感想 野村美月 『“文学少女”と餓え渇く幽霊』

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

 内容を要約すると「それは、すれちがいというには哀し過ぎて」
 これは……。思った以上の哀しい話ですよ。その素養が野村美月女史にあるのは知っていても、それを前面に出されると、いままでのライト野村を好んでいた自分にはきついものがあります。いくら文学少女の領域(テリトリー)が発動されても、悲劇が回避されるわけでもない、あの空気。ああ……。
 でも嫌いじゃない! 決して嫌いじゃないぞ! なんつったって遠子先輩は可愛いし。色々と疑念があるけど、それでも、あのキャラクターは素晴らしい。本当に、青春期にああいう人に出会えていたら、自分はどうだっただろうか? と妄想が読む毎にはびこるこの俺の脳。ああー、せいしゅんはー、遠い日の花火ー。
 とかなんとか。