「筋・関節・靭帯 ・・・・・」一人だけの研究室

2014-09-11

内在筋と外在筋について

今日は「内在筋・外在筋」について、特に内在筋に焦点を当ててみました。

 

ネット上では「内在筋=インナーマッスル inner muscles、外在筋=アウターマッスル outer muscles」と説明されていることが多い。

 

が、この説明は正しくない。

 

医学的には「内在筋=intrinsic muscles」であり、「intrinsic=固有の、本質的な」という意味から「その区域内にあるその関節だけのための筋」というのが正解。

同じく「外在筋=アウターマッスル」ではなく「固有的ではない、そのパーツに影響を与える区域外から来た筋」と言える。

 

では、なぜ「内在筋=インナーマッスル」との書き込みが多いのか?

 

「インナーかアウターか」ということは「深さ=高さの距離」に対する区別であり、片や「内在か外在か」は「その関節が所属する区域内か区域外か=平面上での距離」での区別のこと。

インナーマッスルとは内在筋ではなく深層筋であり、対してアウターマッスルは外在筋ではなく表層筋と記述するのが正しい。

深指屈筋や後脛骨筋など、外在筋でもインナーマッスルが多数あるのを見れば一目瞭然だろう。

 

「内在筋、外在筋」というのは主に手足で語られるため、もっとわかりやすく言えば「内在筋=手指骨・足趾骨に起始・停止を持つことからその中に筋腹を有している筋」「外在筋=手首・足首より遠位に起始部と筋腹があり、手足には腱として入ってくる筋」とした方が理解しやすい。

  

あっ、何故外在筋が腱として手足に侵入してくるかって? 

 

その答えはご自分の手足をよく観察してみればわかると思います。 

 

2013-08-22

右手首の痛み・・・(手の外科)

8月中旬

 

最近では正中神経障害が強く感じられてきている。

手首・指の屈伸障害に加え、全指腹部、特に第3指の知覚障害、ジンジンとした疼痛が苦しいぐらいになってきている。

ボルタレンの効果はほとんどないようだ。

一般整形では詳細な検査(MRI診断・関節液検査など)が出来ないし、したがって正確な診断がつけられない。

しかも、ブロック注射をお願いしてもほとんどの整形医はためらうらしい。

手首のような狭い関節では針を挿入するのは困難を極めるし、ましてや、下のようにどの領域にブロックするのかも確定できない状態ではそれを希望するのは無理と思われる。

 

<手関節の領域>

 領域1

    背側トンネル1=長母指外転筋腱、短母指伸筋腱、橈骨神経

 領域2

    背側トンネル2=長橈側手根伸筋腱、短橈側手根伸筋腱

    背側トンネル3=長母指伸筋腱

    背側トンネル4=総指伸筋腱、示指伸筋腱

 領域3

    背側トンネル5=小指伸筋腱

    背側トンネル6=尺側手根伸筋腱

 領域4

    掌側トンネル1=ギヨン管、尺側手根屈筋腱、尺骨神経、尺骨動脈

 領域5

    掌側トンネル2=手根管、長掌筋、正中神経

 

これは手の専門外科に受診した方が良さそうだ。

幸いにも、お盆休みに外来診療しているところを見つけたので、行ってみる。

電話で、右手が使えない(問診票に書き込めない)ため、問診票をFAXしてもらった。その他、これまでの経過をまとめておいた。

これで準備万端。

 

ということで気合を入れて早めに受付を終える。

 

とりあえず、レ線での画像診断でわかったこと。

      • 骨折有り。A整形医の診立て通り、白く写っているのは遊離骨片のようである。ただし、本人は覚えが無い。・・・少し痛いと感じた時があったような、無かったような。こんな骨折でもこの程度の記憶とは驚きである。
      • 尺骨突き上げ症候群気味。これに対する手術(尺骨単縮術)など一切言われなかったため、内心ホッとする。
      • 橈骨端尺側傾斜の角度が少ない。橈骨遠位端面は尺側へ傾斜すると共に前方へも少し傾斜している。尺側への傾斜を橈骨端尺側傾斜と言い、平均約23度。前方への傾斜を橈骨端掌側傾斜と言い、平均約15度。しかし、日本人では尺側傾斜の少ない人が多いらしい。このことにより、手関節(橈骨手根関節、手根間関節、豆状三角骨関節)のうちメインである橈骨手根関節の隙間が狭くなり、損傷リスクが高くなる。どうやらこれも関係しているらしい。
      • 骨が委縮してきている。3か月強の間負荷がかけられなかったために起こった廃用性委縮が進行しているようだ。

f:id:herauchi:20130822170345j:image:w640

 

次にMRIを30分かけて撮影する。

      • 炎症で関節液が溢れるほど貯まっている。どうやら、こいつが正中神経を圧迫して手根管症候群のような症状を出した張本人らしい。赤マルで囲ったところは尺側手根伸筋(ECU)の腱であり、そこからジャブジャブと滑液が湧き出しているらしい。

f:id:herauchi:20130822170742j:image:w360

次にエコー検査。

やはり、ECUが関節液に押されるように位置している。

 

とりあえず、痛み止めとしてノイロトロピン、化膿止めとしてメイアクトMSを処方され、2日後に予約を取る。

当日は今日の担当医師師匠に当る「手の外科エキスパート医師」の診察日であるし、午後の外来が1:00からというから願ったり叶ったりである。

午前診もそこそこにダッシュで病院に向かう。

 

診察室に入ると風格はあるがやさしそうな医師と前回お世話になった医師の二人に迎えられた。

「先日よりも腫れが引いていますね。薬が効いているようですよ」とのこと。

そういえば、少し楽になっているように思える。やはり、5月初旬に高熱が出た時に細菌感染もあったようである。

名医が一言。

「尺側手根伸筋腱炎ですね。」

で、

「ブロック注射をしておきましょう」

と、弟子の先生に告げ、キシロカインを尺側手根伸筋腱鞘内に打って終わる。

 

尺側手根伸筋(Extensor Carpi Ulnaris:ECU)は手関節の動的な支持性を受け持つ重要な筋であり、腱(Tendon)として尺骨頭背側の陥凹部を通って三角線維軟骨複合体(TFCC)の尺側・背側部を通過している。すなわち、ECU腱鞘の一部はTFCCの重要な構成体としても機能している。

ECUの炎症症状がTFCC損傷の症状と重なっているのはその為である。

いろいろと納得出来た。

あとは関節液の吸収を待つばかり。

同時にECUには負荷をかけずにリハを加えて骨の廃用性委縮の回復に努めよう。

時間はかなりかかるが、仕様がない。

症状が回復しても、基本的にオーバーユースなため、使用制限が今後とも必要になってくる。

そろそろ仕事も制限しなくては・・・・・・。

 

