墨堤通り

harimaya2005-11-17

「春のうららの隅田川」もいいが
この墨堤通りの桜並木もこの季節は
紅葉の風情がとってもいいものだ。
ひと雨ごとに葉が散って道行く人も
大分に減ったが、そのぶん空気が
美味しく思えて爽快感は今がいい。
都会の中の季節の移ろいを桜たちが
私たちに教えてくれているようだ。
傍らをマラソンマンが走り抜けて
いったが彼らの季節がきたのだろう。
吐く息の白さも、生命感にあふれて
晩秋の墨堤通りを演出している。

内憂外患(24)

ペルー元大統領のフジモリ氏が大統領再選を賭けて隣国のチリで逮捕された。
大統領にまで登りつめた日系外国人の初めての快挙は日本人として言葉には
言い尽くせないほどの誇りだが、なぜ今になって亡命先の日本から出国して
ペルーに戻ろうとしたのだろうか。望郷の念なのか、それとも権力欲なのか。
「飛んで火に入る夏の虫」なのか「虎穴に入らずんば虎子を得ず」なのか、
彼の行動は誰が見ても無謀としか思えないし、今までに面倒をみてもらった
曽野綾子さんや石原慎太郎氏や親しい人たちに相談の上の出国なのだろうか。
人には社会に対してのそれぞれの役目があり、彼の役目は充分に果たしたと
誰もが思うがご本人の事情や心中までは察しられない。中南米のペルーには
日系人がブラジルに次いで多く住んでいるそうだが、この騒ぎで市民感情
排日へと動いていると聞く。たとえフジモリ氏の戦略でも日系人には迷惑な
ことだろう。始皇帝、ナポレオン、秀吉、東西の英雄には晩節を汚した人は
多いが、彼の今までの業績やこれからの行為は、日本人の評判や尊厳にも
関わる事なので、そっとこのままに日本で余生を楽しんでもらいたかった。
生きる節の潮時は難しいが私たちにも言える人生の教訓なのかもしれない。
来年のことは分からないが小泉首相の引き際は立派に飾って欲しい。