序文、みたいなもの

もともと惚れっぽいのだ。

「一目ぼれって感覚が良く分からない」そういう人がいることは知ってる。
でも僕には良く分かるんだ。

その瞬間、何か、強い力が体の中を通り抜けるんだ。
気がつけば、目の前にいる人は、特別な存在になっている。

そんな恋が成就するようなことはあんまりない。
なんせ脈絡がないんだもの。
でも戦略とか、順序とか、そういうのはこの際関係ないんだ。
上手くいかなくても、それはそれで仕方がないんだ。

でも、僕はもうサッカーのとりこなんだ。初めは「一目ぼれ」だったかもしれないけどさ。

もうヤツは、音楽や、映画や、本や、その他もろもろの僕を形作っているものの間に、しっかりと居場所を確保しちゃったんだな。

気がついたら、ぼんやりとフォーメーションを頭の中で考えていたりするんだ。
どうやったら、きれいな弧を描いて飛ぶサイドチェンジを蹴れたりするんだろうって、考えてるんだ。
スタジアムに入って、きれいに刈られた芝生を見るのが好きでたまんないんだ。
ゴールのあとに、ぴょんぴょん飛び跳ねると最高なんだ。

ま、とにかく言いたいのは、そこには、スタジアムには、尽きぬ歓喜が、苦悩が、絶望が、はたまた色んな愛の形があるってこと。この世における全てのエモーショナルなものが待っているって言ったっていい。

そういうのが、僕は大好きなんだな。


繰り返すけど、僕はサッカーが好きだ。
特に、FC東京っていうチームが好きだ。

それはレアル・マドリードみたいなビッグクラブではないんだ。
そもそもあんまり強くはないんだ。でも特に弱くも無い。

ダークホース、なんて、好意的に解釈する人もいれば、ま、10位以内には入るんじゃない、なんて、あんまり興味のなさそうな意見を聞く事も多い。

ものすごい試合をするかと思えば、てんでダメダメな試合をする事だって良くある。
そこにはキャプテン翼君みたいにスーパーなプレーヤーはいない。まだ、ね。


優勝できるかって?

愛しているけど、それを言うための覚悟ってモンが、正直僕にはまだないな。


でもさ、好きなんだな。

例えば、東京の右サイド(相手ゴールに向かって右側)には、怪我をしてなきゃ、石川直宏って選手が入るんだ。

試合が始まって、もし、彼の調子が良さそうだったら、彼のプレーを見ているだけで、サッカーの魅力の一つに触れられるんだ。

とにかく、前へ、前へ。愚直に、確信を持って、時に迷いながら、彼は前方に広がる空間に突っ込んでゆく。相手DFを置き去りにして、ボールと一緒にね。

スピード感、ドライヴ感。「スウィング」してるなんて言い方もあるね。
良く出来たジャズの曲みたいに、それは最高なんだよ。

結果「切り裂く」とか「蹂躙する」とか「ぶっちぎる」とか…

そういう言葉でしか、彼のプレーを表現できなくなるんだけどね。

そうそう、彼のポジションは、ちょっと前なら、「ウィング」って呼ばれたんだ。
石川は、今それが一番しっくり来るプレーヤーなんじゃないかなぁって思うよ。


もちろん石川はチームの一員で、僕はFC東京ってチームが好きなんだけどね。



色々書いたけど、なんで好きかって、ホントの理由は自分でもよくわかんないな。
でも全然オーケー。

僕の気持ちがわかんないって人は、スタジアムに通えば分かると思うよ。


ルールが分からなかったら、誰かに教えてもらえばいい。

サッカーボールを買ったっていいけど、買わなくったって、いつかは、十分サッカーを楽しめるようになる。


僕はサッカーが下手くそだし、そもそも、あんまりプレーした経験がない。

右足でしか蹴れない。インステップで蹴るのもままならない。
でもサッカーを愛しちゃったんだ。あんまりサッカーをした経験っていうのは、観戦と関係がないんじゃないかなと思うな。

観戦のルールとか、楽しみかたなんて、自分で決めるもんだと思うよ。

間抜けかって?