 


 

 

 

2013-08-21

右手首の痛み・・・(整形外科)

6月末

疼痛の位置が1・2週間おきに少しずつ変化してるように感じられる。

尺側部の疼痛があり、回外・回内運動痛が感じられる時にはTFCC損傷を疑い、

掌側部の疼痛があり、掌屈・背屈運動痛が感じられる時にはキーンベック病を疑い、

手の腫れと熱感、刺すような疼痛が感じられる時には偽痛風を疑い・・・・・

と思いつつ今まで来たが、朝起きたら手が軍手をはめたように腫れ上がっている。

これはもうアカン。我慢も限界に近づいてきた。

経過観察などと余裕をかましている場合やない。

今日は日曜だけど、とりあえず診療している近くのA整形外科に行く。

レ線撮影で診断。

尺骨と手首の間に骨片らしきものが写っている。

「骨折されたことがありますか?」・・・「ありません」

橈骨と手首の間に何か白い影のようなものが写っている。

「うーん。これは何かな?カルシウムかな?」

・・・ピロリン酸カルシウムならば・・・偽痛風かも?

もちろん、ここではピロリン酸カルシウムとの同定はできないため、偽痛風だとは断定できず。

結果、処方はロキソニン

痛風やったらこれでもそこそこ効きそうやけど・・・全く効果なし。

1週後、朝一でB診療所に行く。

f:id:herauchi:20130821174044j:image:w360

先生曰く、「ひょっとしたら痛風かも」

・・・ということで、ボルタレン(錠剤+座薬)とコルヒチンをもらう。

血液検査の結果がその日の午後にわかり、尿酸値に異常なし。

コルヒチン中止。

しばらく、ボルタレンを継続することにする。

2013-08-16

右手首の痛み・・・(経過観察中)

5月末

右手はあいかわらず全く使えない。

疼痛は何とか我慢できる程度だが、お箸もハブラシも使えない。

通勤の車も左手のみ。

ウインカー操作も最近では慣れてきたのか、我ながら自然にできるみたい。

でも、何よりも仕事がつらい。

包帯を持つのも、ましてやハサミを使うことも激痛を伴う。

(こんな時に骨折や脱臼患者が来たらどうしよう?)

これはいよいよ本格的に検査しないと・・と判っていつつ、日々が過ぎてしまう。

現状維持との裏返しに、悪化している感じがないことが腰を重くさせている。

とりあえず、もう少しだけ様子を見よう。

右手首の痛み・・・(始まり)

5月8日

気が付くと右手首が痛い。

  ズキズキとした自発痛あり。

  掌・背屈運動痛有り。


な・な・なんだこれは!

何か思い当たることは・・?

ない! 

いや、ひょっとしてシャッターを上げた時に手首を痛めたような・・。

とりあえず、少し経過観察と決める。

2013-05-11 ご報告

今期、大阪府柔道整復師会専門学院を辞めることになりました。

ゼミを立ち上げたばかりで少々残念でもあり、こんなものかと感じたところもあり、選挙のことから至極当然!とおもうところもあり・・・

まぁ今後は時間的束縛も少なくなった分、マイペースで仕事を楽しんで行きたいと思ています。

2012-08-02

課外ゼミスタート

今回、週一で教壇に立っている大阪府柔道整復師会専門学院でH24/6/30より課外ゼミをスタートさせました。


一応のタイトルは「柔整臨床での鑑別と基礎知識」。


柔整領域のみに限らず、ベッドサイドで必要となる情報提供が目的で開設しました。


予定は、H24.10.06(土)/10.20(土)/11.17(土)/12.15(土)/H25.01.19(土)/のPM.4:20-5:45頃まで。 

一般参加も受け付けていますので、興味のある方は(06-6444-4171)までお申し込みください。



 


 

2011-10-12

祝! 再開院 

先日の東北大震災被災した友人(山内先生)が施術所を再開院されました。

岩手県山田町で開業していたのですが、3/11の大地震と巨大津波で自宅・施術所は全壊、全焼。

しかし、磨き上げた治療技術力をベースに、今回新たに施術所を再開されました。

山内先生とは遠絡療法の勉強会で知り合い、仲良くさせていただいています。

足底板療法、加圧トレーニング、遠絡療法を極められており、学会での発表などもされているようです。

f:id:herauchi:20111012132733j:image:w360

岩手県にお知り合いのある方は是非お知らせください。


施術所名 = 山内接骨院

住  所 = 岩手県北上市有田町11-32

電  話 = 0197(63)6505

ホームページ = http://www.yamauchi-sekkotsuin.com/index.html

2011-07-18

スゴイ治療法が ・・・ !!

久々に書き込みます。

 

今年の初めから研究していた治療法の大枠が完成しました。

 

これは、一時的な筋損傷(筋だけではないのですが)におけるパワーダウンを回復させることを目的としたものです。

 

身体を運動機能させる時にはさまざまな筋が共同で協調して行われています。すなわち、筋同士のバランスが非常に重要であるわけです。

ある動作をおこなうとき、共同筋群のうちのある筋が飛び抜けてパワーを出力すれば、全体のバランスは崩れてしまい、目的とした動作をうまく行えないだけでなく、他の筋に無理な負荷を要求するため、損傷につながります。

 

逆に、ある筋が何らかの理由により要求されるパワーを出しきれないときは他の共同筋がバックアップすることで何とか乗り切れるようになっていますが、許容量を超えた時には同様にバランスが保てなくなり、機能低下に陥り、それが過ぎれば損傷となります。

 

「このポーズが出来なくなった」「今までなかったようなギクシャクした感じがする」というのが「このポーズをすると痛い」「常に違和感や痛み・重だるさを感じる」といった具合に・・・・・・。

 

筋力の話を一つしてみます。

一個の筋はAという骨とBという骨に付き、両方を最短距離に近づける働きをします。

ここで、その筋の張力はどうやって生まれるかと言えば・・・

筋原線維と呼ばれる筋細胞が手をつないだものが生理的収縮を行うことがスタートとなります。

 

が、

 

この筋原線維はよく見るとAとBの最短コースとは微妙に違った方向を向いているのです。

 

さらに、a,b,c,,,,x,y,z とそれぞれに微妙に向きの異なる筋原線維の張力が合成されて方向および力が決定づけられます。

まるでピラミッド構造のように(ヒエラルキー)最終的にはAとBに加わる力と方向が生まれるのです。

 

えっ? AからBへの方向って一つじゃぁないの? と思われるでしょう。

 

