感想 平野耕太 『ドリフターズ 1』

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

 大体の内容。「異界国盗り物語、開幕!」。ということで、架空戦記に近い、ファンタジー戦記の幕明けとなっております。まだ序盤だからか進みはやたら遅いんですが、中盤過ぎる辺りからこれがどうにも楽しい。どう考えても長い連載になりそうな雰囲気なので、その為のスロースターター、描く事をきっちり描いてきっちりと描ききるという意志すら感じてしまいます。つか、ホントどうなるんだこの漫画。どう考えても普通に超能力者な相手に、その辺全くなしの面子でどう戦うのか。って辺りが今から既に燃えポイントとなっております。これでいきなり超能力がプラスされたら興ざめしそうなので、その辺はきっちりと無しで行って頂きたいものです。まあ、なったらなったですが。
 さておき。実在で名前残すと後が大変だよなあ、こういう目にあっちゃうんだなあ、と妙な事を考えてしまうのがキャラ造詣。描くのが平野耕太なので、非常に崩れてくる時もあり、あるいはきっちりと人間味を出してくる事もあり、でも基本ヒドイ扱いなので、信長に親近感がもりもりと沸いてきます。この辺は現代日本でもやたら人気がある人物なんで、描く方としてもうまく使わないと、ってことなんだろうなあ。代わりに那須与一が非常に変怖いキャラ付けなってますが。逃げた兵士全滅させた時などは弓無双が過ぎる。ハイを越えて廃スペックだよなあ。
 さておき。
 現在のアワーズの局面的に考えると、やたら戦争物が増えている、誌面の3割くらいがそう、な中で、一味違う戦争物を選んで描いてるという状態なわけですが、この局面を読みきっていたのか、単にしたいことしたらそうなったのか、は論考を待つしかない現状であります。個人的な事を言えば、読みきっていた方がかっこいいので、そっちであって欲しいものですが。
 とかなんとか。