僕はギターをちょっとは弾けるけど、弾けない人に「きさまには音楽を楽しむ権利はない」なんていうほど傲慢じゃない。そもそも、そんなことはどうだっていいよねぇ。



こんな文章を書いた理由?
今年もシーズンが始まったって事と、開幕戦で東京が買ったって事だね。

これから一年間、僕は東京が勝ったり負けたりして、本気で喜んだり悲しんだりするんだ。

それが、楽しみで楽しみで、仕方がないんだ。

朝方の土下座マン

先日、夕飯を食べ終わり、プレステ2のキン肉マンのゲームをいとこと楽しみ、カレル・チャペックの「ポケットから出てきたミステリー」(面白い!)を読みながら、眠りについたんですよ。

その時も、いや、ゲームをしている最中から(より詳しく言うならマッスルドッキングとかだしながらね)、あー、なんか気持ち悪いなー、食いすぎたかなー、なんて、思っていたんですよ。これ複線。

で、気持ち悪いままに就寝。

朝方、猛烈な吐き気と腹痛で目が覚めました。

どうもお腹は弱いほうなので、年柄年中下痢気味な僕ですが、この時はもう冷や汗ダラダラかくわ、寝返りもうてないわで、超スクランブル状態に突入していました。

地平線の彼方に見えるかすかな点が、やがて人の形を取り、手にはライフルを持っている、とか、そういう風には彼らはやってこなかった。そういう前振りなし。気がつきゃ十字砲火の飛び交う戦場真っ只中、激戦区。それは慌てました。

とりあえずなんとか階下のトイレに…

「く」の字に体をまるめ、トイレまで這うようにして到着、案の定ケロケロあげて、そのあとは大の方をすませ、もう何がなんだかわからない。

でも、気持ち悪さと腹の痛みは消えてくれません。有り得ないような痛みだったんですね。ぎゆうっと腸の辺りをわしづかみにされている感じ。

体が起こせないので、廊下に土下座ですよ。それが一番楽な姿勢だったんで。

まずいなこれ。しばらく悩みましたが、母親を起こしました。

「悪いんだけど、俺を病院に連れてってくれませんかー?」

なによもう、まだ5時じゃないの。

廊下に出てきた母親は、土下座をしている息子にそうとう驚いたようです。

わーコレは大変だ、と近所の病院に連れて行ってもらいました。

眠そうなお医者さんの、診察結果は

「食あたり、もしくはただの腹痛

んなわけないじゃん…とか思っていましたが、不思議なもので、病院につき、痛み止めの薬なんかを飲んだら、嘘のように痛みは去っていきました。

いまだに、原因はわかりません。

事実は、先日の朝方、西多摩に一人、母親に向かって土下座をしながら、敬語で冷静に指示を出していた男が存在した、ということだけです。

「保険証は持ったんでしょうかー?」

とか、

上着を取ってきていただきたいんですがー?」

とかね。

でも久しぶりに七転八倒の苦しみを味わいましたよ。おかゆとかすすってる今日この頃です。みなさんも、ご自愛ください。落ちとかはないです。はい。

デリケート

超訳第2弾!!

厚顔無恥!!

でも訳しててオモロイから良し!

みんな聞こうぜダミアン・ライス

Delicate


We might kiss when we are alone
寂しい時、僕らはキスするだろう
When nobody's watching
誰も見てなければ、
We might take it home
それを家に持って帰ろう


We might make out when nobody's there
それから多分僕らは誰もいない所でやっていくんだろうな
It's not that we're scared
…別に怖いって訳じゃないさ
It's just that it's delicate
ただ、デリケートなんだ


So why do you fill my sorrow
でも、なんで君は僕を悲しくさせるんだ
With the words you've borrowed
そこしか知らないってとこから
From the only place you've know
借りてきたような言葉で

And why do you sing Hallelujah
それに、なんで歌ってんのさ?(ハレルヤ!)
If it means nothing to you
そりゃ君には意味がなくったって
Why do you sing with me at all?
なんで僕と…?



We might live like never before
僕たちは生きていくんだろう、以前とは違った風に
When there's nothing to give
そこに与えられるものがなかったら…
Well how can we ask for more
はは、どうやって聞けばいいんだろう?


We might make love in some sacred place
僕たちは、どっかの聖なる場所で愛し合うんだ
The look on your face is delicate
ああ、君はぶっ壊れそうなを顔してる


So why do you fill my sorrow
でも、なんで君は僕を悲しくさせるんだ
With the words you've borrowed
そこしか知らないってとこから
From the only place you've know
借りてきたような言葉で

And why do you sing Hallelujah
それに、なんで歌ってんのさ?(ハレルヤ!)
If it means nothing to you
そりゃ君には意味がなくったって
Why do you sing with me at all?
なんで僕と…?