ところがどっこい。

 

筋による張力には回転(運動機能では回旋)力が内蔵されているため、より重く強いパワーが発揮できるのです。

いわゆる、トルクですね。

 

これを瞬時に調節することでA → Bの「矢印」の中の微妙な向きや回旋力を作り出すことが出来るのです。

 

野球のピッチャーで言えば、同じ「球速」なのに「重い」やら「伸びがある」やら「力が乗っている」やらと表現されているアレですね。

 

で、話を戻せば、損傷時にはヒエラルキーでの損傷部分エリアのみの筋力減少で済んでいるものが、時間やら程度やらによってそのエリアが拡大して行き、あるレベルに達すると他の筋との協調性が保てなくなり、疼痛や機能障害を起こして来院ということになるわけです。

慢性機能障害などはこの一連の延長にあって、最初は正常だった組織にまで余計な負荷が加わって発生したものであり、最も連動する部分に順次派生して行くものと言えます。

 

ここで一案。

 

時間差や程度差によってパワーダウンする「正常組織」の機能を高めるにはどうすればよいか?

一つの筋原線維をどうこうするのは、治癒力に依存する他はありません。

でも、ベクトル合成される力(と方向性)は補正出来るのです。

 

まるで筋の持つ潜在能力を高め、引き上げるように。

 

そこで命名。

 

この治療法を「S.P.M」と呼ぶことにしました。

 

「S」は潜在意識・潜在能力=Subliminal

「P」は潜在能力=Potential / 力=Power

「M」は筋=Muscle (実は筋以外にも有効)

 

もちろん、機能障害を起こしている筋を特定するだけではなく、その筋のどのエリアの合成力低下かを鑑別することが求められるのですが、エビデンスは着々と構築中ですので、興味のある方は是非一緒に研究・学習してみませんか?

 

 

 

2011-02-17

新しく仲間入りした本

amazonで頼んでいた本が来ました!

「エンドレス・ウェブ」と「皮膚運動学」の2冊。

最近、筋膜の役割についていろいろと考えているところです。

「エンドレス・ウェブ」は筋膜の構造とつながりをメインテーマにしたもので、ロルフィング(結合織の偏りを調整するボディーワーク)を行うロルファーには必携の書のようです。

「皮膚運動学」は文字通り皮膚の運動状態から考えた治療法であり、ヒーリングテープ治療法に通じるものがありました。

新たに「二関節筋」という本を注文中です。

いやぁー、軟部組織は奥が深くてなかなか面白い分野だと再認識した一日でした。

2010-10-19

高圧洗浄機はスゴイ!

10/17 日曜日。 晴れ。

 

今日は玄関のタイル汚れを大掃除。

 

今までも洗剤・漂白剤・デッキブラシなどでゴシゴシやっていたんですが、こびりついたカビ・コケの頑固なこと。

特に、目地やデコボコブロックなどの汚れはもう一体化してるのか?というくらいに取れる気配すら感じさせないものでした。

 

で、高圧洗浄機の登場!

          f:id:herauchi:20101019163343j:image   ←このタイプ

 

かれこれ15年以上の汚れがあららあららと言う間に取れる、取れる。

 

ついでに側溝のクリーニングにも挑戦しました。

ステンのグレーチングは重く、腰痛持ちの私には難敵であるため、ここ1〜2年は手つかずのまま。

ここはひとつ、グレーチングはそのままの状態で上から発射!

 

おぉ。スゴイ!

 

水圧のすさまじさに底面に付着しているコケのはがれる時の気持ち良さ。

なんか、長年の便秘が解消したみたい!

カビ・コケ・藻なんかは見た目も汚らしいんですが、実害はその悪臭。

慣れれば存外気にならないものですが、除去で臭いがなくなるとやっぱり良いもんです。

 

調子に乗って第二弾。

 

道路のわずかな隙間を狙って生えている雑草たちにも祈りを唱えながら発射!

おぉ、おぉ、土をえぐって根っこから弾き飛ばした。

手で引っこ抜いても途中で根が残ってしまうのに!

 

なんやかんやで5時間経ったら全身ドロだらけ。

 

でも、玄関まわりはピッカピカ。

 

自己満足の一日でした。

 

 

2010-08-08

痛いとき、冷やす? 温める?

皆さんは冷シップ・温シップの使い分けに疑問を感じたことはありませんか?

どういう時に冷やすの?温めるの?

 

まずは、外傷に対する「貼り薬」全般について。

 

「貼り薬」には「パップ剤」と「テープ剤」がありますが、基本的に「消炎・鎮痛」が目的です。

それのみを目的としたものは「冷・温」の区別はありません。

市販ではサリチル酸メチルなどの有効成分が入ったものが多く、それにカプサイシンが加わると「温シップ」、l-メントールやdl-カンフルなどが加わると「冷シップ」となります。

それでは、局所が痛んだ時にはどうしたら良いのか?

 

骨折や捻挫など、組織破壊が起こると微小毛細血管の破壊が見られ、内出血が見られます。

つまり、患部局所に血流が増加することになるわけです。

血液は酸素とともに熱も運んでいるため、局所の組織温は高くなる。

腫れ上がってズキズキと痛むのは血液が破壊された患部組織に流れ込んで刺激している証拠です。

弱っている患部組織に熱と(組織内圧の増加という)刺激がダブルパンチで襲うわけです。

 

この時には患部周辺を思いっきり冷やす(アイシングする)ことで

 1.熱の吸収

 2.毛細血管の収縮による内出血の阻止

をはかります。

 

「ズキズキ・ジンジン」した感じが止まるまでこの状態で。

内出血が止まれば「ズキズキ・ジンジン」が無くなり、組織の破壊痛のみとなります。

皮膚の熱感や張り感、赤みが無くなって来た時期ですが「触ったり動かしたりするとかなり痛む」という状態です。

この位になれば、組織の回復の為に血液を供給し始めますが、まだ炎症熱が続いているために

局所=冷、局所よりも中枢部=温 を施します。

運動療法もこの頃から徐々に始めて行きます。

炎症症候が完全に引いたら

局所=温、局所よりも遠位部=温 を施します。

温めながら運動療法を行えばより効果的でしょう。

 

と、まぁ、簡単に説明すればこういうことですが、「冷」か「温」かわからない時にはどうしたらいいか?

その時には両方試してみて気持ちの良いほうをおこなってください。

体(患部)がきっと教えてくれますから ・・・・・・・・・

 






 

 





 


 

2010-06-02

筋の話(ローテーター・カフ)

 

インナーマッスルと言えばその代表的なものが肩の深層筋で、その中でも下の4つが主役のように扱われています。

 

    ●棘上筋  ●棘下筋  ●小円筋  ●肩甲下筋

 

で、これら4つが合わさって腱板(ローテーター・カフ)を形成しています。

腱板とは文字通り「四つの筋の腱」が「合流して板状(プレート状)」になったもの。

 

では、この4つの独立した筋がどうして腱板を構成するの? 

