The Drunkard's Walk L.Mlodinow

The Drunkard's Walk: How Randomness Rules Our Lives
Leonard Mlodinow
Penguin
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確立統計に関する読み物。その発展を、時代とともに見ていき、確率的思考を一般生活にどう活かせるかを考える。

「50%の確立でありうる」という概念を考えたのは、ローマ人。ギリシアの頃は、2つの点(宗教的世界観/哲学は真理を探究する)から確立統計の理論には考えが及ばなかった。しかし、考え方の変化、数学的発展により、確立統計は進化する。

時として、確立統計や、ランダムネスというものは実感とそぐわない感がある。なぜか。それは、人間が環境を支配しようとしたり、そこにパターンを見いだそうとする性向を持っているからだ。現実は複雑で、多面的に見ることが困難だ。だからこそ、そこに介入しようという意志が強くはたらくのだけれど、そのことがかえって、コントロールできているという錯覚を強めてしまう。偏向を正すためには、自分の意見に反しない証拠と同じぐらいに、その反証となる証拠にも注意を払う必要がある。

確立思考のポジティブな活かし方もある。努力しているのに、結果が付いてこなかった場合はどうだろう。物事の可否は多分に運の要素を含んでいる。残念な結果だけ見ていると、自分に落胆してしまうかもしれない。しかし、本当に自分にその資格が無いのだろうか。成功したか否かよりも、能力いかんで判断した方がいい。原因と結果の因果は、思っているほど直接的なものではない。確率的思考を持つことで、起きたことに対して、違った認識を持つことができる。

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