ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

サイエンス誌発表の長寿遺伝子仮説と聖書

 米国科学雑誌サイエンス誌電子版で発表された「研究:遺伝子は誰が100歳まで生きるか予測出来るかもしれない」という論文は、いろいろ反響を呼んで、その要約はネイチャー誌電子版や、サイエンス・デイリーのサイト、そして日本の新聞でも紹介されています。
ボストン大学のトーマス・パールズ教授の率いる研究チームは、90歳後半から100歳以上という例外的な長寿者1055人と、親が平均73歳で死んだ人々1276人を比較対照して調べてみました。遺伝子本体であるDNAは糖・塩基・リン酸から成り、そのうちの塩基にはアデニン、チミン、グアニン、シトシンの4つの種類があり、その並び方は様々です。その塩基の変化で人口1パーセント以上の頻度を持つものを多型と言い、ひとつの塩基が他の塩基に置き換わっているものを1塩基多型(略して英語でSNPs=スニプス)と言います。個人の間の比較で0.1パーセントの塩基の違いが存在し、その30億塩基対では実に300万以上のSNPsがあると言われています。
 今回比較対照群で違いのあるSNPsの150個について調査がされました。研究者たちはこの150の多型の違いが「長寿遺伝子」であると仮定して調べた結果、およそ77パーセントの確率で、例外的な長寿を予測出来るという結論に達しました。
 また研究者たちは100歳以上の人々の90パーセント以上を特徴付ける例外的長寿の遺伝子クラスター(*機能の関連した遺伝子が染色体上で隣接して存在するもの)を19個調べました。すると110歳以上の人々のうちおよそ半分に、高い長寿関連遺伝子多型を備えた遺伝子クラスターが見つかったそうです。
 さらに病気と関連する遺伝子多型の欠如について、比較対照群で調べたところ、両者にあまり有意な差はなかったそうです。ですから長寿関連遺伝子多型を持っている人の方が、より長生きする事になります。
 しかし研究者たちはその事を断定していません。環境因子(例えば生活様式)なども、やはり長寿と関連しているかも知れないと付け加えています。
 そうした長寿者はだいたい元気で、アルツハイマー病など痴呆とはおよそ無縁のようです。うらやましいですね。
 でもそうした長寿関連遺伝子多型のある人々でも、やはり120歳が限界でしょう。なぜなら神は人の堕落以後早々と、人の寿命を120歳にすると宣言されたからです(創世6:3)。
 そしてまた詩90:10では「私たちの齢は七十年。健やかであっても八十年。しかも、その誇りとするところは労苦とわざわいです。それは早く過ぎ去り、私たちも飛び去るのです」とあって、詩篇作者は健康な人の平均寿命が80歳である事を述べています。実際それを越えて健康でいられる人々の数は急激に減っているはずです。
 この生きている齢の中で、肉体は滅んでも永遠のいのちを与えて下さる救い主イエス・キリストを信じた人は幸いです。
*なおこの論文については、一週間後に論争が起きており、サイエンス誌電子版ニュースでは、ボストン大学の研究者に対するインタヴューがされています。
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2010/07/authors-of-controversial-longevi.html