 

そもそも腱板の存在理由は?

 

肩関節運動の主役である三角筋は屈曲運動・外転運動の大半を担っています。

肩の屈曲とは前方向に手を上げる動作。

肩の外転とは横方向に手を上げる動作。

指先まで伸ばして行うとわかるように、これは実にハードな仕事だと言えます。

従って、三角筋は上腕骨の遠位に付着して仕事効率を高めています。

 

              f:id:herauchi:20100602114731j:image

 

 

これを簡単に書くとこんな感じ。

           

              f:id:herauchi:20100602113034j:image

 

                   赤いのが三角筋

 

 

肩関節筋の主役である三角筋のみが働くと ・・・・・・・・・

 

              f:id:herauchi:20100602160758j:image

 

                屈曲しようが、外転しようが、肩は「脱臼」を起こしてしまいます。

 

 

で、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋が働くと、

 

              f:id:herauchi:20100602161148j:image

            

 

すなわち、これらの筋はどの方向への運動であっても肩関節が脱臼しないように働いてくれるんです。

 

4つの筋が微妙に調節しあって働く必要があるので、腱板という共同体を持って瞬時に反応するんでしょうね。

ま、ものが腱ですから腱紡錘による収縮抑制調節機能なんでしょうか。

 

 

 

2010-05-14

筋の話(インナーマッスル)

 

深層筋(インナーマッスル)とは?

これは実に興味深く、おもしろい機能を持つ筋だと思います。

 

体表面からは窺い知ることは出来ないが非常に重要な骨格筋。

 

いくら鍛えてもゴツくならない。

鍛え上げれば細マッチョ

 

今まで気づかれなかったその機能。

 

深層筋(インナーマッスル)は遅筋線維が主体となっていますが、その特性は ・・・・・・・・・

 

-長所

--持続力がある

-短所

--収縮反応が遅い

--収縮力が弱い

 

表層筋(アウターマッスル)と比較すればただ単に持続力があるだけのように思えます。

 

持久力を優先した代償に機動力を低下させたもの?

確かに、重力場での姿勢保持に関わる抗重力筋と同時に関節安定性を担保する深層筋(インナーマッスル)は持久力を要求されるのですが、それだけが特性でしょうか?

 

動物の動きは前後運動=屈伸運動(矢状面での運動)が主体となり、表層筋(アウターマッスル)がそれを行う。

しかし、他の運動との連動は抑制される。 

ただし、これは緊急時の動作であり、通常は不定な速度と不定な方向の連動の繰り返しとなります。

ここで、深層筋(インナーマッスル)が常に関与して来る。

 

 

さてここで次のような問いかけをしてみました。

解剖学書に書かれている筋の作用は正しいのか?」

私の答えは

「一部しか書かれていない。重要なことが抜け落ちている。」

です。

骨格筋の作用には「個別の機能的作用」とともに「他筋との関係性」が重要な要素として考えられます。

 

浅層筋(アウターマッスル)は単一方向の運動しか出来ないことは前に書いた通りですが、それでは連動性が生まれない。

たとえ連動できても力・方向・スピードなどの微調整が即時対応しにくい。

 

そこに登場するのが深層筋(インナーマッスル)なのです。

 

自動車を例にすると ・・・・・・・・・

ロー、セカンド、トップと切り替えるのですが、シフトチェンジの際にはクラッチを使います。

このクラッチの役目を果たしているのが深層筋(インナーマッスル)。

自動車ではニュートラルを介する為に一時的ではあっても加速力ゼロの場合が生まれますが、筋の場合には深層筋(インナーマッスル)自体の機能により運動が持続しつつ方向転換が出来るのがスバラシイ !!

 

個性豊かな表層筋(アウターマッスル)は陽極なので協調出来ない。

ここに、陰極の深層筋(インナーマッスル)が登場することで陽極同士が連携出来る。

 

              f:id:herauchi:20100514154858j:image

 

とつなぎ、必要なもののみジョイントさせる。

ただし、常に深層筋(インナーマッスル)に負担をかけていたり不自然なジョイントをさせようとするとその部が損傷を起こす。

これがインナーマッスル障害です。

 

 

また、同じ作用をする筋であってもわずかな方向性の違い作用点の違いがあり、それらを微妙にコントロールするのも深層筋(インナーマッスル)の働きによるものではと推測出来ます。

 

まるで指揮者のように ・・・・・・・・・

 

 

ところで、深層筋(インナーマッスル)というのは単独名の筋だけでは無く、表層筋(アウターマッスル)の深層線維群もそれに当てはまります。

したがって、深層筋(インナーマッスル)の深層部はより遅筋線維が多くなっています。 

 

 

特に、回旋筋は単一運動方向では無く常に自由度の高い運動方向性を有している為、あらゆる筋のポテンシャルを同時に引き出すことが出来るのです。

 

ボクシングなどの格闘技で「ねじりを加える」とパワーが乗るというのもうなずけますよね。

また、太極拳の「等速度での円運動」が深層筋を使っているのも理解できるでしょう。

なかなか理にかなった運動。

結局、回旋運動をする筋のほとんどは深層筋(インナーマッスル)と言えるようです。

 

 

 

肘を曲げる動作を例にして浅層筋(アウターマッスル)のみの働きを考えてみると、

 

  1. 負荷をかけずに軽く少しだけ曲げる時 ・・・ 主動筋(浅層筋)の表層部または弾性力

  2. もう少し力を加えようとする時 ・・・・・・・・・・・ 主動筋(浅層筋)全体

  3. 中程度以上の負荷をかける時 ・・・・・・・・・・ 主動筋(浅層筋)+ 共同筋(浅層筋

  4. もっと負荷がかかる時 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 主動筋(浅層筋)+ 共同筋(浅層筋)+ 拮抗筋(浅層筋

 

となりますが、ここで深層筋(インナーマッスルを参加させると、

 

  1. 負荷をかけずに軽く少しだけ曲げる時 ・・・ 主動筋(浅層筋)の表層部または弾性力

  2. もう少し力を加えようとする時 ・・・・・・・・・・・ 主動筋(浅層筋)全体

  3.     ↓          ・・・・・・・・・・・・・・・ 主動筋(浅層筋)+ 主動筋(深層筋)

