hideboxのブログ

淡々と情報を書いていますが、生成AIによる自動ブログではなく、生身の人間が書いたオリジナル記事です。

Core i7-870のCPUクーラー換装(サイズKABUTOクーラーSCKBT-1000)

2010年の暮れにCore i7-870で自作PCを組んで以来(参照記事)、ちょっと気になっていたCPU温度。
安定志向のメインマシンとして定格クロックで使っているから熱暴走はないけど、それでもCPU使用率が100%近くになると冬なのにCPU温度が70度を超えたりする。
今まで組んだPCではずっとCPUのリテール(標準・純正)クーラーを使ってきたけど、この際なのでCPUクーラーの換装に初挑戦してみることにした。


選んだのはネットでも評判のいい定番商品、サイズ(Scythe)の「KABUTO(兜)クーラー SCKBT-1000」。
http://www.scythe.co.jp/products/cpu/kabuto.html
一緒にCPUグリスも買ってきた。これも定番のシルバーグリス、アイネックスainex)Arctic Silver 5(AS05)。
http://www.ainex.jp/products/as-05.htm


これを下記のような構成のメインマシンに組み込んだ。
CPU:Intel Core i7-870
マザーボードASUS P7P55D-E
メモリ:UMAX 8G(4Gx2)
電源:玄人志向 KRPW-V2-700W
グラフィックボード:ASUS ENGTX460 DirectCU 1GB(NVIDIA GeForce GTX 460)
ケース:Antec SOLO BLACK


あらかじめネットのレビューなどはざっと目を通しておいた。大きくて取り付けに苦労したという話も多かったけど、上記のパーツ構成ではマザボを外さずに作業できた。グラボを外して、電源のネジを外しユニットを少しずらせばCPUクーラーの固定ピンを押すために手を入れるスペースはできた。メモリやグラボにも干渉せず、推奨取り付け方向(ヒートパイプが下向き)で大丈夫だった。
AntecのSOLOはそれほど大きくない静音ケースだけど、割と大きいKABUTOクーラーを入れてもクーラーファンとサイドパネルの間は4cmほど空いていた。これなら空気の流れは問題なさそう。


元からついていたIntel純正CPUファンは割と簡単に外すことができた。ファン交換のときたまに起こるらしい「スッポン」(クーラーにCPUが貼り付いて外れてしまう現象)もなかった。PCを組んで数か月と新しいので、CPUグリスが柔らかい状態だったのもトラブルがなかった要因かもしれない。付着グリスの除去もグリスが柔らかいから簡単で、ただティッシュで拭き取るだけでほとんど綺麗な状態になった。あとは市販のグリスクリーナーで拭き上げて下準備は完了。市販クリーナーには2液式のものもあるけど1液式で十分だった。


情報収集・下準備段階でけっこう悩んだのがグリスの塗り方。薄く塗るほど熱伝導に有利というのはわかる。ただ、気泡を含むとよくないはず。空気はかなりの断熱材だから、グリスの厚塗りよりもタチが悪そう。グリスの熱伝導率は銅より2ケタ低いけど、空気はグリスよりもさらに2ケタ低い。
それならクーラー換装初心者はヘタに薄く塗ることを意識するよりも、空気を入れないようにグリスをサンドイッチすることに重点を置いたほうがいいんじゃないかと思った。
というわけで、薄く塗り広げるやり方はしないことにした。実際、CPUの真ん中にグリスを置いて、クーラーの取り付け圧力でぐりぐり延ばす方法の人がけっこういることが分かった。これは空気を押し出しながらグリスを外側に広げるという意味では理にかなっている気もする。
ただ、今回使ったアイネックスのシルバーグリス・AS05はちょっと粘性が高く、どの程度伸びるか心配な感じ。アイネックスのサイトにあった塗り方マニュアルでは「Core iシリーズでは横に1本線を引くように薄くグリスを置いて」とあったけど、そのまま圧着していいのか塗り広げるのかよく分からなかった。
結局、Web動画や換装レビューなどを見て自分なりに考えたのは「+」の形にグリスを置いて、真ん中はちょっと多めに塗って、塗り広げずにそのままクーラーを押しつけるというもの。これならCPUコアで発熱の多そうな中央部に空気が残ることも少なそうだし、このやり方でやってみることにした。


 ←こんな感じに塗ってそのままクーラーを圧着した


結果はかなり上手くいった。予想以上によく冷えて、アイドル時で4-5℃、高負荷時では最大20℃もCPU温度が下がった。
ほぼ定格クロック(EPU-6ターボモードで軽くクロックアップ)・室温18℃でいろいろなベンチマーク等を走らせたときのCPU温度は以下の通り。
左がノーマルクーラー、右がKABUTOクーラーSCKBT-1000。


●アイドル時
33 → 29
FF14ベンチ LOW
55-60 → 38-45
CINEBENCH 11.5 (OpenGL)
50-51 → 40-41
CINEBENCH 11.5 (CPU) (全コアCPU使用率100%)
79-80 → 58-59
Unigine Heaven Benchmark 1600x900 window
40-43 → 35-36 
モンハンベンチ絆
41-45 → 34-36
LOST PLANET2ベンチ テストA 1600x900 window DX11
Now Loading 58-59 → 46-48
Play 49-52 → 39-42
●「瞬間美女」サイト5ページ同時再生 (CPU使用率80-90%)
68-72 → 57-59


冷却ファンの音もかなり静かになった。ノーマルファンで低めの回転数に出ていた「クオーン」という金属的なノイズもなくなった。ファンの回転数は、ノーマルが最大2000回転くらい、KABUTOクーラーが最大1300回転くらいだけど、KABUTOクーラーはアイドル時の回転数は200回転くらいまで落ちた。BIOSで回転数警告が出るくらい低回転なので、BIOSの回転数検出を無効にした。なお、BIOSで無効にしてもWindows上の回転数表示ソフトにはちゃんと表示された。


とういわけで、無事にCPUクーラー交換完了。これで暖かくなっても安心して使っていけそう。


追記夏の使用状況。
自作PC・夏の温度(Core i7-870・P7P55D-E・GeForce GTX460・Antec SOLO) (2011.7.6)




サイズ KABUTOクーラー SCKBT-1000

サイズ KABUTOクーラー SCKBT-1000


AINEX シルバーグリス [AS-05]

AINEX シルバーグリス [AS-05]