ブログを始めてからアクセスが伸びるまで


BLOG15.NET : ブログはこれからおもしろくなるのかな? - livedoor Blog(ブログ)」を読んで。

ブログに関して、新規参入の障壁、知名度の影響などについての記事。

現在、ブログで人気エントリになるのは有名ブロガーのばかりだ。たとえ同じ内容のエントリを書いたとしても、知名度によって人気エントリになるかどうか大きく変わってくる。これが大多数のブロガーのモチベーション低下につながるのではないかなと、少し思うのだ。

人気エントリってのは多くの人にブックマークされた記事のことで、評価が高い記事が人気エントリになる、と考えがちだが実際にはちょっと違う。

まず、評価を受けるにはその記事は読まれなくては、いや、最低限記事を発見してもらわなくてはならない。いつも読みにくる読者が10人のブログと1000人のブログでは、仮に半分の人がその記事は素晴らしい!と判断してブックマークしたとして、前者は5人、後者は500人にブックマークされることとなる。

実際はブックマークするのはブックマーカーだけなので、読者中にどれだけブックマーカーがいるか?ということになるのだけど、基本的に読者の数が多いブログほど同じ質の記事でも被ブックマーク数は増えて、人気エントリ入りしやすくなる。


ここで、「同じ質の記事を書いてるのに、無名な自分の記事は人気エントリにならず、有名ブロガーの記事は人気エントリになるのはおかしい!」と言いたくなる気持ちはよく分かるが、有名ブログはどうして読者が多いのかを考える必要がある。元々知名度の高い人がブログを始める場合もあるかもしれないが、多くの場合にはブログで過去に書かれた記事によって読者をじわじわ獲得してきた結果、有名ブログになってる訳で、ブログという場にたまった評価が上乗せ、いや、かけ算で効いてくる。(読者の数x記事の質)


今のブログの新規参入者に対する参入障壁のようなものはものすごく高い。何年も前からブログをやっている人で、今のブログの新規参入障壁の高さを分かっている人は、あんまりいない。

私の感覚だと、今も数年前もブログの新規参入の障壁はさして変わっていないように思える。というのは、いろいろと試してみたいことがあったりして、実験的にいくつかのブログサービスで新規ブログを作成していたりするのだけども(全く別ハンドルでこことは関係のない内容)、ブログ開始当初にくるアクセスが数アクセス〜数十アクセス/日という状況が私が最初にブログを始めた2003年頃から変わっていないから。


ブログを開始してからどうアクセスが伸びて行くかは、pingなどによる更新告知(無料ブログサービスでは何もしなくても自動で行われている所が多いが、独自ドメインな場合は自分で設定する必要がある)、取り扱うジャンルの人気度、記事の更新頻度、そして記事の質によって大きく変わる。

ここでいう記事の質は、本質的な記事の善し悪し以外にも、多くの人の興味を引きやすい内容というのも含む。テレビや週刊誌が低俗と言われつつも多くの人に見られ続けるように、揉め事だったり、極論だったりというのは、内容が酷くても多くの人の興味を引く。



ブログに新規参入した人が気づいていない、もしくは軽視しがちな部分として更新頻度がある。更新頻度が高い、特に毎日更新されるようなブログはアクセスが伸びやすい。数多く更新されることで常に新しい情報が得られることや、多くの記事があれば、ある読者にヒットする物も見つかりやすいという効果が思ったより大きいのと、過去記事に検索エンジン経由でやってくるアクセスがほんの少しずつではあるが積もり重なって、気づくと結構な量になっているというのがある。


またそもそも論として、私のような無名ブロガーはどんな記事を書いてもまず読んでもらうことができないという問題がある。既にある程度のトラフィックを稼いでいるブログなら、内容のあるエントリを書く → たくさんブクマされる、リンクを貼られる → トラフィックが増える → また内容のあるエントリを書く → 前より多くのブクマがつく、リンクが貼られるという好循環に入れる。

そして、数年前だったらその「既にある程度のトラフィックを稼ぐ」というのはそれほど敷居の高いことではなかったのかもしれない。しかし、最近始めたばかりの大多数の無名ブロガーは、最初の段階でアクセスが無いから、その好循環に入っていきにくいのだ。そこらへんの事情を無視し、「いい内容を書けば、その内アクセスは増える」と、のたまうのは「いい物を作れば宣伝しなくても売れる」というのと同じぐらい非現実的である。

はてなブックマークで、注目エントリ入りした後、人気エントリ入りした後と多くの目に止まるようになった時点でまたぐぐっとブックマークが増えるのと同様に、ブログもある程度の読者規模まで拡大すると、引用部分上段に書かれているような好循環に入ってアクセスがぐんぐん伸びる状態になる。


確かに、ブログを始めたばかりの無名ブロガー時代だと、なかなかアクセスが伸びずにもどかしく思う時期もあるかもしれないが、昔は良かったろうが今はもうダメだ、と嘆くほど新規参入が難しくなっているようには感じない。無名ブログ、有名ブログなど気にせず、記事で絡んでいけば、記事の内容で勝負することもできるし、昔はなかったソーシャルブックマークで良い記事を書けば発掘される機会も増えている。



ブログが成功するかどうか(大きなアクセスを得て有名ブログになれるかどうか、でもいい)の秘訣は?と聞かれたときに、「とにかくコツコツと続けること」を挙げるブロガーは多いと思う。好循環に入るまでの期間というのは、ブログにもよるが半年から一年、場合によってはそれ以上かかることもある。


要するにブログでは、純粋な内容で評価されるわけではなく、知名度などによって大きく評価が変わってしまうことが、ブログの発展についてはマイナスの影響も大きいのではないか、ということが言いたいのだ。

純粋な内容のみで評価される世界、というのはある意味理想ではあるけれども、世の中の人がそれぞれ読むことができる記事の量には限界があり、自分が高い評価を下しているブログの記事から優先的に読む以上、評価の際に知名度という因子が大きく効いてくることは避けようが無い事実でもある。

でも、ここを嘆いていても始まらない。とにかく、多くの記事を書いて、より多くの人に書いた物を読んでもらい、自分のブログの読者になってもらう以外に自分のブログを有名にする手段はない。知名度ってのも評価の一種で、それは良い内容を書き続けることで得られるものでもある。



なんでこの内容のブログにこんなアクセスが!と思うのなら、逆に「それを超えてやる!」ってのをモチベーションにしてブログを書き続けるってのもアリだと思う。