  4. 中程度以上の負荷をかける時 ・・・・・・・・・・ 主動筋(浅層筋深層筋)+ 共同筋(浅層筋

  5.     ↓       ・・・・・・・・・・・・・・・ 主動筋(浅層筋深層筋)+ 共同筋(浅層筋深層筋)  

  6. もっと負荷がかかる時 ・・・・・・・・・・・・ 主動筋(浅層筋深層筋)+ 共同筋(浅層筋深層筋)+ 拮抗筋(浅層筋

  7. 限界値直前 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 主動筋(浅層筋深層筋)+ 共同筋(浅層筋深層筋)+ 拮抗筋(浅層筋深層筋)

    

となるでしょう。

 

 

深層筋(インナーマッスル)が加わることで共同筋や拮抗筋のパワーが効率的に引き出せ、スムーズな連動を見ることが出来ます。

 

姿勢が悪かったり、意識的に無理な方向への運動を強制すれば深層筋(インナーマッスル)の働きが得られず結果的に充分な筋力を出せないか、ギクシャクした動きになるか、筋損傷を起こすかにつながることになると私は考えています。

 

 

 

2010-05-12

筋の話(アウターマッスル)

 

筋線維(骨格筋線維)にはザッと分けて2種類のタイプがあり、それぞれ組成と能力が異なっています。

1つ目は速筋線維、2つ目は遅筋線維。

(この間の中間筋線維は省くとして ・・・・・・・・・ )

 

で、浅層筋(アウターマッスル)には速筋線維が多く、深層筋(インナーマッスル)には遅筋線維が多く見られます。

ここではそのうちの浅層筋(アウターマッスル)について。

 

浅層筋=表層筋と記述されることもありますが、深層筋との対比上、浅層筋の方が理解しやすいと思いますのでコレを使います。

  

ゴリマッチョ !!

見るからに逞しく、強そうです。

あの盛り上がった筋肉はスーパーマン、いや、文字通り筋肉マンのようです。

 

このビルト・アップされた筋が本日の主役である浅層筋(アウターマッスル)です。

 

 

とりあえず、浅層筋(アウターマッスル)の主成分である速筋線維の一般的な特性を挙げれば、

 

  • 長所
    • 収縮反応が速い
    • 収縮力が強い
  • 短所
    • 疲労しやすい

 

筋の作用には「体を(特に内臓を)守るヨロイの役目」があります。

突発的に発生した事故や外部からの攻撃に対する最後の防御は筋が受け持っているのですね。

それこそ「身を呈して」大事なものを守るのです。

弁慶の仁王立ち」のように。

従って、いかに速く・強く収縮するかが大きなポイントとなっています。

同時に、危機回避は一発勝負的なものですから、全エネルギーを瞬間に爆発させる為に疲労しやすい。

エネルギーを温存したって命が無くなれば何にもならないですから。

 

 

私が考えている浅層筋(アウターマッスル)の運動生理学的特性について。

 

筋が行う運動は

    1.前後運動=屈曲-伸展(矢状面での運動)

    2.左右運動=外転-内転(前額面での運動)

    3.回す運動=外旋-内旋(水平面での運動)

が基本となっています。

 

これを連動的に行うことでスムーズな動作が行われるのです。

 

そのうち、浅層筋(アウターマッスル)が受け持つのは屈曲-伸展、外転-内転となります。

浅層筋(アウターマッスル)の連動は筋力が大きくなればなるほど前後運動の屈伸のみで行われるのが大きな特徴です。

矢状面と前額面での連動運動も起こりづらくなる。

ましてや、水平面との連動は問題外のようです。

 

ついでに言えば、カニ以外(?)は前後(屈曲-伸展)が主運動となります。

 

で、

 

陸上競技で例えてみると ・・・・・・・・・

 

50M走、100M走は直線距離となり、200M走は直線80M+カーブ120Mと決められています。

浅層筋(アウターマッスル)のみで50M走は初速勝負、100M走は初速と加速の勝負、

それ以上では深層筋(インナーマッスル)が加わり、持久力も大きな要素となって来ます。

下肢だけでなく、上肢も矢状面での運動のみ行うのが理想的である為、腕を矢状面からはずすにつれて遅くなるでしょう。

同時に、体幹の回旋(水平面での動き)も浅層筋(アウターマッスル)がピークに近づくにつれ起こりにくくなる筈です。

したがって、首や腰を回旋させたランニングでは最高の結果を出しにくいのではと思えます。

むしろ、体幹を矢状面(前後)に連動させた方が効率的となります。

チータやヒョウなんかの走り方を想像して見て下さい。

逆に、ゴール時点では浅層筋(アウターマッスル)のブレーキとしてそういった回旋動作を見ることが多いですね。

首を左右に振ったり回したり、腰を捻ったり。

回旋動作を増やすことにより運動軸をシフトチェンジして行き、連動しにくい浅層筋(アウターマッスル)が制動されるのです。

 

 

重量挙げで例えてみると ・・・・・・・・・

 

バーベルを直線距離で持ち上げ、その時にいかにバランスを保ちつつ全筋力を開放出来るか。

体がブレた場合にはそのブレが前後もしくは左右のいずれかのブレでないといけない。

前後左右が連動するブレには対応出来ないし、対応しようとすれば浅層筋(アウターマッスル)が100%発揮出来なくなる。

さらに、初動時にどれだけ速く大きなパワーを出せるかも勝負の分かれ目になります。

重いバーベルに垂直上の加速度をどれだけ加えられるか。

加速度が最大に乗った時点で「引き上げ」から「持ち上げ」に移行するため、バーベルを「指部」から「手掌部」に移動させる。

ここでは微妙な持ち替えのための連動は無く、別個の運動をいかに瞬時につなげられるかがポイントでしょう。

「引き上げ」では前腕筋群の、「持ち上げ」では上腕筋群の浅層筋(アウターマッスル)が中心に働くからです。

 

 

以上のように、浅層筋(アウターマッスル)は速筋線維が中心となって働き、火薬のような爆発(収縮速度と収縮力)を行うというわけです。

 

 

2010-04-13

宇宙の神秘と疑問 !?

 

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「オルバースパラドックス」ってご存知ですか?

 

「宇宙が無限なら、数ある恒星の光により宇宙は光り輝いているはず」というもの。

 

物理学の進歩によりこの逆説が正しくないことは証明されていますが、このように宇宙には果てが有るのか無いのか、永遠に続くのかそうで無いのか、といった疑問は古代より持たれていたようです。

 

どうやら宇宙は膨張しているらしいですが、膨張するということは大きくなっているということ!?

 

ということは、宇宙は有限なんでしょうが、じゃぁその向こう側はどうなっているんでしょう?

 

四次元時空?