So why do you fill my sorrow
でも、なんで君は僕を悲しくさせるんだ
With the words you've borrowed
そこしか知らないってとこから
From the only place you've know
借りてきたような言葉で

And why do you sing Hallelujah
それに、なんで歌ってんのさ?(ハレルヤ!)
If it means nothing to you
そりゃ君には意味がなくったって
Why do you sing with me at all?
なんで僕と…?

エイミー

hbn442004-10-25


ダミアン・ライスのアルバム「O」( asin:B0000WN0VY )の中の一曲を超訳してみました(笑)。実に良い歌です。ま、変な翻訳なんだろうけど、まさに初の試みでありますだし、気にしません。若いときは失敗に限る。

彼らの歌はぐっと来ます。でも残念ながら日本じゃ売れない種類の音楽ですな。

依頼があればギター持って歌いに行きます(笑)
報酬は酒代と惜しみない拍手を夜露死苦

Amie

Nothing unusual, nothing strange
いつもと同じで 変なこともなく
Close to nothing at all
ほとんど 変わらない毎日
The same old scenario, the same old rain
同じ古いシナリオ 同じ古い雨
And there's no explosions here
ここには争いもない


Then something unusual, something strange
でも何か変わってきたみたいだ 何かおかしい
Comes from nothing at all
何かが何もないところから来てる
I saw a spaceship fly by your window
僕は宇宙船が窓をよぎったのを見たよ
Did you see it disappear?
あれ、消えたのをみたかい?


Amie come sit on my wall
ねえエイミー、こっちに座ってさ
And read me the story of O
「O」の物語を読んでくれないかな
And tell it like you still believe
それから、なんだか君がまだ信じてる
That the end of the century
この世紀の終わりが、僕らに運んでくる
Brings a change for you and me
「変化」ってものを、教えて欲しいんだ


Nothing unusual, nothing's changed
いつもと同じで 変なこともない
Just a little older that's all
ただちょっと古くなっただけ、それだけだよ
You know when you've found it,
君がそれを見つけた時、
There's something I've learned
僕にも分かったことがあったんだ。
'Cause you feel it when they take it away
だって、あいつらがそれを持ってちまった時、そう感じたんだろ?


Hey hey hey
ねえ ねえ
Then something unusual, something strange
でも何か変わってきたみたいなんだ 何かおかしいんだよ
Comes from nothing at all
何かが何もないところから来てるんだ

But I'm not a miracle
でも僕は奇跡なんかじゃないし
And you're not a saint
君も聖人なんかじゃない
Just another soldier
ただの、どこかに向かってる兵士なんだよな
On the road to nowhere
お互いさ。


Amie come sit on my wall
ねえエイミー、こっちに座ってさ
And read me the story of O
「O」の物語を読んでくれないかな
And tell it like you still believe
それから、なんだか君がまだ信じてる
That the end of the century
この世紀の終わりが、僕らに運んでくるっていう
Brings a change for you and me
「変化」ってものを、僕に教えて欲しいんだ


Amie come sit on my wall
ねえエイミー、こっちに座ってさ
And read me the story of O
「O」の物語を読んでくれよ
And tell it like you still believe
それから、なんだか君がまだ信じてる
That the end of the century
この世紀の終わりが、僕らに運んでくるっていう
Brings a change for you and me
「変化」ってものを、僕に教えて欲しいんだ

プライベート・ライアン

hbn442004-10-19


原題「Saving private Ryan」直訳で「ライアン上等兵の救出」。
まあそういう映画です。てか、「プライベート・ライアン」じゃわけわかんねーよと思いますが。

さて、何故いまさらこの映画なのか。

右のAAみて、「あ、そーいやこれ見てねーや」と思ったからです。それだけ。

面白かったですが、問題の「アパム」君。ここまで心に残るキャラクターだとは思わなかった。主役級てか、戦争の理不尽さを一身に集めてしまったような活躍。

この下ネタバレなので、文字色変えます。


純朴そう、かつドイツ語とフランス語操る知性派キャラで登場した時「あ、語り部だなー」なんて思いました。後でなんか回想しちゃったりするに違いない…

銃も撃てないヘタレですが、仲間の間にも、アパム認めてやっか、みたいなノリも生まれる。そして戦火の中、味方に弾薬せっせと運ぶアパム。

「アパム!弾持って来い!」

わー、怖いけど、俺が行かなきゃ味方が死ぬ…
走るアパム、がんばれアパム!なんか成長してきたネ!
味方が絶対絶命な状況の中、アパムは走る!

あ、味方が敵に襲われた!格闘戦だ!
その時アパムは階下に到着。まだ行ける!間に合った!いけ!

