あたしの心の鍵さ(今月のジオブリーダーズの雑感)

あー梅崎さんがー紅の流れ星がー、すごいラブリーなんですけれど、私に趣旨替えを迫ってるのか?! (勘違いです)
でも。 でも! ごめん梅崎さん! 俺には姫萩夕が! だから・・・だから!(なに言ってんだよお前)
しかし、今回でだいぶ真相というか神楽の闇に迫りだしたなーという感じですねえ。 消されたりしないだろうなぁ。 どうなるやら。
そして、矢島隊長が無茶にかっこいいままで来月にひかれて、どうなっちゃうのかという具合ですが、それよりなにより矢島隊長かっこ良過ぎます。 雨の中+ガードレールに座って待つ+後ろからバラクーダは最高。 なんでバラクーダがせりあがって来たのかが謎ですが、格好よさの前にはそんな謎はうっちゃってしまえば問題無し。

 感想 六塚光「タマラセ 探偵はドリルで突つかれる」

日向悠二角川スニーカー文庫・533円・ISBN:4044707022
まず帯に突っ込むと「・・・・・・新伝綺は?」
内容を要約すると「名義は勝手に使わせたらいけない。特に九里浜純には。」
さて。
おポンチ伝綺第二段でございます。 今回は相変わらず捜査力がゼロどころかマイナスの九里浜純の独断先行による面倒事をピクニック気分で処理して回っていたら、よりやっかいな面倒事がくっついてくるという形で進行し、結果的に火の粉を振り払う形でなんとか決着する、とこう書くと一見普通なのがお話の荒筋になります。
しかし、腐ってもおポンチ。 いちいち良く分からない所に気を配る事を忘れません。 全くわけの分からない架空の技術、コルシカ忍術を筆頭に、「ジャミング」や「オッカムの剃刀」について嘘をついたり、ひたすら「液漏れ乾電池」ネタが繰り返されたり、ジョニーは戦場にいったり、実は「人間枯葉剤」の汚名を返上しようとしていたと判明したりと、なんでそんなに?といぶかしくなるくらい無駄なネタを繰り出してきます。 その割りには「あわあわ毒手拳」が内容の方に有効活用されていたりするのでただ「バカ」と侮れ、ないようにみえて唐突に「ノーベル家庭の知恵賞」とか言い出すので心底性質が悪いと思います。
かように「タマラセ」はおポンチな作品なんですが、しかし妙にシリアスというかシビアな所もありまして、結構全体的に軽々と命が散っていくんですけど登場人物たちにとっては十分に重荷となって押しかかっていて、しかしそれを含んでなお生きていかないといけないという現実がきっちり書いてあったりするので、読み手側もその事を軽々しく切り捨てられません。 その辺りが本当に始末が悪いというか底意地の悪いなあと思います。
はてさて。
イラストの方にも言及しておきますと、この作品のモノクロイラストは基本的にベタ&ホワイトだけで描かれているんです。 実はトーンを使ってないんですね。 それが日向悠二さんの絵の持ち味を引き出している、というか底上げしている点は注目してもいいと思います。 線がくっきりはっきりするのでインパクトがよりましている印象です。 とくに119pの九里浜キックは秀逸。 特に「蹴った」と書いてないのに蹴りを当てている辺りがなんともツボです。 というか九里浜純が分かってるなあという感じで。 あと、カラー口絵の見開きも好きですね。 一巻目もそうでしたがなんとも無駄な壮大感が実に素晴らしいですね。