 

 

宇宙の始まりについてはビッグバン理論が広く知られていますが、ビッグバンが始まる時の「時空」は三次元

化合物にはキラルと呼ばれるその構造が鏡に映したように逆で決して重ね合わせることが出来ないものがあります。

 

また、反物質電荷が正負逆転した物質)と呼ばれるものの存在も証明されています。

 

メビウスの帯クラインの壺のように表と裏がつながっている世界があるとすればその世界ではキラルや反物質はどうなっているのでしょう?

 

光速は物質移動速度(空間は別)としての最高速度であり一定速度(秒速約30万Km)らしいけど、これは絶対的なもの?

 

  

??????????????????????????????????????????????????????????????????????

 

 

 

みなさん、一度は次のように考えて頭が混乱したことはありませんか?

 

宗教的なことは別として

この三次元空間に証明し得る絶対的なことってあるのか?

ということを。

 

見るもの、聞くもの、触るもの、感じるもの全てを自分では絶対化し、他人とも共通の言葉でその存在を共有化しているけれど、それって本当に真実でしょうか?


その前に、なぜ「普遍」だの「絶対」だの「真実」だのと言えるのか?

一般的に、自分の中に絶対的価値観を持ち、それが他者に全く認められない場合には自己内部で価値観の矛盾が生じ、自己否定するかそれを押し通して「変わった人」という称号をもらうかの選択を迫られるでしょう。

 

一体、自分が得た感覚的情報そのものが「他者が得た感覚的情報」と同一だとどうやって証明できるのでしょう

  

僕が見ている(認識している)「赤色」と他人が見ている「赤色」が「普遍的な絶対的赤色」だと証明することはできるのでしょうか?

同じ赤を見ても、僕には他人が言うところの「青」が見えているにも関わらずそれを「赤」だと思い込んでいるかもしれない

これをつきつめれば、自分以外の世界が虚構かもしれない。

 

この3次元世界そのものが「自分だけにとっての事実」ではあるけれど「普遍的な真実」とは限らないんじゃないか?

 

まぁ、昔流行った虚無主義思想のようですが、倫理や感情は別として物質現象面においてそう感じたことはありませんか?

 

外部のことを認知し、他者と共通認識を持つことで言葉というツールを使って意識の相互連絡をはかっているのですが、ベースとしては「外部から情報を受診」して「内部の情報を発信」するという構図となります。

(事故などで意思伝達不能の患者さんの場合は「内部の情報を発信する特別なツール」さえあれば可能であり、ここで言う一般論とは異なります。)

 

どんな論理的な説明でも、「言葉を聞く」もしくは「文字を読む」といった感覚的ツールがなければ情報は共有化されません。

 

しかもそのツールは共通化したものでなくては聞く耳も持ってもらえないでしょう。

 

たとえば、2〜3日前に誰かがどこかからテレパシーでモヤモヤ感を訴えてきたとします。

 

他人に伝えようとすること自体ためらわれるでしょうが、もしも言ったとしても「どうかしたん?」と言われるのが関の山です。

 

いつ・誰が・どこで・何を・何のために・どうやって、のうちのどれ一つもわからないからです。

 

自分が感じ取ったモノに対して確信が持てない。

自分の感覚を共有出来る他者がいない。

自分自身に自信が持てない。

 

 

結局、「自分本位の感覚」、いや、「他者と共有したつもりの感覚」、いや、「他者の感覚を鏡とした自己の感覚」で我々は存在感を得ているのか?

  


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2010-04-01

指関節は一軸性 ???

 

指を観察すればいろいろと面白いことに気がつきます。

まず、親指と残りの4本との違い。

指を伸ばした状態では、わずかな差こそあれ親指以外は手のひらと同一面上に位置しています。

 

でも親指はどうでしょうか?

手掌面とはかなりズレているのがわかります。

で、そのズレの調節は第一中手骨の動きが行っています。

よくできていますよね。

 

指の大切な役割として「つまむ」という動作があります。

これは親指と他の指で行いますが、よく見るとつまみ動作は指先の先端中央同士では行われていないのです。

しかも指が屈曲する時にはその接点が合うようにわずかな回旋を伴っている。

この「対立運動」が繊細に行えるおかげで緻密な作業が可能になっているんですね。

 

ところで、指関節は一軸性となっていますが本当にそうでしょうか? 

 

見た目には「屈伸」しかしないわけですからこれから見れば一軸性でしょう。

 

で、とりあえず、四指(親指以外)の屈曲を考えてみました。

解剖学の本を見ると浅指屈筋・深指屈筋の主動により指が引っ張られて屈曲する、とあります。

 

じゃぁ、屈曲して指先が到達する目的方向へブレないで、しかも正確に行えるのは何故か?

浅指屈筋腱・深指屈筋腱をキープしている腱鞘でその役目がはたせるのか?

 

  NO!

 

腱鞘では大ざっぱな腱のブレは制御出来ても細かな方向付けは出来ません。

 

ではどうやって?

 

実は「屈曲」と別軸の運動も加わっているのです。

しかも、その運動を制御する力も働く。

さらに同じ屈筋でも2種類の屈筋(浅指屈筋・深指屈筋)が付いている場所が違う。

最後に伸筋がこれまた当然違う場所に付いて逆方向から働く。

これだけの要素が有るため、指は巧緻運動が出来るのです。

ここで重要なポイントを2つ考えてみました。

 

まず、別軸の運動について。

これは「回旋」なのですが、単なる回旋ではなく「屈曲に伴う回旋」運動です。

言い換えれば屈曲ベクトルが必須要素となっている回旋運動なのですが、これには外旋と内旋があります。

「つまみ動作」でわかったように、親指以外の四指はその形状から屈曲時には親指と反対方向に回旋します。(構造的軸回旋)

すなわち、「屈曲に伴い親指とは反対側に回旋する」ということです。

逆にその回旋を打ち消す反対方向の回旋は後述するように虫様筋が行っていると推測できます。(機能的軸回旋)

虫様筋は不思議な筋であり、掌側にある深指屈筋腱から側索に移行して伸筋腱膜と合流し末節骨(指先の骨)背側に付いています。

つまり、掌側と背側を連絡する筋ということ。

MP関節を(橈側を通って)またいでいるのでMP関節は屈曲させますがIP関節は伸展させます。

骨間筋と違って虫様筋はMP関節の位置の如何に関わらずIP関節の伸展をある程度受け持っています。

 

この「ある程度」がポイント!

 

また、最もすごい機能としては虫様筋には筋紡錘が多いということ。

収縮力の調節が瞬時に行えるので、総指伸筋と合わさって行われる「指先への遠心性収縮力の総和」をコントロール出来るのです。

 

な、なんてスゴイ機能でしょう!

