感想 ろくごまるに 『封仙娘娘追宝録11 天を決する大団円』

 内容を要約すると「これで『おっしゃあああ!!! THE ENDォォォォ!!』。そう考えていた時期が俺にもありました」。言い方を変えると「終わって無いジャンッッッッ!」ですよ。終わってるんだけど、終わってない。終わらないのが終わり。それがゴールド(略)。
 まあでも終わったのは終わりました。最後駆け足と言うか、むしろ最初の方がスローペースで魅せる話で、『これ、このペースで本当に後100pで終わんの?』みたいな危惧に見舞われましたが終わりました。終わったんです。色々伏線みたいなのが消化されてないとか、お前の登場唐突過ぎるだろ! とか、言いたいことはありますが、終わったんですよ。俺たちの、長い戦いは。
 14年か。長かった。楽しかったような苦しかったような時期もあったけど。夏が何度も行過ぎて、でも一度も夏の来なかった時期もありました。某ろくごスレでは幾人もがさしたる意味もなくエア酒盛りをし、不用意な発言をして某徳利の宝具に打ち上げられ、散っていったような素振りを繰り返しました。色んな考察が酒の肴として上がり、皆はそれを楽しみながらあだこだと言い、新刊が出るたびに、あるいは出ないたびに期待と不安と不安に揺れ動きました。でも、それも終わったのです。終わったんですよ。
 そんな感慨はさておき。
 それにしても、今回の静嵐大帝の萌え具合(語弊)はどうだろう。なんで今回はこんなに大帝の出番が多いの? いつの間にそんなに人気キャラになったの? 最後にその欠陥がとうとう語られたけど、そんなに人気(略)。そりゃ、こっちは静嵐大帝が色々するたびに一喜。漸央さんが過剰評価するのを見て一喜。最後の活躍で一喜。とにかく一喜しまくりんぐでしたが。こんなにも静嵐大帝の動きで喜んでるなんて、いい鴨ですが、好きなキャラが良さを出してるんだから喜んでもいいじゃない。
 それはさておき。
 最後の方は色々思うところがあります。こっちが期待というか考えすぎて、シュレティンガーの猫きた! これで勝つる! とか意味不明なことを口走ったりすらしました。でも、短編とつなげるならこういうオチしかないか、とは、認めるところです。なかなか綺麗にオチがついた、とは思うけれど、それならもっと短編が見たい、とも思ってしまう。でも終わったしなあ。今後新作を望む方がきっと読者作者の関係としては健全なんだろうけど、でも短編もまたみたい、というか封仙の雰囲気を、もう少し、もう少し、と思ってしまうのもまた事実。これでさよならなんていわないで欲しい。と勝手な事を思うのでありました。うむぅ、あんびば。
 最後に。
 とにかく完結お疲れ様でした。そしてありがとう。次回作も出たら読みます。