U-22日本 - 香港

helguera2007-02-28

国立競技場に行ってきました。
寒かったです、風が強くて。お客さんも少ないし、日本の積極的なシュートも少ないし、そういう意味でも寒かったけれど。試合開始前の選手が入場するさらに前に、2010年のワールドカップと2008年の北京オリンピック出場をかけた予選が始まるとかでカウントダウンをやったのですが、その協会の企画自体も寒いし、10.9.8…とカウントダウンしてきて、2.1.0で聖火台に聖火が点く段取りだったと思うのですが、あまりの強風で聖火が点いているのかどうかハッキリ分らずに、その時のスタンドの何とも言えないどよめきと頼りない聖火の姿は、まるでその後の試合を暗示しているかのようでした。


前置きが長くなりましたが今日はメインスタンド8入口の後段で見ていました。スタメンは先日のアメリカ戦からボランチの本田拓選手が6番の青山敏選手に代わっただけという、ある意味何とも分りやすいメンバーでした。で、試合内容もアメリカ戦と同じような課題が見えたという、分りやすい結果でしたけれど。


前半は日本のゴールを見ているサイドだったので主に守備を見ていたのですが、守備そのものよりもマイボールになった時に3バックの水本(4番)、伊野波(5)、青山直選手(3)と青山敏選手(6)の4人だけでボールをまわす形になってしまって展開ができないと言うかボールがスムーズに動かないと言うか。相手ボールの時は3バックの前に青山敏(6)と梶山選手(10)が並んでいるのですが、攻撃に切り替わった瞬間に梶山選手はかなり早めに上がってしまって、最初の展開には参加しないのです。青山敏選手が上がった時には梶山選手が残っているのですが、この辺りは交互に動くという約束事の他に、3トップの後ろに空いてしまうスペースを埋める役割が梶山選手に求められていて、マイボールの動きに関係なく上がるという決め事があるかのようでした。右サイドの水野選手(18)と左サイドの本田圭選手(8)も攻撃時には比較的高い位置を取るので、3バックはボールの動かしどころに困っているように見えるし、中盤を経由してのサイドチェンジも見られないし、停滞したボールの動きでした。
その分DFから直接前線の両サイドに出る長いボールは冴えていたのですが、”緩急”の”急”ばかりで”緩”の展開にスムーズさや安心した形が見受けられなかったのはアメリカ戦と瓜二つでしたね。


アメリカ戦の時は反町監督の考え方を『始めに3トップありき』かと思っていたのですが、今日の香港戦を生でスタジアムで見ると、どうも『始めに平山ありき』なのではないかと思うようになりました。平山選手(9)がポストになって2シャドーのようなカレン選手(22)と李選手(24)が受けて前を向くとか、何か3人で相手を崩す為の3トップではなく、平山選手を最初に考えた時の結果としての3トップというか。
後半の選手交代を重ねる度にチームが機能していくように見えたのは、選手交代が当ったというよりは、『スタートの形が間違っているんじゃないの???』と思ってしまいました。もちろん前半からの日本の攻撃がボディブローのように香港選手のフィジカルに対して効いてきたということもあると思いますが、どうもこの反町監督の戦い方は日本のストロングポイントである中盤をわざと捨てて戦っているようにしか見えませんでした。DFから直接相手DFラインの裏へボールを出したり、サイドが高い位置に開いたり、とにかく自分たちで中盤をなくそうとしているかのようでした。それでもサイドが勝ってしまったりDFから素晴らしいロングパスが出たりするのは、選手の個人技術が非常に高い証拠だと思うし、だからこそチームになっていないように見えるスタメンの戦い方が残念でなりません。
家長選手(14)と増田選手(7)が入ってからのような流れるような攻撃を試合開始から見たい。日本のストロングポイントはやはり中盤の選手のパスの能力の高さにあると思うし、だからこそあのスタメンの考え方が理解しにくいのです。


平山選手をはじめとした日本選手のシュートがなかなか決らないというのは、もう覚悟しているので特にコメントは無しです。ただし、後半の左サイドからのクロスが運良く平山選手の前に流れてきた絶好のチャンスボールをGKにエンジェルパスで返した時と、終了間際のシュート3連発が入らなかったときは大きく仰け反ってしまいましたけれど。シュートが入るか入らないかは別にしてもFWの選手で「オレにボールをよこせ! オレが決めてやるから絶対にボールをよこせ!!」というオーラを放っている選手が現れてくれると嬉しいのですけれどね。手数を掛け過ぎというか、2次予選ではそれでも得点できるでしょうが、最終予選で日本と同格以上の相手と戦うことになったときに、今の攻撃陣のゴールに迫る迫力では物足りない感じがします。


結果としては3−0なので文句の付け様はないのですが、守備時の不用意なパスミスやGKへのバックパスを処理に時間をかけて相手に狙われるなど、日本代表レベルでは見たくない場面もいくつかありました。連携とか言う以前の不注意なミスというか、集中力の欠如なのか、くぐってきた修羅場の数の少なさなのか。このような部分もやはり最終予選の相手なら見逃さないでしょう。2次予選があと5試合ですが、何とかその5試合のうちに勝てるチームとは言いませんが”戦える”チームにはなって欲しいと感じた試合でした。