ここで、指先の屈伸運動での総指伸筋と虫様筋の働きについてまとめてみますと、

 

 1. 普通に指を伸ばす時 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 総指伸筋の求心性収縮

 2. 屈曲力を重視して指を曲げる時 ・・・・・・・・・・・ 総指伸筋の遠心性収縮

 3. 方向性を重視して指を曲げる時 ・・・・・・・・・・・ 虫様筋の遠心性収縮

 4. 屈曲力と方向性を重視して指を曲げる時 ・・・ 総指伸筋と虫様筋の遠心性収縮

 

さらに、さらに、虫様筋は「側索」にも付いているが、この側索は「橈側の側索」だというのです!

これが何を意味するかというと、「MP関節の屈曲に伴い指を親指側に回旋させる」ということ ・・・・・・・・・ だけでなく、「MP関節を屈曲させながら指の回旋をコントロールする」ということです。

屈曲に伴う構造的回旋度を微妙に調節しているんですね。

そこまでやるか虫様筋 !!

で、

 

もう一度これを順序立てて説明してみますと、

 1. 指の屈曲スタートは外在筋である浅指屈筋が出動 → 指を曲げるぞ〜 !!

 2. 次に深指屈筋が出動 → 若干の方向性をキープするぞ〜 !!

 3. 屈曲に伴い指骨の形状により親指とは逆方向への回旋スタート → か、勝手に回旋し始めたぞ〜 !!

 4. 虫様筋により親指側への回旋開始 → 回旋度の決定で指先をどこに向けるか決めるぞ〜 !!

 5. 虫様筋が筋紡錘の働きにより遠心性収縮力を調節。

   総指伸筋と共同運動する指先への総合遠心性収縮力をコントロールする → 伸筋・屈筋で付着部が4箇所以上もあるのでブレないぞ〜 !!

 6. 屈曲方向と回旋方向のベクトル合成開始 → これで完璧にブレないし微妙な方向性も決定したぞ〜 !!

  

となる訳です。

  

親指の場合にはCM関節からの動きにより屈曲 → 円運動まで多彩な動きを見ますが、母指伸筋群や母指外転筋群によりそれらの運動の安定化は担保されています。

 

単純な「指の屈曲」だけでもいろいろな事柄が関わっていることをご理解いただけましたか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2010-03-22

膝窩筋って

今日は膝の裏側にある「膝窩筋」について書いてみます。

どういう筋かというと、

(1)起始

大腿骨の外側上顆、LCMおよび膝関節包から強い腱として起こる。

(2)停止

・脛骨後面の内側上部(関節腔を貫く)でヒラメ筋線よりも上方に付く。

(3)支配神経

・坐骨神経(脛骨神経)

(4)隣接組織

・厚い筋膜組織に覆われる。この筋膜は半膜様筋腱にもつながる。さらに腓腹筋外側頭に覆われ、遠位では ヒラメ筋と接する。

・外側で膝窩動脈、坐骨神経と接する。

(5)補足

・膝窩筋腱は弓状靭帯、膝窩腓骨靭帯、ファベラ腓骨靭帯に覆われ、大腿二頭筋腱、LCMの下を通り膝関節包内に入る。

・外側半月の後外側部を走行し、外側半月と一部連結する。

(6)機能解剖

・下腿の屈曲と屈曲し始めの内旋に作用する。

・外側半月を後方に牽引する。

・膝関節唯一の単関節筋。

・下腿近位端付近の深層でヒラメ筋の内側近位縁のすぐ頭方に存在する三角形の筋である。

(7)その他

・膝の後外側支持機構の安定性に重要な筋。

・膝窩筋腱は外側半月中節と後節の移行部に存在する膝窩筋腱溝を後下方から前上方へ走行する。

・外側半月板は膝窩筋腱溝で関節包から遊離する。

大腿二頭筋大内転筋、長指屈筋、ヒラメ筋、足底筋と筋連結をする。

であり、その小ささゆえに「屈曲・内旋の補助筋」として扱われているようです。

 

でも本当にそれだけのために存在している筋なのでしょうか?

 

ここで膝の機能を解剖学的に考えてみました。

大腿骨と脛骨の解剖学的形態により脛骨は大腿骨に対してやや(5〜10度)外旋しています。

大腿骨両顆部の非対称性やらなんやらで脛骨は屈曲時に(大腿骨に対して)自動内旋を行います。

この時、地面に足が固定されていれば大腿骨軸が相対的に自動外旋となります。

 

しゃがむ時、固定された膝から下と上半身の連動をスムーズに連携する働きを大腿骨の動きが行っているなんて、スゴイですね。

 

大腿骨および股関節があんなに複雑なのもそのあたりが関係しているんでしょうね。この辺のことは機会があれば書き込みたいと思います。

で、伸展時はその逆。

脛骨内旋のコントロールは大腿二頭筋・半膜様筋・大腿筋膜張筋により安定化され、大腿骨には作用する筋が存在していません。

脛骨外旋のコントロールは大腿四頭筋により制御され、大腿骨での膝窩筋や脛骨でのハムストリングは外旋位での膝のロックに関与しています。

ここまでは医学書などにより報告されてきたことばかりですがここからちょっと雑談を。

歩行時、立脚期を考えれば支持脚の膝は伸展位となります。

歩幅を大きくしたり、同じ歩幅でも速度を上げようとするほど膝関節は過伸展状態に近づくでしょう。

つま先に体重移動が行われるとともににより重心が前方移動し、運動効率が上がることになります。

この時、膝の過伸展を抑制するのは何か?

基本的に伸展時には膝はロックされているためにその安定性は確保されています。

しかし、歩行を連続する時には[伸展]→[屈曲]リズムをスムーズに行うための機構が必要となります。

ここで膝窩筋が登場 !

つまり、最初に言った条件での立脚期には

[着地] → [伸展] → [過伸展方向への動き] → [過伸展方向への動き抑制=屈曲への助走] → [屈曲] → [遊脚期]

で、

この「過伸展方向への動き抑制=屈曲への助走」の大役を担っているのが「膝窩筋」なのではないか?と考えています。

臨床では、歩くと膝の裏あたりが痛い。もしくは膝の中側で痛む。ゆっくり膝を伸ばしたら何ともないのに勢いよく膝を伸ばすと痛い。などと言った患者さんの全ては膝窩筋の治療で改善されています。

また、転倒により膝を捻った後遺症として膝全体が痛重く、水腫がある患者さん(整形で抜いてもらったけれどもすぐに溜まってきたもの)に対して膝窩筋治療を行った結果、水腫が半減してきました。これには他の要素もあるかもしれませんが、自覚症状も好転してきたことからなかなか面白い臨床例だと思われませんか?



