中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

リアル引っ越し作業(その1)

 木曜日、上海は曇り。今日は『端午节』と言って中国では端午の節句で祝日である。本日から土曜日までの3日間が連休で、日曜日が振替出社となる訳だ。相変わらずこの『振替出社』というシステムに翻弄されるワケだな。
 祝日とは言えワタクシは週末に引っ越しを控え、本日よりリアルに本格的な引っ越し準備である。午前中から妻と息子と3人で色々と段ボールと格闘である。
 今回の引っ越しのテーマは『処分』なので、前回の引っ越し時に色々と言い訳しつつも持ってきた『使わない』モノを思い切って捨てる事にしたワケだが、捨てる際に困るのが個人情報が入ったモノなんだなぁ。ワタクシは比較的早い時期から電子手帳的なモノを使っていたクチで、うちには palm社の端末が2つ程有るのだが、コレのデータ消去が何気に面倒で困った。

 左が palm one (m500)で右が同じく Palm社の TUNGSTEN T5である。サスガに palm oneの方はバッテリーがダメダメで、充電しても充電できなかったが、電源アダプターを繋ぐと起動してしまうので色々と弄って内容を削除した。削除後に金槌で液晶を割って処分。ちょっと心が痛んだが、まぁ仕方ない。そのまま捨てるワケにはいかないからね。
 そして問題は TUNGSTENの方である。コレは iPhoneを持つ様になる直前まで使っていたので、結構な情報量が入っていて「ココにしか入っていない情報」も幾つかあったので、結局これは捨てない事にした。引っ越しだから…と言って何もかも捨てる必要は無いしね。(考えてみたらこんな小さいもの捨ててもあまり意味が無い)
 次に困るのが HDDである。皆さんこのコネクタみた事ありますか?

 コレは Ultra160-SCSIという規格の当時では最速だったサーバ向けストレージである。今ではシリアル転送が主流だが、昔はATAもパラレルだったし、業務用の世界では SCSI『スカジィ』と呼ばれるパラレル転送の方が主流だったのだ。
 ワタクシは HDDレコーディングの黎明期に某 K社にてリアルに音楽制作作業をしていたので、この辺の技術にはとても興味があったので自腹を切って色々と研究したのだ。当時の Macintoshは内臓 HDDも SCSIで HDDレコーディングをするためには、必ず外付の専用 HDDを必要とした。しかし当時の外付の規格は SCSI-2だったので実用域ではせいぜい 8トラックの同時録音が限界だったので、自宅の PowerMacintosh 8500/120に奮発して U160-SCSIMac用アダプタを買って装着し、これらの外付のケースと共に高速 HDDを購入したのだ。
 最初に購入したのは IBMの 18.3Gbyteのもの。当時としてはカナリ速くて笑いが止まらなかったのだが、 10,000rpmの高速回転モデルゆえジェット機みたいな音がするので、同じ部屋でのレコーディングは出来なかった。仕事を終えた後に Macの電源を落とすと耳鳴りの様な静寂が訪れる…という懐かしい思い出もあったりする。

 次に買ったのが Maxtorの Atras 10KIII-320の 36.7Gbyteのもの。

 いよいよ Ultra-320SCSIのモデルである。しかし当時 Macintosh用の SCSIボードは adaptec社の U160の物しか無く、U320のスピードを享受する事はできなかった。

 当時は高速HDDはとても高価で、このくらいのサイズでも5万円くらいした記憶がある。SCSIボード自体も3万円以上したので、ケーブルやら外付ケースやらでナンダカンダで 10万円コースだった。いまや、コレの 100倍の容量で、4倍の速度のものが1万円で買える時代だものね。いい時代になったものだ。
 さすがにこの SCSIボードは今の Mac OSには対応していなかったので、諦めて物理的に破壊して捨てる事にした。
 そして倉庫から MacProの箱を引っ張り出してきて、中の美しい発泡スチロールに包んでシッカリと仕舞った。それにしても箱デカっ! でも Appleの製品は本当に箱や梱包材まで美しくデザインされていて、しかも結構段ボールの品質が良いので、こんなに長時間保存してあったのに箱は全然『朽ちて』なかった。

 いやはや流石りんご社ですな。
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