感想 結城心一 『ちろちゃん 1』

ちろちゃん (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

ちろちゃん (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

 見所。電波系幼女、媛田くしなの電波的な活動。以上。
 いやいや。
 なんとなれば『まとちゃん』がカオス所謂混沌に爆走するのに比べると、『ちろちゃん』は非常に危険の少ない方向へ歩み寄る感じ。その辺は、ちろちゃんの狂言回し能力*1が優れているからなのか、単に作者がセーブしているからなのか、イマイチ判然としませんが、くしなの電波的言動活動を見るに、そっち方向をなんとかセーブしようとしているのだろうな、とか思ってしまうのは、まあ些事です。
 先にこちらから読んだんですが、あまりにまとちゃんがマイペース虫っ子だったので、勢いで『まとちゃん』まで買って読んでしまいましたよ。それくらいまとちゃんがキャラ立っているというか、異様な濃さを持っていました。
 なので、ちろちゃんよりまとちゃん主役だろ、常識以下略と思ってしまいがちですが、だがちょっと待って欲しい。ちろちゃんがまとちゃんにある意味虐げられるからこそ、この漫画は面白いのであって、これでまとちゃんが(あるいは作者が)暴走するだけだったらどうなると思う? その答えが『まとちゃん』なわけですが。
 さておき。
 この作品ではちろちゃんが本当に、不遇です。まとちゃんに弱みを握られ、対抗する為になったむちきん(虫持ち込み禁止の略)係長になったらなったで、気がついたらヨゴレ扱い。それでも頑張ってみても、まとちゃんのマイペースにいいように自分のペースを乱され続ける日々。まあそれが楽しさに繋がってるので、頑張れちろちゃん、あなたに平穏はきっとない! そんな感じです。そこがおかしみであるので、このペースを維持していただきたいものですが、でもこのままの調子でいけるんだろうか? 『まとちゃん』がああなっちゃったし……。

*1:ヨゴレともいう