 

 

 


 

2010-03-16

ストレッチについて (part2)

ストレッチの方法としては、

  ・スタティック・ストレッチ

  ・バリスティック・ストレッチ

  ・ダイナミック・ストレッチ

などがありますが、これはストレッチを行う時の速さによる分類です。

では、ストレッチにより筋を伸張させる方法での分類はというと論じられていないようです。

それならば、ということでここで「技法の分類」をしてみます。

 a. 起始部と停止部を引き離す

 b. 筋腹部を押さえこむ

とりあえず、この2つの方法ですが、全てといって良いほど a の方法が行われています。

a と b の特徴は ・・・・・・・・・

  1. a は一人でもペアでも行えるが2は一人では無理であり、パートナーは技術力・解剖学的知識力が要求される。

  2. a は全体的に、b は局所的にアプローチ出来る。

  3. a はアウターマッスルを中心に、b はアウターマッスル・インナーマッスルともにストレッチをかけられる。

  4. a は皮膚・筋膜にも過大な負荷を要求する。

  5. b は治療としても有効である。

などが挙げられると思います。

b の理屈はいたって簡単で、ギターの弦を押さえた状態を想像していただければお分かりだと思います。

b は5.で述べたように治療でも結構応用(というよりも治療向きの方法かも)出来る技法で、半膜様筋、膝窩筋、棘下筋、小円筋、腰方形筋、三角筋の深部線維 ・・・・・・・・・ その他さまざまなインナーマッスル、うまくいけば棘上筋、回旋筋群などにもアプローチできるスグレモノ !!

興味のある方は是非一度トライしてみてください。


 

   

2010-03-10

ストレッチについて (part1)

 

一般的にストレッチとは体のある筋肉(骨格筋)を引っ張って伸ばすことを言い、筋の柔軟性を高め関節可動域を広げることが目的となっています。

その効果については ・・・・・・・・・

     1.筋肉ならびに結合組織の柔軟性の改善

     2.筋肉の緊張緩和

     3.血流改善

     4.神経機能の向上

などなど。

で、結果的に身体パフォーマンスの改善、障害予防などのメリットをもたらす・・・・・・・ ということです。

ここから生理学的に!

                                    

筋の仕事は収縮することですが、「求心性収縮」時に最も効率的な筋の状態を考えて見ると、

筋の最大張力 = 最大収縮力 + 最大弾性力    

   最大収縮力 = 静止長で発生 

   最大弾性力 = 静止長 × 120%で発生

ここで、静止長って実際にはどんな長さでしょうか?

実は、普段なにげなくとっているチョッと楽なポーズ。

そうです。

膝や肘、指などで少し曲げているようなスタイル。

静止長とは軽度屈曲位で得られ、静止長 × 120%とはそれよりも少し筋を伸ばした感じ。

例えば、肘の静止長を考えてみると、上腕二頭筋は180度伸展位よりも短く、上腕三頭筋は逆に長くなっているのが分かります。

つまり、180度伸展位では屈筋は静止長よりも長く、伸筋は静止長よりも短い。

どーでもいいような事実ですが面白く感じませんか?

ところで、ここでいう軽度屈曲位とは結構ファジーな範囲を示しています。

「軽度屈曲位=静止長ポジション」は「ココだっ!!」というものではなく遊びがある。

これは同一筋であっても筋線維の長さがバラバラなためであり、このことには当然のごとく必然性があるのです。

さまざまなポジションや力を加える方向にかかわらず一定のトルクを生み出すためには、静止長に一定幅の余裕を持たせることが必要であり、有効範囲内の筋線維群による最大収縮力と最大弾性力により最大張力を合成し、さらにギアーを入れ替えるようにシフトアップ出来る仕組みになっていると考えられます。

もしも静止長幅に余裕が無ければ、一定のポジション範囲以外では最大張力を得にくくなるということになります。

ごく限られた範囲内でしか最大張力を得られないということは実に不都合なことになることが容易に想像できます。

なかなか理にかなっているのではないでしょうか。

ただし、一定以上の筋収縮時には拮抗筋および深層筋の働きが必要不可欠になっていることは言うまでもありませんが ・・・・・・・・・

つまり、

屈筋の静止長は軽度屈曲位の中でも最も屈曲させた位置で得られ、逆に伸筋の静止長はその範囲内で最も伸展させた位置で得られる。  

・・・・・・ で、結局、

軽度屈曲位が屈筋・伸筋の一番リラックスできるポジションではあるが、最大筋力を発するのはそれよりも屈筋は少し伸ばした位置で、伸筋は少し曲げた位置で、ということになります。

ところで ・・・・・・ 。

軽度屈曲位って、運動不足の人でも別にストレッチなしでも自然に保っていますよね。

よっぽど体が固い人や外傷後の固定などで拘縮などがあった場合のほかでは最大筋力発生のためのポジショニングは可能なはず。

では、なぜストレッチが重要なのか?

筋や腱・靭帯などを柔軟にするとはどういうことか?

筋の緊張緩和とはどういうことか?

最大筋力を得るためには経度屈曲範囲内でこと足りるでしょうが、「ピーク」を得るためには「初動期」と「終動期」という「ゆとりの部分」が必要となってきます。

その上、「他筋との連動性と連続性」といった面から考えればそのつなぎとなるべき「バトンタッチの部分」が必要でしょう。

すなわち、最大筋力を得られる軽度屈曲位のみでは連続した運動能力は発揮できず、筋の柔軟性があればあるほどさまざまな条件変化に対応できることになり、これが運動能力アップとともに障害予防につながって来るのです。

「ゆとりの部分」「バトンタッチの部分」=「遊びの部分」であり、これをすばやく得るためにストレッチを行います。

また、生体機能のうちの「学習機能」というものも重要なポイントでしょう。

反復動作で常に良く使う組織は、反射反応速度が増えていく、これにより、一時的にスキルアップが見られるというスグレもの。

ようするに、筋の収縮・弛緩=クロスブリッジの結合・解除の反応を高めること。

同時に筋紡錘の反射(α−γ連関の反射スピード)を高めること。

また、腱に適正内限界値を与えることで腱紡錘の反射力を高めること。

これも筋や結合組織を柔軟にし、かつ関節を柔らかくして障害予防に役立つということにつながるのでしょう。

その他にも、筋と筋膜の癒着の剥離を改善することもストレッチが有効な理由の一つになります。

では、ストレッチはどうやったらいいのか?

 

次回はストレッチの方法について書いてみます。

 


 

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