)、そして最後にまた剣舞(前方に全く関係ない事を思い出してる憤怒の虎眼)という見事な一大粛清祭り。 どこかの奇祭として本当にこんなのがあったらどうしようかと言う位のお祭り騒ぎです。 そりゃ藤木も仏頂面に笑みを貼り付けだしますよ。 素晴らしい。

 今月の八房龍之助劇場(宵闇眩燈草紙感想)

先月分は見逃したおかげで何がなんだかさっぱりです。 さっぱりなところをあげていきましょう。

  • バーサークシスターを片手でやっちゃう鉄砲鍛冶のおやじ
  • 目がベルゼブブった神父
  • 謎メカ軍団と戦うムチュ
  • 謎メカがアメリカ兄キ
  • そのせいかやっぱりあっさりやられる謎メカ
  • なぜか社長と対戦中の虎の字
  • なぜか上半身がぶっ飛んでる社長
  • いきなりビルドアップの馬道士
  • なぜか邪魔するカラクリ武者
  • いない代わりになにか画策してる麻倉屋さん
  • 詠唱モードに移行するバーサークシスター

前回何があったんだよ。

 山賢ブラック・ジャックの感想

今週のチャンピオンの山本賢二版BJをみました。 今回は私の好きな「ディンゴ」でした。
しかし見事な腐乱死体連打。 なくてもいい場面でもとりあえず出しとけや! なノリでなぜかある腐乱死体。 いちいち家族一人一人をアップで腐乱死体。 当然のようにまとわりついてるウジ&ハエ。 そこに力が入りすぎて病状悪化や自己手術、そしてディンゴがにじり寄る場面がかなりはしょられる。 でもきっちり「腸チラ」だったので問題ゼロ。 そして妙に気合の入ったエキノコックスと露悪全開のオチ。 今回も見事に山賢ジャックでした。 原作に忠実なはずなのに何でこうも違うのか。 腐乱死体のせいか。

? 感想 米澤穂信「春季限定いちごタルト事件」

片山若子創元推理文庫・580円・ISBN:4488451012
内容を要約すると「小市民の道は険しい」
小鳩君と小左内さんが一生懸命に小市民を目指すも、地金のせいですぐぼろを出す話。
さておき。
単に感想を書くだけなら「面白かった」ですむのでそうしましょう。 ではどこが面白かったのか? ご説明いたしましょう。
小左内さんが可愛いのです! 最初のチョコチョコとした可愛さがじわじわと地金があらわになってそっちの方に傾いていくけど、それはそれで! という段差式可愛さが素晴らしいのです。 小鳩君のいちいち古臭い言い回しをする所もいいですけれど、やはり小左内さんの可愛さにはかないません。
これは米澤穂信氏の良さの一つを言い表してます。 それは文章だけで人物を際立たせる事。 これが格段に上手いんですね。 今までの作品もイラストが表紙以外にない形で人物を書いてきたわけですけれど、この本で人を書くというのが完成の域に達しはじめたといっても過言ではないと思います。 特に小左内さんから真・小左内さんへと移行する所の全くの違和感のなさというのは、グダグダいわないで見てみなさいといいたくなるほどです。 大体はこういう一冊内での大変化っていうのはなかなか難しくて、それはもういろんな人が失敗を重ねているわけですけれど、それをまったく違和感なくやってのける辺りに米澤穂信氏の技量の冴えを見せ付けられた思いです。 その人の芯中をきっちりさせつつもそれを隠して殻にこもろうとする様を書くことで、逆にその芯中があらわとなって映えるんですね。 上手いなあ。 そしてどっちの小左内さんも可愛いなあ。
米澤穂信さん、今年は結構本を出すそうなので、ひとつ残らず買いたいと思います。
え? 解説?
あーーーっ、ねぇ?