でも

アパム行かない

おい、そこ怖がってる場合じゃないじゃん!
思わず「行けって!」とか声が出ました。酔ってたし。

味方の絶叫が響き渡ります。助けて〜

でも

アパム行かない

そうこうしているうちに

味方死亡

_| ̄|○

アパム…

その後ドイツ兵に見逃してもらったり、あとで降参してるそいつだけ撃ち殺してみたり、ああアパム、あんたなんてキャラなんだ。濃すぎる。


トム・ハンクスがとても良かったし(ほんとイイ俳優だと思います)、ばたばた死んじゃう兵士をきっちり描いている。アパム君がいなければ、なかなかのアクション映画かなとか思いました。

それがアパムのせいで…夜眠れなくなる程ほどの「納得いかない」キャラでした。でも彼のせいで「戦争映画」に仕上がってる。こういう映画って「戦争って、ほんとやだな」って、思わせなければ、アクション映画ですもんね。

同じくドリームワークがらみの「バンド・オブ・ブラザーズ」も面白いですよ。
でもあっちのほうがもっとドライな感じ、かな?。おすすめです。

秋の日のクソレフリー

hbn442004-10-17


いきなりですが、サッカー観戦は最高です。
本日は国立競技場に行ってまいりました。

僕はFC東京大好きなので、バックスタンドややFC東京側に座って観戦しよう、そう思って座席を探すと…入場口に「満席」の張り紙が。

またまた、冗談いっちゃってさぁ。満席になるわけ…うわ、めちゃ入ってる。
浦和レッズがらみの試合以外でこんなに入ったの見たことないのよってぐらいお客さん入ってた。相手がジュビロだから、かな?

Jリーグ、一時のバブル時を過ぎ去ってはや幾星霜。こつこつと営業していた結果が、リーグ戦にも影響しだしているねとうれしくなりました。満席って言っても、一人で観戦する限りは、結構いい席座れるんですけどね。

バックスタンドには西日がさんさんと降り注ぎ、逆サイドはまぶしくて何が起こっているのか良く見えないのが辛かったですが、風も頬に心地よく、スタジアムには赤とんぼがふわふわと飛んでいます。ビールも旨い。最高です。


けれど試合はとある人物のせいでぶっ壊れてしまいました。そういう印象。

彼の名は家本。クソレフリーです。

サッカーはレフリーが試合を「演出」するスポーツではありません(そういった側面はありますが)。でもJリーグではそういったシーンがしばしば見受けられます。

何故に「演出」してしまうのか?

サッカーには野球のような明確な攻守交替がないので、試合の流れは頻繁に変わります。ボールを持っている方が、相手ディフェンスにそれを奪われれば、はい攻守交替。中盤が忙しい試合展開だと、どっちが攻めているんだかわかんないような事も。

でも、そこには明確な「流れ」があります。
AチームがBチームの攻撃に耐え、次第にチーム全体を押し上げ、相手ゴールに迫り始める。これが、分かりやすく言うと、サッカーのゲームの流れかたですね。要は「攻めっぱなしになってる」チームが流れに乗っている、と。

それをジャッジが変な笛で止めたり、流したりすると、この流れがぶっつんぶっつん切れます。

例えばとある選手がファウルを犯したとします。審判は笛を吹きます。

ピピー、はいそれファウル!被ファウル側のチームがボールを一度止めて、蹴りだします。そこでクソレフリー。

ピピー、そこからじゃない、こっち!こっちだっつってんだろコラァ!

これは大事なジャッジです、が、コレを連発されると、試合はリズムを失っていきます。ずっと揚げ足を取られて、話ができない感じに似ている。
こういうの見ていてもうイラつくの通りこして悲しくなってしまうんですよね。

そして、サポーターに

「クソレフリー!」

こんなコールで煽られる審判は、本当にクソ。

サポも審判に何言ったって仕方がねーやとは思っていますが、言わないわけにはいかない。だってクソなんだもの。


試合は0−0で終わりました。


スコアレスドローであっても、面白い試合、って言うのは存在します。

でも今日の試合は、正直つまらなかった。
東京がいまいちなのも歯がゆかったんですが、ほんとに審判にいらつくと行ったかいがなくなります。金返してくれ。

サポの間ではもう、「誰がクソレフリーである。」という認識がなされていまして、試合前に電光掲示板に本日の主審が紹介されると、

「うわーっ…」

というため息が流れます。そこには

試合、壊さないでくれぇ〜

ってサポの祈りが込められています。でも、祈りはあんまりサッカーの神様に届きません。それがクソたる所以なんですが。