近況報告 / 生存報告

 

三連休前日の9月22日(木)まで遡る。
普段から営業、各電話問い合わせ、製品発送、校正その他アフターサービスを
担当している営業品目分は全て自分でこなしているんだが、その週はそこに上司からの
業務依頼という名の宿題が付け加わって、自分はその圧倒的な量の業務を前にして
茫然自失するしか術が無かった。


休日を丸々潰しても結局仕事は片付かなかった。だから、月曜日の始業前に
全ての残務を終わらせるべく始発で職場へ出た。職場には5時半に到着。
早起きの甲斐があってか、8時45分の始業を迎える頃には、ようやく週の始まりを
心穏やかに迎えられる程度には片づけられた。片づけられたと思っていた。
多少の達成感。あるいは束の間の安堵を得た。そんな気がしていた。
しかし場面は暗転する。


考えなしにスピードを重視したためだろう。
上司からその仕事内容に関して散々嫌みを言われたのだ。


「いい歳してくだらない仕事してんじゃねぇよ。こんなやっつけ仕事で給料貰うとか、
お前はアルバイト気分が抜けないのか。この内容なら三歳児でもこなせるわ。
遊びで仕事してるなら辞めちまえ」的な。


何も言い返せないまま、少なく見積もっても1時間ほどは言われ続けただろうか。
睡眠不足で頭の中は朦朧としていた。そんな状況で長時間罵り続けられた。
何でこんなことまで言われないといけないのだろうか。人格否定と取れる言葉も
多く飛び交った。自然と頭が垂れてしまう。伏せ目がちになる。上司と目を
合わせられない。こっちを見ろ、下を向くな。辛そうな顔をするな。
精神的な逃げも許されなかった。


その時、どんな顔をしていたのかなんてわからない。多分何も考えられてなんて
いない。でも、自分の様子を見た上司はこんなことを言った。

「なんだ悔しいのか。こうやって仕事ができないのを指摘されるのが。
俺にバカにされるのが。仕事も一人前にやれてないのに悔しがったりするのか。
だったら結果を残してみろ。俺を怒らせないよう考えて行動しろよ!」




言いたいことは理解できます、、ご高説ごもっとも。。




とでも言うと思ったか!
残念でしたっっ。
そんなこと1mmたりとも思わねぇぇぇっ、、、とまでは行かないけど、
俺は上司のこういうコーチング手法にはとても懐疑的だ。
そう。これは間違いなくコーチングだ。


意図はわかる。結果を出させるために嫌われ役を買って出て、こんな惨めな思いを
したくないなら考えて行動しろ。俺を怒らせないような仕事のやり方を覚えろ。
悔しい思いをしろ。発奮しろ。そういう思いは端々から伝わってくる。
もういい加減理解している。


だが、自分にはわかる。その手法は自分には通用しないことが。
もうくたくたに疲れてしまったのだ。本当にどうしようもなく。


怒られても自分は震えて萎縮するだけだ。発奮なんてしない。
上司の剣幕にただ怯え、そして言いたいことが何も言えなくなる。
自主的な意見を求められていることも分かってる。
彼を前にすると、ただ頭を垂れることしかできなくなるのだ。


最近は怒られると頭の中が真っ白になり脳が痺れたような感覚を味わう。
すると何も考えられなくなる。大事なことを話してるということは
わかるのに頭の中には響かない。言葉が意味をもたず、ただの音として体を
通過していく。記憶になんて残らない。


説教の場で言われた重要なことを覚えていないから、また更に上司を怒らせてしまう。
そんな悪循環が出来上がっている。


もう無理だ。もう無理だ。って、そうずっと思いながら今は仕事をしている。








fin.