副市長選任

 議案第44号として「副市長の選任について」が提出され、議会は同意を求められました。
 提案理由は、「欠員と成っている副市長に桑原栄氏を選任することについて同意を得たいので、地方自治法162条の規定によりこの案を提出するものである」
 桑原氏は昭和28年6月生まれ。
 経歴は、昭和47年3月県立豊岡高等学校卒業後、日高町職員となり、総務部国民体育大会推進課長、都市整備部武蔵高萩北土地区画整理事務所長、都市整備部長を歴任し、谷ケ崎総務部長が副市長となり後任の総務部長となったばかりでした。
 どんな人事案件でも提案理由は常にこの文言で行われます。これに対して、従来は共産党とみんなの会がこの理由では選んだ理由が不足しているからもっと説明せよ、と迫るのが通例です。
 副市長は、自治法の改正で従来の助役制度を変えて、平成19年から設けられました。複雑化する地方自治に対応できる組織と人材が必要、という地方制度調査会の提言に基づくものです。
 副市長は市長を補佐し、市長の命を受けて政策・企画をつかさどり、その補助機関たる職員の担任する事務を監督する。また、市長の権限に属する事務のうち委任を受けたものについて執行する。
 これが副市長の役割の法律に基づく大枠の解釈といったところだが、実際の範囲は、市長の考え方で相当のバリエーションがあるようです。
 とにかく、市長のメガネに適う人物であれば誰でもいいわけです。指名でも公募でもいいし、雇ってから気に食わなければ解職も自由。採用に当たっては議会が認めなければいけないので、誰でもいいといってもその関門を意識せざるを得ない。
 過去3回続けて県から副市長を招き、県とのパイプが強調されてきました。私は、もう中央とのパイプの太さが強調される時代ではないと思っています。今後の地方自治の進路とその中での日高市の将来を考え、市民の生活と暮らしやすさを第一に考えれば、どなたが就こうが副市長に求められる役割は、イメージとして固まってくると思います。
 市町村が国や県と直結する仕事も増えてきています。横断的な問題も多くなっているので、縦割りを排した調整機能が必要になってきています。
 個々の人材も組織もそれに対応できるよう改変し、市長が意思決定できる材料とインテリジェンスを準備することが副市長の最大の役割であろうし、全庁にわたる課題は市長からの委任に基づき進捗を図らなければならない。かなりスーパーマン的役割です。
 谷ケ崎市長は、35年ほど“同じ釜の飯”を食ってきた桑原氏を選任。“阿吽(あうん)の呼吸”で仕事ができることは、市長にとっては何よりも安心でき気苦労ない二人三脚ではないかと思います。
 そのことが改革マインド浸透と実践へのエンジンになることを願っていますが、不完全燃焼と出力低下にならないよう政策を通して見ていくことが私たちの仕事かなと思います。
 副市長室に入ったことはないが、あの狭い部屋に閉じ籠るのはどうなんだろう。市長の部屋との直通の入り口も無いのではないか。いっそのこと、部局との壁を含めて全部の壁を取っ払ってしまったら。
 余計なお世話なことは分かっていますが、そう思います。
 27日に即決です。